函館市とどほっけ村

法華宗の日持上人にまつわる伝説のムラ・椴法華。
目の前の太平洋からのメッセージです。

再審請求中の死刑執行

2017年07月23日 08時44分52秒 | えいこう語る

▼共謀罪審議では、随分野党の質問に攻められて窮した金田法務大臣、歯切れの悪さは国民の多くが知るところだ。次期内閣改造では、稲田防衛大臣と共に、更迭が予想されている。国会でいじめにあった腹いせだとは思わないが、任期最後の大仕事に、再審請求中の死刑囚の死刑を執行してしまった。

▼死刑が確定してから6ヶ月以内に執行することになっているが、数十年も執行されず無罪になった例もある。自白を強要され冤罪の怖れもあるので、執行に躊躇するのだろう。先日、金田法相に執行されたのは2人だが、一人は4人、もう一人は1人の殺害だ。判例では2人以上の殺人で死刑となるようだ。

▼再審請求中の執行はこれまでにも例があるというが、間もなく更迭される法務大臣が、急ぐことではなかったのではないかと思う。共謀罪の内容も熟知しないような法務大臣だ。死刑囚の裁判内容など読まないまま、判を押したのではないだろうか。共謀罪は、計画を立てたと思われるだけで逮捕されるという、冤罪バーゲンセールのような法で、お化け屋敷より怖ろしい内容のようだ。

▼1976年、2人が死亡95人が重軽傷を負った「道庁爆破事件」がある。実行犯とされる大森勝久に死刑が言い渡されたが、一貫して無罪を訴えている。証拠とされる爆弾のねじ一本が、形状の違うものが提出されていたので、捜査機関がねつ造したというものらしい。だが、当時テレビに出た大森は、誰が見てもふてぶてしく態度の横柄な人物に見えた。そんな雰囲気が、犯人ではないかという感じは私にもあった。

▼今朝の北海道新聞は、大森死刑囚の特別抗告を棄却することを札幌高裁が決定したと報じている。事件から41年も経っているが、弁護団は再審請求をするという。再審請求は何度でもできるらしいが、金田法相は「再審請求中であっても関係なく執行する」と豪語している。共謀罪の内容も熟知していなさそうな法相が、死刑執行には前向きだというのが妙に気になる。

▼内閣改造には後10日ある。現在90名の死刑囚が再審請求を行っているというが、その人たちは、10日が無事過ぎればいいなと、塀の中で祈っているに違いない。

最新の画像もっと見る

コメントを投稿