Creator's Blog,record of the Designer's thinking

フィールドワークの映像、ドローイングとマーケティング手法を用いた小説、エッセイで、撮り、描き、書いてます。

PEN LIFE1560. 海底の地形

2018年09月12日 | diving

 どこか宇宙の一角でも思わせるような原始的な風景であり、私が好きな画像だ。

 多分右側の岩は上部の山から滑り落ちてきたのだろう。近世の地震の頃だろうか、いや江戸時代の頃か、あるいは人類が誕生する以前の地殻変動だったか。もっといえばその割れ目や岩肌はいつ頃形成されたかと考えをすすめてゆくと、少なくとも人類が誕生する以前の地球50億年の時間の流れのどこかだったのだろう。そんな地形が水中には多く見られる。

 それに引き替え人類の歴史は1億年にも満たないし、およそ文明を築いた頃からカウントしても2000年程度である。だから古典建築など精々2000年程度の歴史であり、眼前の岩やその割れ目などより短い歴史かもしれない。つまり古典建築よりも、あの岩の存在がはるかにに古いのだろう。建築をはじめとして人間がこしらえたモノは、その程度の時間しかないからすぐに飽きてしまうんだよ、というアジュメール号のキャプテンの言葉は説得力がある。

 海底の風景には、人類の歴史時間をはるかに超える悠久の時間があるわけだ。

 そんな私が見ている風景も、海岸線から100m以内であり、エンリッチドエアのタンクを使用しているから水深32mまでのほんの僅かな範囲内だ。

 地球の水深は1万メートルまであり、一度日本海溝から1万メートルは高い巨大ななだらかな擁壁を見てみたいだと思われる。今でも3DCGでは詳細な海底の地形図さえあれば海底の地形を生成できるが、それではオブジェクトを見ているようでもあり今ひとつリアリティがない。それが人間が見ることができる限度だとは思われるが・・・。

 いっそ地球の水を全部抜いて上からではなく、アイレベルで見てみたいと思う。現在2030年をめどに海底地形の解明が世界的に勧められている。いまだに火星ほどに解明がすすめられていない海底の世界だ。常に私達の眼前にあり、人間の歴史や生活と関わりつつ、何もわからないのが水中の世界である。

 

沖縄県渡嘉敷島アリガーケーブル

OLYMPUS E-M1、M,ZUIKO DG FISHEYE8mm/F1.8

ISO200,露出補正-1,f/8,1/160 

コメント
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