3月、それは突然やって来て私の心に大きすぎる穴が空いた。
yukiがいなくなっちゃた…。
しばらくは受け入れることができずに、ただ無心に毎日を過ごした。
何も考えないようにしたし、何もがなかったことのように現実からひたすら逃げた。
普通に馬場に行き、友人とも普通に会話した。いや、普通じゃなかったかも。
普段よりも大きな声で話し、大げさに笑ったりしていた。
でも毎日がつらくて、とにかく泣いた。一人になると涙が溢れた。そんな毎日。
2ヶ月後の私の誕生日にyukiは私の夢の中に出てきた。
yukiは夢の中で元気に走り回っていた。緑の木々に囲まれた馬場でくるくる丸く大きな
円を描いて走ってた。すごく楽しそうで…。
yukiのいる場所から少し高い所に鹿毛の馬がいて、yukiを見下ろしていたんだけど
それに気付いたyukiはその馬の方に走っていってしまった。
「yuki、元気になったんだ…」そう思って、目が覚めた。
私は号泣してしまった。泣いても泣いても涙がでた。
でもその時ふと思った。きっとyukiは自分の元気な姿を憶えていて欲しかったのかも。
だって、思い浮かぶのはしんどそうなyukiの姿だけだったから。
その日以来、私はyukiの辛い姿は思い出さないようにしたし、元気な姿が頭に浮かぶ
ようになった。
ちょうどその頃、SUNともコンビが組めるかもしれないという希望が出てきて
この若馬がどうなっていくのか、そういう楽しみも生まれてきた。
SUNはyukiじゃない。yukiがいなくなった寂しさが紛れるとか、そんな感情は一切
なかった。SUNはSUN。
SUNと向き合う事はyukiとは全く異質で私にとっても初めての感覚。
子供っぽくて、感情が表情に、動きにストレートにでてくる。
それはとても楽しいものである反面、戸惑う事もたくさんあった。
また、若い能力の高い馬に乗せてもらえる事がうれしくもあり、苦しくもあった。
私がこの子に与える影響を考えると、絶対いい加減ではいられないし、必死になりたい
とも思った。それもいいんじゃないかって。
1頭の馬に深く関わることができる幸せ。こんなこと、そうそう経験できることではない。
SUNのことを1番に考えることができる幸せ。
周りの目は気になったし、周りの言うことには未だに振り回されてる。
だけど、私がSUNを大事に思う気持ちは恥ずかしい物ではないし、それは私とSUN
の間だけのことだから、何も気にすることはない。
私はただ、SUNを大切に想い、私がSUNにできることをしたいと思っているだけ。
それはこれからも変わらない。
不安はたくさんあって、能力の高い馬故に、乗り手が馬に負けてしまう。
誰もが乗れる鷹揚な馬ではない。若馬の気ままさ、我慢ができなかったり、気分に
左右される。力がある馬だから、上手く力を使わせてやること、常に動きやすい状態
を作ってやることができなければ、SUNは動けなくなってしまう。
運動面の他に肢があまり良くない。原因はわからないけど、運動中にイレギュラーが
出るのもそういう理由があるのかもしれない。
そして繊細過ぎる。すぐにストレスを抱えてしまう。
いろんな心配事はある。
でも私は全部ひっくるめてSUNが好き。
今年は本当に忙しい1年だった。
泣いたり笑ったり、落ち込んだり。落馬もしたし(2回も)…。
泣いてることが多かったような気もするけど、今、私は泣いてない。前を見てる。
SUNやたくさんの仲間達に囲まれてとても幸せな気分です。
先生にも念願のマンツーマンをお願いする機会が増えて、とても素直にうれしい騎乗
ができています。
SUNとは来年も高い目標をもって前進していきたいと思っています。
snowは障害のエースになるべく、お勉強中ですが、そのじゃまをすることなく
楽しい時間を過ごしていきたいと思います。
来年もたくさんの子と一緒に運動することになると思いますが、お互いに良い気分で
運動ができるように上達したいと思っています。
最後の騎乗で先生に言われた事「心で乗る」そんな乗り手になれるよう精進します。
よしっ!がんばる
先生がくれた爆睡SUNが大好きです。