▼震災当日の私の記憶だ。地デジ対応のテレビを購入したばかりだった。テレビが我が家に登場してから60年以上ほどたったが、テレビの大きさはさほど変化がなかった。
▼それが急に「畳サイズ!のテレビ」が居間を席巻した。まるで映画館で観ているような津波と原発事故だった。その衝撃に体調を崩し、お酒もちっともおいしくなかった。
▼最近震災後の復旧を、現地で数年間手伝った男性から話を聞いた。あの後各地の自治体で津波避難訓練の要綱をつくったが、そんな簡単なレベルではないと、災害の実体の脅威を語ってくれた。
▼北海道には泊原発があるが、震災後稼働していない。だが毎年住民の避難訓練が行われている。近年は冬場の避難訓練もだ。
▼非難するにはバスの借り上げがある。運転手不足もあるが、実際にバス会社は、原発事故にはバスは出せないというのが、本音だそうだ。
▼北海道電力からの要請でのバスの貸与の契約だろうが、原発事故が起きた場合出動するする運転手はいないと言うのが、バス会社の本音だ。またそんな危険な場所に、会社が命令するわけもない。
▼『原発に避難訓練は意味がない』というのが、昨日の原発反対講演会の講師からの話だ。
もともと政府は『原発事故などありえない』という発想だからだ。
▼それに自民党の政治資金問題だ。電力会社9社からの自民党への政治資金も、昨年は『6億円』だという。他にも政権与党に自分たちの利益保護のため、献金を行う団体は相当な数に違いない。
▼予算編成で問題になるのは、政治献金を受けた団体の利益を守るための配分でしかない
。国民の生活第一ではないということが理解できる。
▼講演会の隣の席に国会議員がいた。「この頃のイシバ総理の国会答弁を聞いていると、何を言っているのか全く理解できない。最近は晩酌がまずくてしょうがない」と話した。
▼さらにトランプと日本の関係だが「昔は裏で調整する大物議員がいたが、与党議員の中や外務省の中に、米国と水面下で渡り合える人物はいないか」と尋ねたら「まったくいない」という。
▼「それでは野党議員にも、そんな人物はいないか」と尋ねると「まったくいない」という。そうであればイシバ総理には、トランプと交渉する能力など、ないということだ。
▼イシバ総理が得意の下からの「にらみ」をきかせようが、トランプは「舌を出しアカンベイ」をするだけだ。戦後世話になった米国に文句を言うなら「もっと高い関税をぶっかけてやる」というのが関の山のようだ。
▼今年の参議院選挙。どの党に入れても全く期待できないということだ。まともな選挙民はますます投票に行かなくなるに違いない。
そしてSNS選挙運動で、世論が振り回される2025年の我が国になりそうだ。
▼ウクライナ問題が今の世の中の関心ごとに見えるが、極東の島国日本も、同盟国トランプに振り回されていれば、中国・ロシア・北朝鮮と米国の対立の狭間に立たされ、右往左往する国になりかねない。
▼今回は原発反対の講演会だったが、原発開発の出発点は「原子爆弾製造」から始まった。
戦後その原子物理学は『エネルギーの転換』にシフトした。
▼その国家的計画は「産・官・学」連携の『原子力ムラ』を生んだ。電力エネルギーは国策となり、それを持続可能なシステムにするために『総括原価方式』を生み出した。
▼世界は再び戦争の脅威にさらされ始めている。小国島国日本は、攻められず生き延びるため、最も必要な武器は「原子爆弾の保有」ではないか。
▼『原子力の最大限の活用』とは、開発した原点に戻るのではないかという気がする。我が国の科学者は、戦前戦争に参加したことを反省し「日本学術会議」を発足させた。
▼その候補の任命拒否を、スガ元総理が行った。このことは単なる「学術会議」だけの問題ではない。我が国の科学者を政府の管理下に置けば、国民など従わせるのは朝飯前だという解釈に違いない。
▼私たち日本国民は「米国から平和であるための思想」をプレゼントされた。それが【民主主義と憲法】だ。
▼戦後80年。民主主義とはなにか。そして憲法とは何か。もう一度一から問いたださなければならない。そんな国状に置かれているような気がする。
▼何故かといえば、民主主義をプレゼントした国の大統領まで、民主主義の根底を過ち、破壊しようとしているからだ。
▼沖縄戦の慰霊祭での、女子中学生のメッセージを思い出してほしい。そして今の世界の首脳たちに伝えてほしい。
▼【戦力という愚かな力を持つことで得られる平和など本当はあり得ないことを】。
▼イシバ総理にすすめたい。国際会議には水戸黄門の印籠を持参して、各国主脳にプレゼントすることを。
▼印籠の表には【憲法第九条】、そして裏には【戦争放棄】と。
▼原発反対運動にも長年参加してきたが、ただ原発の脅威を知らしめるだけではなく、原発問題を憲法改正問題とコミットさせ、活動の方向転換をする時期に来ているということを、実感した講演会だった。