活眼明察日記

物事の道理や本質を見分け、真相を明らかにする眼力を養いたい

陸自の個人情報収集に「違法」判決

2012-03-27 20:00:47 | Weblog
こんな自衛隊だったら要らない。陸自・東北方面情報保全隊が「イラク自衛隊派遣に対する国内反対勢力の動向」というリポートを作成していたからだ。

リポートは街宣活動、集会、署名、ビラ配布から、果ては宗教団体、巨大メディアまで監視活動と情報収集の対象にしていた。まったくあきれたものである。

この違法な情報収集活動に対し、07年、久間防衛相(当時)は「隊員・家族の安全を確保するため」と、支離滅裂でつじつまの合わない珍説を国会答弁で披露していたことは記憶に新しい。

ぞもそも、自衛隊が市民を監視し、個人情報を作成する必要がどこにあるというのだろうか。自衛隊法ではこのことを正当化する箇所などどこにも見あたらない。自衛隊は任務を逸脱していたことになる。まるで戦前の軍部の諜報活動が亡霊のごとく復活したといわざるをえない。

この情報収集を違法だとして、情報収集の差し止めと損害賠償を求める裁判の判決が昨日26日、仙台地裁であった。裁判長は「情報収集は人格権を侵害し違法だ」として、原告勝訴を言い渡した。きわめて当然の判決だった。

それにしても陸自の一組織である、情報保全隊が市民の思想信条や言論と表現の自由まで、抑え付けていた罪は重すぎる。肥大し過ぎた自衛隊。監視攻撃の対象を市民やメディアまで対象を拡げたことは、余程、ヒマを持て余しているのではないだろうか。改めて自衛隊のありかたを考える時が来たのかもしれない。