







名古屋の風景といったら、私が勤務していた大学の建築実習室だろう。将来WEBデザイナーや映像作家、建築分野を目指す学生はいくつかの実習室で制作をおこなう。そのため12月から締め切り日までの2ヶ月近くは各実習室を24時間開放している。全国建築系大学では、どこでも同様の風景がみられるはずだ。因みに論文だけの学生も一定数おり、制作前に論文発表会がおこなわれてきた。
学生達が制作テーマを提出したら教員はあとはしらねぇーよ!、といって関知しない。学生達自らが制作方法を決めそのためのスタッフを下級生から多数呼び集め作業の指示をだしてゆく。下級生を呼びこむこと卒業制作の方法が受け継がれてゆく。そして自分のことは自分で決めろというのが我が校のスタンスだ。
24時間体制だから、学生達が下級生のスタッフの分も含めて食事をつくる。おおっ!、鯛飯ではないか。リッチだなあと思っていると別のテーブルではおかずが見えない!!。
そんな粗食では可哀想だ。私はこの時期、毎年作業をする学生達に米を10kg単位で寄贈した。多い年では30kg消費した。教員が米を寄贈するなんて話は全国の大学でも聞かない。ちなみに私の研究室には炊飯器も電子レンジも冷蔵庫もあった。
当然学生達の多くは泊まり込みであり、なかには泊まり込んでインフルエンザにかかり、泊まり込みながら直したという猛者もいた。
そして講評会という卒業試験が催される。学生達は共同でつくりあげた模型を持込、パネルとともにプレゼンテーションをおこない各先生達から厳しい指摘をうける。
そして最後は外部の展示施設を借りて合格作品の制作展を公開する。これも学生達が自分達で陳列をおこなうなど準備をする。
学生達がテーマを決め制作し試験を受け外部展示に至るプロセスは、例年ブログラム化されており、そして教員は講評以外には口をださない。
このようにして一つの目標に向かって多数の学生達がコミュニケーションしながら、同じ釜の飯をたべつつ、制作に没頭する時間を経験すれば、この先社会に出ても何でも出来るさと私は考えている。工学系固有の実務的教育方法である。
iPhon13pro
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