Creator's Blog,record of the Designer's thinking

フィールドワークの映像、ドローイングとマーケティング手法を用いた小説、エッセイで、撮り、描き、書いてます。

セカンドライフ sonicmart制作記8.

2007年08月24日 | Design&3DCG
 今回は、主役と脇役の話を続けよう。環境形成において、何時も同じ要素が主役であるとは限らないことはしばしば力説していることである。今回取り上げた、広場やボードウォークに置かれる、東屋、パラソルテーブル、椅子といった街具(屋外に設置される家具を言う)が、環境形成に果たす役割は、建築と同等であると考えている。上図の写真の広場では、主役が街具であり、建築が背景といった脇役になることを示している。この広場は、これら街具、そして植栽とによって絵になる風景を構成している。特に街具と植栽となじみがよく、このような関係性は、リゾートらしさを演出する上で必要なポイントである。
 幾つかの他のリゾートシムを見学すると、こうした街具と海岸のランドスケープだけで、時間がゆったりと流れるリゾートらしさを表現している。環境形成を、建築に依存しない分、プリム数が低減できるので、合理的な制作方法だと言える。実際にトラフィック数も多く、またナンパで有名となっているリゾートシムもある。そこでは、ビーチに東屋とダンスマットを設けたキャンプとし、多くのアバター達が集まっている風景が、より一層リゾートらしさをつくりだしている。環境アメニティ、アバターの密集、キャンプとがよく関連づけられながら、一貫性あるデザインテイストで制作されている。
 シムの運営にとってトラフィック数をあげることは、重要な課題である。アバターが集まるのには、一定の法則がある。一言でいえば、「アバターは、アバターのいるとこに集まるのである。」いつもアバターが集まる場所だとという、セカンドライフ上での話題になることは、重要なプロモーションとなる。シムの中に、いきつけのバーがあれば、いつもそこは常連アバターで賑わっている。そこでシム情報や制作情報を交換したり、恋人をみつけることもできる。セカンドライフの魅力は、そうしたコミュニケーションにある。
 アバターを操るのは、背後の人間であるから、SL上の法則やコミュニケーションは、そのままファーストライフにおいて、私達が界隈とよんでいる手法や出来事と同じなのである。
 

コメント
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