小説家、精神科医、空手家、浅野浩二のブログ

小説家、精神科医、空手家の浅野浩二が小説、医療、病気、文学論、日常の雑感について書きます。

ジェームス・ディーン

2010-06-24 23:15:03 | Weblog
死んだ小森のおばちゃまにとっては、ジャームス・ディーンが永遠の憧れだそうだ。私も昔はジェームス・ディーンを格好いいと思った。しかし今では、全く魅力を感じていない。彼の魅力とは一体、何なのか。額が広くてリーゼントがきまってて格好いい顔の魅力か?役者の魅力というのは、何が基準になっているのかわからない。彼の作品は、「エデンの東」一つだけ、といっても過言ではない。確かに、「エデンの東」はいい作品である。というより原作者のジョン・スタインベックの小説が素晴らしいのだ。ジェームス・ディーンは確かに、あの役で見事に演じている。他の役者で、あれほどの適役がいるか、といったら、すぐには思いつかない。だが、他の役者でも、上手く演じられた役者はいると思う。ジェームス・ディーンがいいのではなく、ノーベル文学賞作家の、スタインベックの小説である、「エデンの東」のストーリーがいいのである。私には、ジェームス・ディーンの魅力というものがわからない。「エデンの東」と較べると、相当、おちる、「理由なき反抗」では、リーゼントに赤い革ジャン、丸首Tシャツ、ジーパン、の姿が決まっている。しかし、これも外見の格好良さである。私はジェームス・ディーンに魅力を感じない。同じく、邦画では、昭和の国民的人気俳優の、石原裕次郎にも全く魅力を感じない。何が、どこが、良いというのか?さっぱりわからない。やはりこれも、国民に親しみやすそうな顔や性格がうけたのではないだろうか?実生活では、氏は、豪遊し、酒を飲み、女ともよく遊んだと聞く。氏の死亡原因は、肝臓を悪くした、と言われているが、アルコールの多飲による、といわれているが、梅毒が原因だったとも聞く。
現代の人気タレントでも同じである。国民受けしているタレントで、一体、どこが、何がいいのか、さっぱりわからない人が、かなり多い。私が惹かれるタレントは、強い個性を持った人か、芯の強い人である。しかし、国民受けしているタレントには、個性もたいして無ければ、芯も無い人が多い。かえってそれが受けているのかもしれない。強い個性を持った人は、一部の熱狂的なファンを持つが、あくまで一部のファンであって、幅広いファンは出来にくいのかもしれない。なぜなら個性というものは、その個性が好かれるか嫌われるかで、見る人に大きな好き嫌いをつくってしまうからだ。だから、幅広く好かれるタレントの条件とは、あまり強い独特な個性が無く、穏やかで、適度にハンサムで、アクが無くフラットで、突出していなくて、親しみやすい人なのかもしれない。デビューの運も強くあるだろう。結局の所、私にはわからない。
では私が好きな俳優は、といったら、一番は、松田優作である。松田優作は単に、演技だけではない。彼は非常に個性的であり、考えが深く、そして性格がタフなのは、映画の演技だけではない。彼は、もうほとんど地で演技している。殴り方にしても個性的である。ちょっと間をおいて、殴るのである。大下英治の、松田優作のノンフィクション伝によると、空手も習っていたそうである。映画の中だけで格好いい、上っ面の俳優ではない。それが好きなのである。

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