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函館市とどほっけ村

法華宗の日持上人にまつわる伝説のムラ・椴法華。
目の前の太平洋からのメッセージです。

函館市の森林伐採のモラル

2017年09月14日 08時32分39秒 | えいこう語る

▼私の地域や周辺地域でも、森林の大規模な伐採が続いている。戦後、薪ストーブの燃料として、大量に伐採され荒涼とした光景は記憶にあるが、最近はそれ以上の、伐採面積のように思う。伐採されているのは主に杉だ。戦後、国が補助金を出して杉を植樹させたようだが、杉は成木になるのが60年から80年で、他の木より成長が早く、間伐もしやすいので推奨されたという。

▼戦後72年がたったので、今が伐採時なのだろう。林がなくなり見通しが良く、周囲が明るくなった開放感もあるが、漁業で生計を立てる私たちの地域は、森林の保水作用が弱くなり、大雨で土砂が海に流入しないか心配だ。以前、私の地域の道有林が伐採され、泥が海に流れ込んで海が汚れ、ウニや昆布の生育に被害が起きる心配があったので、町会連合会が道有林管理センターに請願書を出したことがあった。

▼個人の所有が主で、伐採に制限をかけるには至らないようだ。函館市も市の保有林だと思い700本を伐採したが、その木が個人所有だったことが判明する、うっかりミスを起こしている。海外の需要があり、値段も高騰しているのも伐採の要因らしいが、それにしても「あまり切りすぎではないか」という周囲の声も聞こえる。環境問題という視点で、市議会で討論されたという話も聞こえてこない。新聞も、今のところその視点は見えていない。

▼木を伐採させた人に尋ねると、業者がやってきて、近所に重機が入るので、ついでにいかがですかという話だ。育った木がお金になるので、ほとんどは承諾するが、値段の相場もわからないので業者の言うままらしい。A社が20万円と言いB社は30万円といったケースもある。中には、この木を切らなければ、強風で倒れたら近所迷惑になりますよという誘いもあるようだ。

▼お互い承諾すれば、契約は成立するが、隣接する木の伐採で、木の切り株の大きさも同じようなところで、土地面積の3倍ほど大きな持ち主が、3分の1程の伐採の金額を知り、憮然とした表情をしたのを感じた人もいたという話も聞く。高齢者世帯の多い過疎地域なので、安易に承諾してしまうからかもしれない。

▼つい最近だが、私の地域で伐採業者が、倒れた木の下敷きになり死亡した事故があった。専門業者のあってはならない事故だが、地域外の人のようなので、事故の真相は伝わってこない。この事故を含め、道内では、今年すでに3人が伐採事故で死亡しているのを、新聞の記事で記憶している。

▼地域の安全・安心とは何かを、普段考えている町会役員の一人だが、北朝鮮のミサイルに抗議する市議会決議も結構だが、もっと身近な市民の生活にも注目してほしいものだ。

▼空飛ぶ鳥たちも、眼下に森がなくなる様子を見て、何を思うだろうか。先日、伐採された付近で、200キロの大熊が捕獲された。森の混乱ぶりに、沖縄の米軍基地建設に翻弄させられる県民の気持ちを、ちょっぴり重ねてみた。

前原で民進党解党か

2017年09月11日 08時50分56秒 | えいこう語る

▼森友・加計学園問題で、アベ政権もノックアウト寸前かと思ったが、一度チャンピオンから落ち、弱いボディーを鍛え復活した、チャンピオン‣アベの巻き返しが始まった。民進党の蓮舫代表が身内から攻められギブアップした。いずれは民進党の党首を狙うかもしれないという、細野豪志も党を割って出た。小池フーストとの連携も取りざたされている。残った前原が、当然のように党首に就いた。

▼そこで、人気のある山尾志桜里を幹事長に大抜擢したが、マスコミの格好の標的となり、辞任に追い込まれた。前原新陣営の顔ぶれを見ても、チャンピオンのアベを倒す勢いではない。さらに離党組が表れ、前原の船出は座礁したままの状態だ。森友・加計学園問題は、すでに幕が落とされたというのが、今の日本の政治状況だ。

▼そこに来て、アベ総理の支持率が不支持率を上回っているという。世論調査というのは、信じがたいものの一つだが、アベ総理の支持率をアップさせたのは、アベ政権をノックアウトする強力な陣営を築けなかった、前原なのかもしれない。

