小説家、精神科医、空手家、浅野浩二のブログ

小説家、精神科医、空手家の浅野浩二が小説、医療、病気、文学論、日常の雑感について書きます。

鳩山内閣の失敗の原因

2010-06-03 06:24:34 | Weblog
鳩山内閣の失敗の原因。

これは、いくつもあると思うが。その一つ。

自民党の族議員の構造(これは菅直人がさかんに言っていたが)、を嫌うあまり、官僚を上手く使いこなせなかった、官僚とうまい協力関係をつくれなかった。ことが一つの原因だろう。クリーンな政治を主張するあまり、官僚との接触は、悪いものとのような感覚があったのではないだろうか。官僚を無視したり、ないがしろにすると、官僚は、公務員であってもストライキ的になる。彼らのプライドを無視することは出来ない。大臣の作文など、最低限のことは、やっても、(その作文も、官僚は悪戯をすることがある)、「オレ達を無視するなら、かってにしな」と、最低限のことだけやって、無気力になってしまう。政官の癒着は金銭関係だけではない。精神的な満足もある。官僚の機嫌を損ねないよう、官僚はうまくおだてて使わなくてはならない。内閣は官僚に対して低姿勢を演じなくてはならない。

検察の出世の野心。

権力を得た政治家に検察は、国策捜査のアラ探しをする。権力者を起訴すれば、検察官の出世になるからだ。この疑惑の弁明に首相の頭は半分以上、使われてしまい、国会の質疑でも、そればっかりになってしまう。本当に論ずべき、金融、外交、防衛、が疎かになってしまう。検察も日本を潰している。野党にとっても、検察の出世のためのアラ探しは、与党潰しとしてありがたい。与党と野党も、権力欲だけが頭を占めているから、ダメなのである。日本を良くするには、明治維新の薩摩と長州の連合のように、選挙で当選することより、一致団結しなくてはならない。

任期中の出来事。運。

小泉の時は、任期中に、色々、首相にとって都合のいい出来事が起こった。問題を抱えている時になった首相は運が悪い。

そもそも政治家はしたたか、である。

辺野古への基地移設の問題に関しても、首相一人まかせにして、官房長官も、その他、閣僚も無関心で助ける人がいなかった。これに関わると、勝ち目は無く、国民の人気を損ねるから、ノータッチという自分の保身しか考えていないからである。

政権維持の安全のための強引な連立。

そもそも社民党などという政策が食い違っている事が、わかっているのに、法案を確実に通すために、強引に連立を組んだことが政権発足の時点からして間違っていた。

では、どうすればいいか。

ここは、自分の保身しか考えない政治家の民主主義というものを廃止して、大政奉還して、陸海空軍の統帥権、および全ての権限を天皇に任せる君主制にすべきではないか。そういうと、すぐ独裁政治と反発される。しかし、今の天皇と日本国民の関係からして天皇が間違った方向に暴走するとはとうてい考えられない。第一、中国では、共産党の独裁政治で、うまくいっているではないか。

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カムイ伝

2010-06-03 05:48:29 | Weblog
私は白土三平のカムイ伝が好きである。それは、一人の人間の一生を、他の人のように、感傷的に描かないからである。私も、そういう考だが、氏は、それが、私とは比べものにならないほど、スケールが大きい。人生をつつがなく過ごし、子を産み、孫を産み、人々に見守られて、穏やかに、幸せに死んでいく。私はそんなのは、つまらない人生だと思っているが、白土三平のカムイ伝は、もっとスケールが大きい。命がけで、生きた人間が死んでも、死ねば、もう用なしであり、無視されるだけである。カムイ伝のラストでは、精一杯、命がけで生きた忍者が死んで海に流れているのを見ても、片手片足のサメ殺しの漁師が、忍者の死体を見て、「フン。どっかで見たツラじゃの」で、終わる。生きて必死に戦っている人間だけが、歴史を動かしている人間である、と白土三平はとらえている。これは凄い。そして、私も氏のスケールの大きな人間観が好きだから、死んだら、そのように雑に扱われたいのである。人間とは、生きて努力して何かをなしている時にのみ、価値がある、と思うからである。感傷的に人々に惜しまれ、泣かれ、墓に入れられて、安らかに眠る、なんて死に方は、私にとっては、おぞましく、鳥肌が立つ。

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