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函館市とどほっけ村

法華宗の日持上人にまつわる伝説のムラ・椴法華。
目の前の太平洋からのメッセージです。

町会長日記 4

2012年06月16日 12時11分26秒 | えいこう語る
庭の草刈をしていたら、同じ町会に住む老人から声をかけられた。
「会長お願いがあるんだけど」
「なんなの」
「実は部屋の電球が一つ壊れてしまって、車の運転も出来なくなったので、買いにいけないのさ」
昔はダンプの運転手をしていたこともあるが、高齢で視力も弱ったので免許証を返上したのだ。
「町内会の倉庫にお祭り用の電球が入っているので、それ一個もらえないか」という。
家族もいるが、頼みにくいのだろう。
このおじさん、以前町会の役員をしていて、お祭りの提灯の設置や撤去にはよく手伝った方だ。それで電球が倉庫にたくさんあるのを思い出したのだろう。
よく思い出したものだと感心し、後で届けると約束をした。
※朝明け。


翌日届けにいったら、家の前で淋しそうに座っていた。
私に頼んだことも、忘れてしまっているようだ。
「電球持って来たよ」というと、パット明かりがついたように、にっこり笑った。
ささやかなことだけど、町会長をしていてよかったと思う瞬間である。


スカイツリー界隈でちょいと一杯

2012年06月14日 13時23分22秒 | えいこう語る
東京タワーを始めて見学したのは、昭和35年だ。
当時は小学生だったので、高所恐怖症だった記憶はない。何時頃発症したのか分らないが、今は完全な高所恐怖症患者だ。
新しくなった函館の五稜郭タワーの無料入場券を貰っても、いまだに行かずじまいだ。
東京スカイツリーの展望台の様子がテレビで放映されると、尻がむず痒くなる。
でも「ソラマチ」や「すみだ水族館」の賑わっている様子を見ると、田舎者の私は、墨田界隈に憧れてしまうのだ。
海の村に住んでいるので水族館の見学が好きだ。ミニ水族館は以前購入している。
後はスカイツリーの模型でもほしいものだと思っていたら、先日美女3人が遊びに来て、お土産にスカイツリーを持ってきてくれた。
漁師見習いや接客見習い、それに町会長などしているので、遠くに遊びにいけないが、なんとなく墨田界隈の雰囲気を家の中で演出することができた。
まずは、先日完成したマイ屋台。


夕暮れ時にもなると、ちょいと浅草の暖簾をくぐる。
落語の艶話をカセットテープで流し、寄席気分だ。
それに「すみだ水族館」。様々な魚たちが列を成して泳いでいる。


「東京スカイツリー」のLED照明は3色に輝き、雰囲気としてはかなりいい気分だ。


そんなわけで、私はこの頃、毎晩スカイツリー界隈で遊んでいる。
でも、小一時間もすると背後から、馴染みの女将さんの声が掛かる。
「いいかげんにしたら」・・・・・。
やがて屋台の灯は消える。


野田総理殿

2012年06月13日 10時51分19秒 | えいこう語る
北海道在住の詩人に原子修(はらこおさむ)さんがいる。
随分前に、ある会議で同席したことがある。その時は残念ながら会話を交わすことがなかったが、「はらこ」という呼び名が「げんし」という読み方とシンクロし、気になる存在だった。
12日の北海道新聞夕刊に、原子さんが「六千年前の知恵を今に」と題し、記事を載せている。
「はらこ」という性のルーツは、青森県五所川原市原子ではないかと。
そこは縄文時代前期初頭の「原子遺跡」の地だ。そこに立ち、詩人の魂は慟哭する。

「古代人類史を彩った大陸系の文明は、農耕・交易・都市・鉄器・軍事・政治・国家・文学・法・数学・医学など、“知恵”よりは“知能”重視で、今日の人類にもたらした“物と技術”の遺産は計り知れなく大きい。
だが、文明の逆機能現象としての環境破壊・経済動物化・階層社会化・人間疎外・戦争の多発などの負の遺産も、また決して少なくはない。
縄文人は、物と技術はできるだけ自然を傷つけない程度に抑制し、万物の内部に霊ありとするアニミズムの知恵を尊び、1万年間戦争がないという、一人一人の暮らしの“幸福度の高い”世界を創造したのであろう」