▼こんな戦局になれば、自民党本部では、イケイケドンドンの「軍艦マーチ」が鳴り響いているのではないか。憲法9条に、自衛隊を明記する改憲論議を始め、来年の通常国会で憲法改正案を発議し、2020年の施行を目指す目論見のようだ。次期五輪は「戦う日本」という、国威発揚ムード一色になりそうだ。

▼先日、函館市内で「改憲阻止のための、市民運動と野党共闘のこれから」という、上智大国際教養学部、中野晃一教授の講演会があった。「民進党には日本会議のメンバーがいる」というのが記憶に残った。日本会議とは「美しい日本の再建と、誇りある国づくり」がテーマだ。アベ総理の考えに最も近い団体のようだ。

▼そこにいた、民進党のメンバーだ。長島昭久・原口一博・松原仁・細野豪志・『前原誠司』だ。もしかして、民進党を解党させ、自民党と合流し、憲法改正を来ない、大日本帝国の復活を目指していやしないだろうかと、そんな荒唐無稽な考えも浮かんでくる。

▼野党第一党がこの体たらくでは、アベ総理が今年中にも、衆議院解散の大博打に出る可能性も出てくるのではないか。アベ総理が軍服を着て、明治天皇のように白馬にまたがる姿が浮かんできた。そしてこう叫んだような気がした。「廣ク憲法改正會議ヲ輿シ萬機公論二決スベシ」。

▼天高く馬いななきそうな、秋の陣だ。

市民一丸とならない函館市

2017年09月10日 19時47分29秒 | えいこう語る

▼「北海道・北東北縄文遺跡群」が、今年も、文化庁の世界文化遺産登録の推薦が見送られた。5年連続見送られたというので、関係者から感想を聞いたが「こんなに素晴らしいものなのに、多くの人が理解を示さない」という。私もその素晴らしさに魅了された一人だが、私の周囲でも、観に行こうと誘ってもほとんど拒否されるというのが現状だ。価値がよく分からないからだという。

▼函館市の南茅部地区の縄文博物館には、北海道初の国宝である「中空土偶」や、夥しい出土品があるが、その世界観を想像し、現在文明と対比させたりすることが、難しいというのが根底にありそうだ。私は、3:11東日本大震災の福島原発事故から、縄文時代に特に親近感を持つようになった。縄文は、自然との共生を図った持続可能な社会だ。だが、現在の文明社会は、真逆の社会に突入しているのではないかという疑問を持ったからだ。

▼函館市は、津軽海峡の対岸に建設中の大間原発建設凍結に向け、国と電力会社に訴訟を起こしている。私たち市町会連合会も、昨日(9日)市内の街頭で、50人ほどが反対の幟を掲げ、市民集会開催について参加を呼び掛けた。だがチラシを受ける人は多くない。事故が起きたら函館市は壊滅になるという危機感が、市民に薄いようだ。

▼さらに、アベ総理が憲法九条に自衛隊を明記する改憲案が現実味を増しているのに、立憲主義や民主主義という、人間の尊厳にかかわることに函館市議会の反応も非常に鈍い。戦争法と言われる安保関連法を、市議会では賛成多数で容認している。函館市民は、そのことについて議会を糾弾するという機運もない。

▼12年前の市町村合併により、私も函館市民になったが、世界遺産や、原発問題、さらに、安全保障に関する市民の関心が薄いところだと実感している。以前市議会(30名)が、市民報告会を開いたが、数名しか集まらなかったという恥ずかしいことがあった。その後、工夫をこらし開催したという話は聞いていない。市民も、市政に対し関心がないのかあきらめているのか知らないが、このようなことが、函館が元気のないマチと言われる、要因なのかもしれない。

▼1961年の「函館市安全都市宣言」には、様々な災害に対し、各界、市民一丸となって対処せよとの文言がある。「立ち上がれ函館市民」と声を大にしたい。政治に関心を持つ市民が多くなければ、マチは活性化しないんじゃないかというのは、函館市民としての私の感想だ。

飲酒運転と不倫

2017年09月09日 08時31分29秒 | えいこう語る

▼私の村は狭いが、北海道の大地は広大だ。狭いという感情と広いというアンバランスな感情が、北海道人の潜在意識にあるようだ。飲酒して心の縛りが融け、狭い生活環境から大きな気分になってしまうというのが、北海道人の気質なのかもしれない。

