内容紹介
日々の出来事、思い出、創作、手芸、ミュージカル…。温かな眼で日常を掬い取り、物語の向こう側を描く、9年ぶりのエッセイ集。新聞、雑誌などに掲載した作品をまとめる。
読書備忘録
ラブラドールの毛とヤモリの話、近所の階段を上がりきった時の風景の話、お洒落なお嬢さんの耳たぶで揺れているアクセサリーの話、聴力検査のヘッドホンからの話などなど、小川さんの小説の世界が現れたようでにんまりした。
小説「ことり」「小箱」などの話も聞けて良かった。
”言葉を捨て去る”
私もそう。相当注意しなければいけない。夫婦喧嘩の場合にそうそうそうなのですよ。
「まず口を利かなくなるのは、互いの傷をこれ以上深くしないためには黙っているのが一番、という本能が働くからだろう。一旦口を開いてしまうと、どこまでも相手を追い詰める危険性がある」
あっぶない!と思っていても、言わなきゃ気が済まなくてとことんやって、結果紙切れ一枚までハッテンする。気をつけよっ!
”答えのない問い”
「・・・分からなくて当然なのだ、と自らの未熟さを認めることが大切な気がする。分からないところからはじめれば、一気に視界は広がる。理屈で取り繕えない、人間の心の混沌に潜ってゆける。そもそも理屈から自由になるために、文学は生まれたのだ」
たまぁにラジオを聞いている。
ラジオと同じほんわかりんとしたエッセイで,小川さんが小川さんの声でお話していました。