患者=イエス・キリスト
<家族歴>同胞なし。両親と3人暮らし。精神病遺伝負因なし。
<生活歴>紀元元年12月25日、ベツレヘムの馬小屋で生まれる。父ヨセフは大工。母は、マリア。幼少の頃から、天才的な哲学的発言をして、両親を驚かせた。知能指数は、相当、高いと思われる。幼少の頃は、父ヨセフの大工の手伝いをして過ごした。幼少の頃より、律法学者を論破するほどの、優れた頭脳の持ち主であった。
<既往歴>特記すべきことなし。
<現病歴>成人すると、山に、登り、40日の修行をする。この時、悪魔と口論をして悪魔を論破した、と、本人は言う。その後、「山上の垂訓」と称して、多くの人々に、様々な説教をする。その後、12人の弟子が彼に従うようになる。その後、エルサレムに向かう。「私は神の子である」、「私は性交によらず、処女懐妊によって生まれた」、「汝の敵を愛せ」、「あなたの罪は許された」、「私は死後、3日後に蘇る」など、おかしな言動をするようになる。ラザロという死者を、蘇らせた、とか、一匹の魚とパンを、無数の、魚とパンに変える、などの、奇跡を行なった、などと、彼の弟子と称する、取税人マタイは、証言した。あまりの不遜な態度に、民衆が怒り出し、「十字架にかけろ」と、騒ぎ出すようになった。彼の、支離滅裂な言動から、彼を心配した彼の弟子の一人である、イスカリオテのユダが、救急通報し、当院受診となった。
「入院時現症および状況」「私は神の子である」、「私は性交によらず、処女懐妊によって生まれた」、「あなたの罪は許された」、「私は死後、3日後に蘇る」などと、発言は、支離滅裂であり、誇大妄想も著しくみられた。症状および経過より精神分裂病と診断し、本人に入院治療の必要性を十分に説明するも病識が欠如しており同意は得られなかった。精神保健指定医(以下「指定医」という。)の診察の結果、精神分裂病による誇大妄想状態であり、病識が著しく欠如していることにより入院治療が必要と診断された。紀元30年8月30日、精神保健および精神障害者福祉に関する法律(以下「法」という。)第33条第2項に基づく医療保護入院となった。同時に外来にて本人に対し口頭及び書面にてその旨を告知し、診療録に記載した。
「入院後の治療経過」入院当日よりリスペリドン4mg、クロルプロマジン50mgを開始した。しかし思考の滅裂は改善しなかった。「主よ。彼らを許してやって下さい。彼らは自分達が何をしているのか、わからないのです」とか、「 わが神、わが神、なぜ私をお見捨てになったのですか」、などの誇大的な独語も見られた。その後も誇大妄想が強いためリスペリドンを8mgまで増量したが、誇大妄想は消失しなかった。しかし、自傷他害のおそれもなく、指定医の診察の結果、通院治療が可能と診断されたため紀元30年9月19日退院となった。以降定期的に外来通院中である。
「考察」支離滅裂で、精神運動興奮は認めないものの、誇大妄想が激しく、医療保護入院による治療を余儀なくされたケースである。入院治療で精神症状の改善は認められなかったものの、自傷他害のおそれはなく、退院となった、非常にまれなケースである。家族に対し病名告知を行うも十分な理解が得られなかった。患者が行ったと言っている、奇跡は、集団催眠か高度な手品のようなものであると考えられる。誇大妄想は、あるものの、思想、発言には、他者を納得させる非常に高尚なものがあり、一概に、患者の妄想を否定するのは、患者にとっても、彼を信じる者にとっても、必ずしも、いいとは考えられない面があると思われる。今後は疾患に対する理解が得られるよう対応するとともに、治療継続の必要性など家族および本人への教育的アプローチも必要であると考えられた。
症例2
患者=日本人
<家族歴>同胞2人中第2子。両親と4人暮らし。精神病遺伝負因なし。
<生活歴>埼玉県出身。元来、外向的で真面目な性格。文系の大学卒業後、アパレル会社に就職する。
<既往歴>特記すべきことなし。
<現病歴>会社勤めするようになってから、地球温暖化問題や環境問題に、関心をもつようになる。国連の機関である、IPCC(気候変動に関する政府間パネル)、及び、日本政府や、京都議定書を盲信し、「CO2の排出が地球を温暖化させる」、「地球が温暖化すると、北極や南極の氷が溶けて、海面の水位が上がる」、「限られた資源のために、ペットボトルはリサイクルすべきだ」などと、言って、エコカーに買い替えたり、ペットボトルや、牛乳パックのリサイクルを、異常に神経質なほどに、行うようになる。ゴミの分別をしない人間を見ると、「お前は、地球を滅ぼす気か」、とか、「ペットボトルを燃やすと、ダイオキシンが出て、人が死ぬ」、などと、支離滅裂な言動をするようになる。平成23年8月29日には「このままでは地球温暖化で、日本は水没する」、「ヒマラヤの氷河が溶けて大洪水が起こる」、などの支離滅裂な言動が出現し、なだめようとする両親にも暴力をふるうようになる。治療が必要と両親が判断し、救急要請し同日両親同伴にて当院を受診した。
