函館市とどほっけ村

法華宗の日持上人にまつわる伝説のムラ・椴法華。
目の前の太平洋からのメッセージです。

言葉の重み

2012年07月24日 13時31分43秒 | えいこう語る
昆布漁も酣(たけなわ)で、大相撲を観ることがなかった。
名古屋場所千秋楽、夕方の乾燥昆布の処理が早く終わり、横綱白鵬VS大関日富馬富士の全勝同士の一戦に見入った。
気合の充実度と動きの速さで、日馬富士の全勝優勝だ。
小柄な大関の力相撲、往年の栃錦や若乃花の土俵を思い出し、大相撲健在なりを充分味合った。
※神聖な朝だ。


優勝インタビューから。
優勝できたことは「母と妻、親方夫妻、後援会の皆さん、それにフアンの皆さんのおかげ」と、周囲への配慮が心を打つ。
先輩たちの優勝インタビューの時の言葉に倣っての思いだろうが、異国の地での苦しい修行に耐え、それを支えてくれた人々があっての自分という自覚を、本人は肌身にしみているのだろう。
次の場所は綱取りだが、それに向かっての心構えを聞かれると「全身全霊でガンバリマス」と答えた。
優勝インタビューでの緊張感、日本語はたどたどしさがあるが、流暢でべらべらまくし立てるのと違い、それがかえって聞く者の心に日本語の美しさが伝わってくるのだ。
「全身全霊」は、かつて日本人の専売特許のような言葉だったが、今やモンゴル出身の相撲取りに、似合う言葉になってしまったのだ。
その言葉を聞いて、野田首相の顔が浮かんできた。
「不退転の決意」とは「全身全霊」をかけて実行するということだろう。
首相は弁舌滑らかだで、その言葉には淀みがない。しかし、国民には単なる美辞麗句の羅列としか伝わらない。
国民の生命や財産の保全に、全身全霊を賭けているという誠意がないからだ。
大関は言う。「支えてくれる人のために全身全霊を尽くし戦う」と。
首相は言う。「不退転の決意で、オリンピックを観戦する」と。
横綱泥鰌錦。所属は財務部屋。神聖な土俵を汚す行為が多く、大相撲フアンからの引退の声、大である。