Creator's Blog,record of the Designer's thinking

フィールドワークの映像、ドローイングとマーケティング手法を用いた小説、エッセイで、撮り、描き、書いてます。

Landscape50. 名古屋市郊外

2008年03月29日 | field work
 写真は、名古屋市郊外、正確に言えば小牧市にある美術系大学のバス停である。遠近感がありながら、遠くの風景が隠れていることが、面白かったと記憶している。というのも、当時一時ではあったが、横浜美術館で行われていた写真教室に通っていた頃に、講師の金村修先生が、これって引き抜いた写真であったのだ。個人的には、フーン・・これねぇーと思っていたのであるが、写真というのは不思議で、そういわれればそんなんかなと思いながら、いつも眺めていたカットであった。
 だが、遠くが見えない、という金村先生の考え方は面白かった。彼の(私の年齢の1/2位だろう)写真作品が捉えようとしているのは、混沌としている都市そのものだったからである。彼によって街中に放置された自転車や電線が、都市の風景であることも教えられたように思われる。デザインの立場からは、当然放置自転車や架線はないほうがよいのだが、それでも出現するところが都市なのである。
 つまり整然とされた状態と混沌とした状態と、どちらをとっても都市なのである。都市とはそうした両義的或いは多義的な世界なのである。都市デザインに没頭していると、ともすればそうした混沌としている世界を忘れてしまうことがある。だから、時々この写真を見ながら、混沌とした都市の姿を思い出すのである。
 ところで、昨年の8月から書き続けてきたこのブログも、最近書き飽きた感がある。調度春休みでもあるし、少しこのブログもお休みを取りたいと思う。

撮影1997年
LEICA M4-P,ElmaritF2.8/28mm,トライX
コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« Landscape49. 名古屋市中村区4. | トップ | Landscape51. 京都・桜1. »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

field work」カテゴリの最新記事