「入院時現症および状況」「CO2の排出が地球を温暖化させる」、「地球が温暖化すると、北極や南極の氷が溶けて、海面の水位が上がる」、「限られた資源のために、ペットボトルはリサイクルすべきだ」など、思考は支離滅裂であった。症状および経過より精神分裂病と診断し、本人に入院治療の必要性を十分に説明するも病識が欠如しており同意は得られなかった。精神保健指定医(以下「指定医」という。)の診察の結果、精神分裂病であり、病識が著しく欠如していることにより入院治療が必要と診断された。平成23年8月30日、両親の同意を得て、精神保健および精神障害者福祉に関する法律(以下「法」という。)第33条第2項に基づく医療保護入院となった。同時に外来にて本人に対し口頭及び書面にてその旨を告知し、診療録に記載した。(その後同年9月13日に母親が家庭裁判所にて保護者の選任を受け法第33条第1項に基づく医療保護入院となった。家族より連絡を受けた同年9月17日に本人にその旨を口頭及び書面にて告知した。)
「入院後の治療経過」入院当日よりリスペリドン4mg、クロルプロマジン50mgを開始した。同時に、武田邦彦著の、「環境問題はなぜウソがまかり通るのか」、東京工業大学教授の丸山茂徳氏の、著書の「地球温暖化論に騙されるな」、「科学者の9割は地球温暖化CO2犯人説はウソだと思っている」などを、読ませたり、中学の理科の教科書を読ませ、政府の、CO2削減の本当の目的は、環境省の利権のためであること、地球は、今、氷河期であること、などを、根気よく説明した。その結果、地球温暖化の原因は、CO2ではない、と、常識を疑うようになり、精神的に落ち着き出し、入院前後の体験を病的なものとして語るようになった。家族同伴での外出泊でも問題なく、指定医の診察の結果通院治療が可能と診断されたため平成23年9月19日退院となった。以降定期的に外来通院中である。
「考察」支離滅裂で、精神運動興奮を認め疎通性が著しく傷害されており医療保護入院による治療を余儀なくされたケースである。顕在発症後比較的速やかに治療導入できたため短期間の入院治療で精神症状の改善が認められたものと考えられる。家族に対し病名告知を行うも十分な理解が得られなかった。今後は疾患に対する理解が得られるよう対応するとともに、日本の環境省の利権の説明、日本政府が地球がCO2により温暖化すると国民を洗脳していること、御用学者でない、中立な科学者の著書を読ませること、などの教育的アプローチも必要であると考えられた。
<家族歴>同胞なし。両親と3人暮らし。精神病遺伝負因なし。
<生活歴>紀元元年12月25日、ベツレヘムの馬小屋で生まれる。父ヨセフは大工。母は、マリア。幼少の頃から、天才的な哲学的発言をして、両親を驚かせた。知能指数は、相当、高いと思われる。幼少の頃は、父ヨセフの大工の手伝いをして過ごした。幼少の頃より、律法学者を論破するほどの、優れた頭脳の持ち主であった。
<既往歴>特記すべきことなし。
<現病歴>成人すると、山に、登り、40日の修行をする。この時、悪魔と口論をして悪魔を論破した、と、本人は言う。その後、「山上の垂訓」と称して、多くの人々に、様々な説教をする。その後、12人の弟子が彼に従うようになる。その後、エルサレムに向かう。「私は神の子である」、「私は性交によらず、処女懐妊によって生まれた」、「汝の敵を愛せ」、「あなたの罪は許された」、「私は死後、3日後に蘇る」など、おかしな言動をするようになる。ラザロという死者を、蘇らせた、とか、一匹の魚とパンを、無数の、魚とパンに変える、などの、奇跡を行なった、などと、彼の弟子と称する、取税人マタイは、証言した。あまりの不遜な態度に、民衆が怒り出し、「十字架にかけろ」と、騒ぎ出すようになった。彼の、支離滅裂な言動から、彼を心配した彼の弟子の一人である、イスカリオテのユダが、救急通報し、当院受診となった。
「入院時現症および状況」「私は神の子である」、「私は性交によらず、処女懐妊によって生まれた」、「あなたの罪は許された」、「私は死後、3日後に蘇る」などと、発言は、支離滅裂であり、誇大妄想も著しくみられた。症状および経過より精神分裂病と診断し、本人に入院治療の必要性を十分に説明するも病識が欠如しており同意は得られなかった。精神保健指定医(以下「指定医」という。)の診察の結果、精神分裂病による誇大妄想状態であり、病識が著しく欠如していることにより入院治療が必要と診断された。紀元30年8月30日、精神保健および精神障害者福祉に関する法律(以下「法」という。)第33条第2項に基づく医療保護入院となった。同時に外来にて本人に対し口頭及び書面にてその旨を告知し、診療録に記載した。
