作品紹介・あらすじ
『マチネの終わりに』『ある男』と、ヒットを連発する平野啓一郎の最新作。
舞台は、「安楽死(本作では〝自由死〟)」が合法化された近未来の日本。最新技術を使い、生前そっくりの母を再生させた息子は、「安楽(自由)死」を望んだ母の、<本心>を探ろうとする。
母の友人だった女性、かつて交際関係のあった老作家…。それらの人たちから語られる、まったく知らなかった母のもう一つの顔。
さらには、母が自分に隠していた衝撃の事実を知る――。
ミステリー的な手法を使いながらも、「死の自己決定」「貧困」「社会の分断」といった、現代人がこれから直面する課題を浮き彫りにし、愛と幸福の真実を問いかける平野文学の到達点。
読書の醍醐味を味合わせてくれる本格派小説です。
読書備忘録
面白い!
この先の世界がどのように広がりつづけるのだろう?
リアル・アバターのお仕事は感謝されていたのに、闇の部分のメロン事件には、うわーやな奴だなぁーと読んでいたところのその後にね・・・イフォーに出会い、ティリに出会い、朔也はこれからがうまくいくといいな。
あっちとこっちと住人って今でもあるし、格差はどんどん広がっているように思う。
私も「もう十分生なのよ・・・」じたばたあたふたしないで静かに死を受け入れる覚悟はできていると思っていると感じることもある。
法が整備され条件が整えば自由死が行われるようになる。舞台はそこ・・・母親の本心を知りたかったのね。