
フィリピンで処方された薬の副作用で寝たきりが続いた。頻尿だったから夜はオムツをつけていたし、昼は雨も降らない蒸し風呂のような暑さが続いた。あるとき筋肉は落ち歩くことも面倒になる。ふと寝たきり生活というのは、自力を放棄した延長上にあることに気づいた。
まずい、これでは本当に寝たきり生活になる危機感をかんじた。そこで夕方散歩に出て撮影をした。既に身体に力が入らないし声が出ない。それでも身体をならすために撮影を続けた。というのもYouTubeにアップする直前で全ての編集済み画像データを消してしまったから再度撮りたいモチーフがある。ここはささやかな執念というほかない。
翌日はコンビニまで歩いて出かけもした。汗をかくと頻尿が少し納まる。我慢するから次第に筋肉がついてくるのだろう。つまり寝たきりは、筋肉が衰えてゆく一方なのだ。だから日本への帰国に向けて起き出して動くことにした。そうすると次第に身体が慣れてくるようだ。
この頃、テレビ代わりに毎日みていたスマホに飽きたし、映像を撮影するなど健康なときの所作であり、映像機器の更新なんかどうでもよくなっていた。デジタルということ自体に嫌気がさしていたからだ。さらにgooのブログが終わる。
考えてみれば、次次と好奇心を引き出し書いていた私のブログも、私自身が飽きていた。マンネリ化している。さらにあれほど緻密に考えていたい映像機器の更新など、どうでもよくなっていた。つまり関心が映像から離れていった。しばらくPC環境から離れるのもありか。
そんな考え方がネチネチと湧き上がっていた。これは元気になってから意欲があったら考え直すかもしれない。どちらにしても日本に帰国して元気を回復してからだな。
フィリピン・ブラカン復活祭
撮影:NIKKA PAGUTALUNAN
自分から辞めなくても辞める時は来る。