「入院後の治療経過」入院当日よりリスペリドン4mg、クロルプロマジン50mgを開始した。しかし思考の滅裂は改善しなかった。「主よ。彼らを許してやって下さい。彼らは自分達が何をしているのか、わからないのです」とか、「 わが神、わが神、なぜ私をお見捨てになったのですか」、などの誇大的な独語も見られた。その後も誇大妄想が強いためリスペリドンを8mgまで増量したが、誇大妄想は消失しなかった。しかし、自傷他害のおそれもなく、指定医の診察の結果、通院治療が可能と診断されたため紀元30年9月19日退院となった。以降定期的に外来通院中である。
「考察」支離滅裂で、精神運動興奮は認めないものの、誇大妄想が激しく、医療保護入院による治療を余儀なくされたケースである。入院治療で精神症状の改善は認められなかったものの、自傷他害のおそれはなく、退院となった、非常にまれなケースである。家族に対し病名告知を行うも十分な理解が得られなかった。患者が行ったと言っている、奇跡は、集団催眠か高度な手品のようなものであると考えられる。誇大妄想は、あるものの、思想、発言には、他者を納得させる非常に高尚なものがあり、一概に、患者の妄想を否定するのは、患者にとっても、彼を信じる者にとっても、必ずしも、いいとは考えられない面があると思われる。今後は疾患に対する理解が得られるよう対応するとともに、治療継続の必要性など家族および本人への教育的アプローチも必要であると考えられた。
症例2
患者=日本人
<家族歴>同胞2人中第2子。両親と4人暮らし。精神病遺伝負因なし。
<生活歴>埼玉県出身。元来、外向的で真面目な性格。文系の大学卒業後、アパレル会社に就職する。
<既往歴>特記すべきことなし。
<現病歴>会社勤めするようになってから、地球温暖化問題や環境問題に、関心をもつようになる。国連の機関である、IPCC(気候変動に関する政府間パネル)、及び、日本政府や、京都議定書を盲信し、「CO2の排出が地球を温暖化させる」、「地球が温暖化すると、北極や南極の氷が溶けて、海面の水位が上がる」、「限られた資源のために、ペットボトルはリサイクルすべきだ」などと、言って、エコカーに買い替えたり、ペットボトルや、牛乳パックのリサイクルを、異常に神経質なほどに、行うようになる。ゴミの分別をしない人間を見ると、「お前は、地球を滅ぼす気か」、とか、「ペットボトルを燃やすと、ダイオキシンが出て、人が死ぬ」、などと、支離滅裂な言動をするようになる。平成23年8月29日には「このままでは地球温暖化で、日本は水没する」、「ヒマラヤの氷河が溶けて大洪水が起こる」、などの支離滅裂な言動が出現し、なだめようとする両親にも暴力をふるうようになる。治療が必要と両親が判断し、救急要請し同日両親同伴にて当院を受診した。
「入院時現症および状況」「CO2の排出が地球を温暖化させる」、「地球が温暖化すると、北極や南極の氷が溶けて、海面の水位が上がる」、「限られた資源のために、ペットボトルはリサイクルすべきだ」など、思考は支離滅裂であった。症状および経過より精神分裂病と診断し、本人に入院治療の必要性を十分に説明するも病識が欠如しており同意は得られなかった。精神保健指定医(以下「指定医」という。)の診察の結果、精神分裂病であり、病識が著しく欠如していることにより入院治療が必要と診断された。平成23年8月30日、両親の同意を得て、精神保健および精神障害者福祉に関する法律(以下「法」という。)第33条第2項に基づく医療保護入院となった。同時に外来にて本人に対し口頭及び書面にてその旨を告知し、診療録に記載した。(その後同年9月13日に母親が家庭裁判所にて保護者の選任を受け法第33条第1項に基づく医療保護入院となった。家族より連絡を受けた同年9月17日に本人にその旨を口頭及び書面にて告知した。)
「入院後の治療経過」入院当日よりリスペリドン4mg、クロルプロマジン50mgを開始した。同時に、武田邦彦著の、「環境問題はなぜウソがまかり通るのか」、東京工業大学教授の丸山茂徳氏の、著書の「地球温暖化論に騙されるな」、「科学者の9割は地球温暖化CO2犯人説はウソだと思っている」などを、読ませたり、中学の理科の教科書を読ませ、政府の、CO2削減の本当の目的は、環境省の利権のためであること、地球は、今、氷河期であること、などを、根気よく説明した。その結果、地球温暖化の原因は、CO2ではない、と、常識を疑うようになり、精神的に落ち着き出し、入院前後の体験を病的なものとして語るようになった。家族同伴での外出泊でも問題なく、指定医の診察の結果通院治療が可能と診断されたため平成23年9月19日退院となった。以降定期的に外来通院中である。
「考察」支離滅裂で、精神運動興奮を認め疎通性が著しく傷害されており医療保護入院による治療を余儀なくされたケースである。顕在発症後比較的速やかに治療導入できたため短期間の入院治療で精神症状の改善が認められたものと考えられる。家族に対し病名告知を行うも十分な理解が得られなかった。今後は疾患に対する理解が得られるよう対応するとともに、日本の環境省の利権の説明、日本政府が地球がCO2により温暖化すると国民を洗脳していること、御用学者でない、中立な科学者の著書を読ませること、などの教育的アプローチも必要であると考えられた。