原子さんはその縄文世界を「縄文の花」という詩劇にし、上演しているという。
国宝・中空土偶の故郷、私の村の隣町南茅部の地で、その詩劇を鑑賞し、縄文の遺産について、じっくり考えてみたいものである。
※韓国の国花「ムクゲ」が新芽を出し始めた。羽を広げた孔雀のようだ。大好きな桂銀淑さんを思い出した。桂さんは「すずめの涙」で、孔雀を「くざく」と唄っていたいたような気がする。


野田総理は大飯原発再稼動に踏み切ろうとしている。
かつて米国が、マンハッタン計画で原爆の投下に踏み切った経緯を思い出す。 
多額の税金がつぎ込まれたため、その成果を議会に証明しなければならなかったという。
「原子力ムラ」の住民に首根っこをつかまれ、顔を立てるために再稼動をしようとしている状況は、マンハッタン計画そのものである。
野田政権は国民を被曝させようとしているのだ。
「3:11以降の世界は、ハイテク文明を正しく抑制する縄文精神を必要としている。縄文こそは人類の希望だ」と原子さんは、結んでいる。
顔だけ縄文人ぶっている野田総理に、ぜひ読んでもらいたい記事である。


「よかった」と心でつぶやいた。

2012年06月12日 11時32分48秒 | えいこう語る
先日、隣町で海難事故が発生し、漁師の親子が遭難した。
噴火湾と呼ばれ、普段は波が穏やかでまるで湖沼のような海だが、その日は低気圧の影響でうねりが大きく、タコ漁の小さな舟が波に飲み込まれたのだ。
前浜での海難事故は、3日間“沖止め”となり、漁師全員が捜索に当たる。
70代の父親は、海岸に打ち上げられ死亡が確認されたが、40代の長男が行方不明だった。その長男の遺体も発見されたと、昨日報道された。
※この岬の沖もタコ漁の好漁場だ。この岬の左側が事故があった南茅部町だ。


海難事故は遺体が上がらない場合が多いので、浜に暮らす者にとっては、やり切れぬ悲しみがある。
私の親戚でも遺体が上がらず、海岸で遺品を焼却し葬儀を行ったことがある。
そのやり場のない悲しみは、いまだに忘れることはできない。
この事故で、勇壮な「ひろめ祭り」が中止となった。
1年の最大の楽しみである海の祭り。海の安全と大漁を願う祭りを中止したことで、町民の落胆振りは大きなものに違いない。
「ひろめ祭り」のひろめとは「昆布」の最も古い呼び名だという。
この浜は、日本一の真昆布といわれる昆布の産地だ。
ひろめの神様も祭りが中止されたので、捜索に加わってくれたに違いない。
親子二人の遭難という悲劇にも、二人共に発見されたことで、町民も心を落ち着けていることだろう。
人間の能力では計り知れぬ自然の力を、私たちは東日本大震災で身体に焼き付けたはずである。
「災害は忘れた時にやってくる」。
海は大好きだけど、そんな言葉を忘れてはならないということも、海は何度となく私たちに教えている。


盗作

2012年06月11日 06時43分25秒 | えいこう語る
以前、或る有名なスポーツ選手についての伝記を、ブログで書いたことがある。
そのブログを見た雑誌の編集者が、村役場に電話をかけ私の存在を確認し、掲載していいかとの電話があった。
実は、その選手についての二社の新聞の切抜きがあり、そこから経歴を引用しながら自分の感情を入れて書いたものだ。
経歴は公然の事実だから「経歴は00新聞の記事参照」とでも付け加えておけば、問題はないと思うのだが、自分で調べたものでもなく、安易に引用しては後ろ髪が惹かれるので、依頼を断った経緯がある。           
※イタドリがある朝の海。イタドリもぐんぐん伸びて海が見えなくなるので、そろそろ刈り取らなければならない。


昨日、他所の町で文系のサークルに参加している女性友達が遊びに来て、相談を持ち込まれた。
そのサークルの中のX女が、随分前に出た同人誌の文章を盗作しているという。
そのX女は、先輩格で実績もある。
合評会で直接批判すると、プライド高い人なのでその人の人生まで壊しかねない。誰かが代表して、本人に直接注意を促すかなどと悩んでいる。
でも、好きな作品や作家に似ることはあるなどと、開き直る可能性が高い。
そこで結論が出た。
次回の作品提出時に、盗作を題材に悩み抜く人物を描くというものだ。
その作品の合評会で、徹底討論する。本人は悔い改めるに違いない。
その作品を書くのは私がやりますと、心理描写の得意なAさんが手を上げた。
さすが文系サークル仲間の、知的な解決方法である。
そうだ、文章には文章で対抗しようと、ビールで乾杯した。