Creator's Blog,record of the Designer's thinking

フィールドワークの映像、ドローイングとマーケティング手法を用いた小説、エッセイで、撮り、描き、書いてます。

Landscape49. 名古屋市中村区4.

2008年03月28日 | field work
 名古屋市中村区の区境である堀川沿いを、那古野地区と呼んでいる。戦災に遭遇した名古屋にあって、堀川沿いに蔵や古い民家が建ち並び、この地区だけは少しばかり古風な風景が残されている。そうした那古野地区の古い蔵のある通りの1本西側の通りにも、古い店舗が建ち並ぶ風景があった。それが上の写真である。名古屋駅から歩いても10分程度の所である。
 私が大学で進めているデザイン実習では、毎年那古野地区を対象とする課題制作を学生達に行わせている。従ってこの地区を、毎年学生達をつれて歩き回っている。近年になって少しずつではあるが、街の風景が変化している。先ず古い建物が減り空地が増加している。おそらく住む人がいなくなったためであろうか。また良心的なのは、古い建物が、そのまま喫茶店やレストランなどに転用されている。転用といっても、本来そんなに外部の人々が来るところではなかったので、なんとか経営しているといった状態である。少しずつ人々が、こうした風景が持っている価値に気づきだしてきたことを、個人的には評価している。
 歩みは遅いが、少しずつ古い風景が残されようとしていることは喜ばしいが、他方でなくなってゆく風景もある。今後どちらの動きが主導的になるかはわからないが、近年になって、特に街が変化しつつあることは確かだろう。そうした街を改変してゆこうとする行為自体が、都市のダイナミズムの一つなのだろうと思っている。

撮影1997年
NIKON F4,NikkorF2.8/35-70mm,プラスX
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