活眼明察日記

物事の道理や本質を見分け、真相を明らかにする眼力を養いたい

朝日社説にはがっかりさせられた

2009-04-24 22:16:10 | Weblog
最近の朝日新聞の動きがどうもおかしい。4月21日社説「あっという間の守勢」は民主党小沢代表公設秘書が、政治資金規正法違反容疑で逮捕され、支持率が下がりながらも、なおかつ続投することを批判したものである。

朝日が主張すべきことは、政権交代を目前にしたこの時期に、なぜ検察権力の介入があったのかに焦点を合わすことにある。別に民主党擁護の立場ではないが、検察の公平を欠いた捜査を批判したいからだ。

政権交代を願う国民に、なりふり構わぬ検察権力の政治介入は圧政にあたる。介入により、すっかり政治の流れが変わってしまった。民主党政権を否定したい検察を誇示するもので、行き過ぎでもあった。

社説は小沢代表からの説明責任がないことを、盛んに批判しているが、検察でさえ、本件捜査について、国民には納得のいく説明はされていない。検察にもこの問題を明らかにすることを求めるべきではないか。

西松建設からの政治献金疑惑は、二階経産相、森元首相、尾身元財務相ら数多くの自民党幹部たちにも及ぶ。このことについて警察トップまで昇りつめた、漆間官房副長官が記者会見し、「自民党が捜査されることはない」としたことこそ「国策捜査」そのものではないか。

オフレコ発言とはいえ、朝日は記事として漆間発言を読者に提供した。ところが漆間氏が後日、「そのような発言はなく、記者の認識の問題だ」として前言をひるがえして、責任を報道機関に転嫁した。

それにも拘らず、漆間氏が描いていたシナリオ通りに、いまも捜査が推移していることは、朝日をはじめとするメディアが誤魔化されていたのに、朝日はこれに対し、抗議することもせず追及することもあきらめた。みっともないことである。

漆間氏発言が裏付けるように、多くの自民党議員に対して、いまも捜査の手が及んでいないではないか。朝日の小沢氏批判は本末転倒で、読者を納得させるものではない。自民党も民主党もカネまみれである。この問題にメスを入れ、本質を伝え、国民に問うことが朝日の急務ではないか。