小説家、精神科医、空手家、浅野浩二のブログ

小説家、精神科医、空手家の浅野浩二が小説、医療、病気、文学論、日常の雑感について書きます。

<テレビ大阪>長谷川豊アナ降板 ブログ内容「不適切」と判断

2016-09-29 23:06:54 | Weblog
「<テレビ大阪>長谷川豊アナ降板 ブログ内容「不適切」と判断」

(毎日新聞 9月29日(木)20時47分配信)

彼の、最初の問題になった発言は、

「自業自得の人工透析患者なんて、全員実費負担にさせよ!無理だと泣くならそのまま殺せ!」

である。

これは、日本語として、全くおかしい、というか、支離滅裂でしょ。

「自業自得の人工透析患者なんて、全員実費負担にさせよ!無理だと泣くならそのまま死ね!」

が、正しい日本語でしょ。

「殺せ」、というのは、誰が、殺すのか?

家族とも、受け取れるが、やはり、医者でしょ。

医者が、患者を、殺したら、殺人罪になってしまう。

僕から見れば、人工透析の患者は、自業自得、とは、思えない。

たとえ、自己責任の面があったとしても、(そういう患者の割合は、極めて少ない)殺すべきだとは、全く思わない。

それは。患者を殺したら、僕が、殺人罪になってしまう、という理由と、もう一つは、透析患者に、そんな自己責任を感じないからだ。

末期ガンの、ターミナルケアの患者なら、論じる価値はあるが。

僕も、人工透析の患者は、何百人も、見てきたが、彼らは、決して、ターミナルケアの患者では、さらさらない。

人工透析のダイアライザーによって、日常生活が、ちゃんと、送れるのである。

医療者は、透析患者の治療に真剣だし、透析患者も、生きることに、一生懸命である。

それでも、死んでしまう患者もいるが。

彼は、元フジテレビのアナウンサーだった。

僕は、彼の存在を、今回の件まで、知らなかった。

アナウンサー、つまり、メディアは、権力ウォッチャーだから、公務員、権力者に対しては、厳しい発言も許されるし、そうあるべきだと思うが。

民間人に対しては、十分な取材をした上で、発言しなければ、ダメである。

彼は、透析患者の話も聞いた、とか、医者にも、話を聞いた、とか、言ってるけど、僕は、こんなの、全く信用していない。

なぜなら。医療者でない人間は、簡単に、病院の見学とか、透析中の患者に話しを聞くことなど、非常に困難だからだ。

病院側は、そんな、簡単に、許可したりしない。

それは。二つ、理由があって。

一つは、患者の個人情報を、医療者が、もらしては、いけないからである。これは、刑法第134条に規定されている。

もう一つは、何科の患者であっても、患者に、話しかける、という行為は、問診であっても、医療行為なのである。

話しを聞くだけなら、いいじゃないか、と、思われそうだが、患者に話しかけ、患者と会話する、という行為は、患者に、何らかの、精神的影響を与える、治療行為なのである。

ろくに取材もしない、一般人に対する、批判、発言は、名誉棄損が、つねにあることを、自覚すべきである。

彼は、権力者に対する、毒舌の批判の感覚で、一般の人をも、ろくに取材も、調べもしないで、アナウンサーなら、何事に関しても、毒舌を吐く権利がある、と、勘違いしている、ように、見受けられる。

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