気軽に洋書ミステリー

家にいてもすることがないおじさんは考えました。このままではボケる。そうだ!好きなミステリーを英語で読もう!英語力???

Into the Dark by Alison Gaylin

2014-07-09 13:38:28 | 読書感想

失踪人捜査を専門とする私立探偵Brenna Spectorは助手のTrentに言われ、今度調査することになるLura Belleと言う女性のパソコンに映し出された映像を見ていた。Lulaはバックからの照明で顔を判別することができず、ヌードと思われるシルエットがビデオの中で動いていた。
Lulaはperformance artistと称し、Webで自らのビデオを有料で公開していた。彼女はヨガのようなポーズを取りながら、南部訛のハスキーボイスで視ている者に自らの少女時代の思い出を話していた。Trentをはじめ多くの男が彼女の魅力に引かれ 彼女のサイトは盛況を呈していた。しかし、3ヶ月前に彼女は、突然、Webのサイトを閉鎖して消息を絶っていた。

自分が見聞きしたことはすべて記憶する能力を持つBrenna は Lulaが何気なくした仕草に、2ヶ月前に娘のMayaとナイアガラの滝を見物に行ったとき、同じ仕草をした女性がいたことを思い出す。男と一緒にいた20代と思われる美しい女性はとても悲しそうな目をしていて、死にたいと思っているように見えた。

その女性とLulaが同一人物か判断できないものの、BrennaはLulaに興味を引かれるが、依頼人の名前がErrol Ludlowと分かるとこの仕事を断ることを決心する。彼女は独立する前彼の事務所で働いていたが、その間、彼の配慮のなさで4度も生命の危険に会っていた。

しかし、映像を見続けていた彼女は Lulaが子供の頃の思い出としてセメントミキサーの歌について話していることに衝撃を受ける。その歌はBrennaと彼女の父親しか知り得ないはずの歌だった。どうして Lulaはこの歌を知っているのか?興味を持ったBrennaはこの仕事を引き受けることにする。

Brennaは依頼人のErrolと会って、真の依頼人がGary Freemanというハリウッドで有名な少女専門の大物プロデュウサーであることを突きとめる。

Garyは、Lulaの依頼でWebに有料サイトを立ち上げたことは認めたが、彼女との連絡はE-mailで行っており彼女と会ったことはなく、何処に住んでいるかわからない、とBrennaに告げる。

Garyは、Webで得た収入をLulaに送っていたが、Lulaが送り先に指定した私書箱はBrennaが子供時代を過ごした町だった。
彼女は伝てを利用して私書箱の設置者を突き止めるが、設置者はLulaではなくRobin Tannenbaumという男だった。そして、RobinもLulaとほぼ同じ時期に消息不明になっていることがわかる。また、彼の部屋にはBrennaについて書かれた本が残されており、さらに彼のPCには幼いBrennaと姉Cleaが一緒に映っている子供時代の写真が保管されていた。

BrennaはRobinの母親から彼は映画学校に行っていたことがあると聞き、Webに流されていたLulaの映像は彼が撮っていたと推測する。

Brennaは Lulaが行方不明になっている姉ではという想いが心の中で徐々に膨らんでいくのを感じる。一刻も早く、二人の行方を突き止めることが 長年、Brennaの重荷になっている姉の消息を掴めることになると信じ彼女は捜査を進めていく。

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ひとつの手がかりが次の手がかりへとつながり、読むスピードをゆるめない。ただ、一つの手がかりを発見する度にBrennaのそれに関連した回想シーンが入り込んできて読んでる僕を混乱させる。
ミステリーとしては必須かもしれないが、単なる人探しの調査のはずが殺人事件が起こり、Brennnaたちも命の危険にさらされるなど、物語も次第に緊迫感を増していく。

また、最後の最後まで、Lula BelleがBrennaの姉であるかどうか曖昧にしたままでストーリーが進むので、Lulaが姉でハッピーエンデングの終わりになるのか?ミステリー小説なのだから、うまく理由づけして他の終わり方をするのか?どちらも可能性がありそうで最後まで興味が尽きることなく読めた。


読んでいて一番印象に残ったのは、Dinandraという若く美しい女性、男は皆彼女の魅力に一目惚れしてしまう。ここまで男に尽くす女性はいないのではと思うほど敬愛する男に対する彼女の献身的、無上の愛、一途さ・・ちょっとほろりとしてしまう。

また、昔のすらりとした体型の面影が消えてしまったBrennaの高校時代の友人が彼女に情報を与える代わりに、高校時代の彼女の話、チアガールをしていた彼女がどんな服装をして、どれだけ男達にモテていたのかをBrennaに話をさせ、自分の輝いていた時代を懐かしがる。この気持ち分かる、思わずにやりとしてしまう。

384ページ ★★★  Kindle版 519円


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