Creator's Blog,record of the Designer's thinking

フィールドワークの映像、ドローイングとマーケティング手法を用いた小説、エッセイで、撮り、描き、書いてます。

番外編84. 聚食の風景

2012年01月26日 | Nagoya city
 この時期私の大学では、学部生の卒業制作で施設は24時間開放されている。学生達はほとんだ大学で寝泊まりしながら、制作の締め切り日や展覧会をめざして頑張っている。
 ところで、大学の周囲に食物屋が少ない。特に朝飯に至っては吉野屋1軒しかない。毎日吉牛というわけにはゆかんぜよ。そこで当然学生達が夕飯や朝飯をつくることになる。
 私の研究室に、冷蔵庫、炊飯器、電子レンジ、オーブントースター、珈琲メーカー(カビがはえていたけど)が置かれている。だから近所のスーパーでおかずを少々調達すれば、夕飯にはなる。余った米は、おにぎりにでもしておけは、朝飯になる。学生達はそれからここで仮眠するのである。
 夕食時になると研究室に、ご飯が炊ける良いにおいが漂ってきた。この日のメニューは、男子学生がつくった鯛飯である。みたら鯛が1匹まるごと炊飯器の中にはいっていた。お上手ではないか。それをほぐしてかきまぜて、はいよくご存じで。これに酒でもでてくると宴会だろう。酒ぐらい飲まなきゃやってられないぐらいに、今日の名古屋は雪が舞っており大変寒いのだ。
 それにしても、素晴らしい習慣である。なによりも真冬の寒さとハードワークに耐えるには、まず食事をちゃんととるほかない。学生達はよく気がついている。こういう風景を見ていると、飯がつくれればなんでもできるさ、といいたい位に、こちらは安心する。それにみんなで同じ釜の飯を食うという連帯感もできるだろう。
 核家族社会の中で少なくなった、みんなで集まって食事をする聚食の風景、それは大学時代の良い思い出になるだろうと思われる。

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