小説家、精神科医、空手家、浅野浩二のブログ

小説家、精神科医、空手家の浅野浩二が小説、医療、病気、文学論、日常の雑感について書きます。

神風特攻隊

2010-06-14 06:43:57 | Weblog
You-Tubeで、「アメリカからみた神風特攻隊」というのがある。戦争がいいか悪いかは別にして。九州の基地から、ある特攻隊員が出撃した。だが燃料が漏れて、徳之島に不時着して、戻ってきた。その人は、これが特攻隊員かと思うほど、穏やかな性格である。敵艦を沈めることが、特攻隊員の任務だから、燃料が漏れてしまったのでは、任務を果たすことが出来ない。そのため、彼は基地に戻ってきた。彼は再出撃するため、飛行機を自用して下さい、と上官に頼んだ。すると上官は怒鳴りつけた。
「貴様。命が惜しくて帰ってきたんだろう。馬鹿野郎ー」
と言った。彼は、怒りが胸から込み上げてきた。それは、彼が、あまりにも穏やかな性格だから、勇気がない腰抜けだと思ったのだろう。そして、私も、その上官に対して彼同様、激しい怒りが込み上げてきた。特攻隊員は純粋な若者達ばかりであるが、特攻隊の指揮官はクズが多い。人に特攻精神を要求しながら、手前は死ぬ度胸がない腰抜けが多い。私の父親もそうである。人に特攻精神を要求しながら、手前は泣き言しかいわない。そんなヤツは親だろうとクズだと私は思っている。だからクズが死んでも私は喜びこそすれ、悲しむことなど絶対ないのである。

私がこの動画に共感するのは、私とて特攻精神を持っていると自負しているからである。大学四年の時、(医学部は六年間である)私は、持病である、過敏性腸症候群が悪化して、ボロボロにまいって休学した。本当の専門家による治療を受け、アドバイスを聞き、気持ちが纏まる期間、休息したいと思っていた。戦いにおいて、猪突猛進というのは、バカである。武田信玄の、風林火山の如く、戦いとは、退却すべき時には退却し、大局を見極め、攻撃すべき時には、一気に攻撃する。そんなのは戦術の基本である。私の休学も作戦の練り直しが目的だった。しかし、父親はヒットラーのような暴君で、ある東大出の権威のある医者が、「今、何かさせてはかわいそうですよ」とアドバイスしても全く聞く耳を持たない。自分の考えが、絶対正しく、私が腰抜け、だとしか思っていないバカである。「敵前逃亡するな」と怒鳴りつけ、私を腰抜けとしか見ていない。全く特攻隊の頭の悪いクズ指揮官と同じである。結果、私は、まさに適切な専門医を探し当て、非常に良い治療を受け、再度、戦う自信を十分、充電できた休息をとり、そして復学し、卒業し、医者になった。この作戦のため私は、医学部を卒業できたと確信している。

「苦戦になった時は、退却すべき時には退却し、大局を見極め、作戦を練り直し、攻撃すべき時には火の如く、一気に攻撃する。それこそが本当の特攻精神である。猪突猛進は特攻精神ではなく単なるバカである」

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