▼田舎者が都会に出ると「羽目を外す」という類のものだ。飲酒というのは、ウルトラマンのような強い人間になりたいという「変身願望」のようなものだと思っている。「人間は弱いものだ」という哲学的な問題を、一時解消してくれるのも、飲酒の効用だ。

▼大正生まれの私の父は、戦争に駆り出された世代だ。戦前と戦後教育の、真逆な世界に精神を混乱させられたせいか、普段静かな人だが、酒を飲むと、敵地に殴り込む勢いを見せ変身した。私たち家族は秘かに「ウルトラマンの父」と、陰で囁いていたのだ。

▼父の飲酒は、国家に魂を翻弄された、やり場のない気持ちの発散が、飲酒という逃避につながったのではないかと、戦後教育を受けた私は、勝手に分析している。

▼前置きが長くなってしまったが、愛媛大学の小佐井良太教授(法社会学)が「飲酒運転対策」を研究しているという。「北海道には酒を飲んでも少し休めば大丈夫という『昭和の価値観』が残っていると指摘しているからだ。

▼昭和の前半には戦争があったが、戦後の昭和は日本人の良さが発揮できた時代で、昭和を惜しむ声が多い。そんな感情が北海道人に残っているのはうれしいことだが、それが死亡事故につながると指摘される。

▼私の周囲にも、ちょいと一杯、つい二杯・・・「飲んだら乗るな」が私たちが飲む場合いの合言葉なのだが、歩いて帰ればいいものを、いつの間にか、車ごといなくなるという人物がいる。その人物は、頼み事はいやと言わず、人には親切でよく働くという人物だ。

▼人には寛容だから、自分にも寛容なのだろう。夜はキツネぐらいしか歩いていない小さな田舎だ。誰も見ていないからちょっとぐらいなら、いいのではないかという甘い考えだ。罪悪感や倫理観など、問題外の行為だと思っているのだろう。

▼さて、まさかの山尾志桜里さんだ。都会という大きな空間の中で、誰もが見ていないだろうという安堵感が、こんな結果になったようだ。ホテルという狭い空間と都会という巨大な空間。村と北海道という対比によく似ているようだ。

▼人の恋路について、とやかく言うつもりはないが、飲酒運転と不倫が、共通した精神構造だというのを、ふと思いついたからだ。

北朝鮮はなぜこんな国になったのか

2017年09月07日 07時06分27秒 | えいこう語る

▼日本に住む北朝鮮の人たちが、1955年(昭和30年)に設立した歌劇団が、金剛山歌劇団だ。その公演が10月4日に函館市で開催される。私は何度か観ているが、その迫力に圧倒され、感動する。招待券が手に入るので、昨年、私の町会の高齢者30名を鑑賞させた。演劇鑑賞など縁のない田舎生活で、随分感動したらしく、今年も行きたいという声が多いので、鑑賞会を企画する。

▼先日、函館上空を北朝鮮のミサイルが飛び、政府も制裁を行うことになっているので、今回が見納めかもしれない。講演での売り上げは、本国に送金していると言われているからだ。だが、ミサイルや水爆実験では、在日の北朝鮮の人たちも「いい加減にしてほしい」と怒りを隠さない。もし戦争になったとしたら、この歌劇団の人たちは、どのような処遇を受けるのか心配になる。

▼会場まで、貸し切りバスで1時間ほどかかるので、北朝鮮と周囲の国々や日本の関係について、その歴史を説明してみたいと思っている。国防意識を煽り、戦争状態になるかもしれない、今の我が国の状況が、どんなに危険水域に入っているのかを、私なりに伝えたいと思っているからだ。町会に政治色を持ち込んではいけないという意見もあるが、私は、安全・安心なまちづくりを目指す町会の活動の一環だと考えているからだ。

▼日清・日露戦争から始まり、大日本帝国による大韓帝国併合。満州国占領。ロシアの南下政策や、戦後、38度線での半島の分断など、周辺の国に翻弄された、朝鮮半島の歴史を振り返り、国を守るために軍隊を持つ国家が、果たして安全なのかを、わかりやすく語りたいと思っている。

▼私は、金剛山歌劇団の公演を見るたび、戦争は絶対繰り返してはならないということを、出演者全員が訴えているような気がする。そして町会の人たちにも、平和の意義をあらためて感じてもらいたい、観劇会にしたいものだと思っている。