▼最近戦後80年を振り返り、日本や世界はどのように変化してきたのかを考えている。とにかく焼け野原からの復興は目覚ましかった。
▼日本は世界に類のない、素晴らしい国家のように思う。そのベースになったのは、間違いなく「憲法9条」だ。「9条」があってこその国家の繁栄だ。
▼戦後76年を生きてきてそう確信する。だが日米安保条約があり、米国の軍事力(核)の傘下で、ここまで来たのは間違いない。
▼だが米国トランプ大統領は、赤字解消のため「自国第一主義」を掲げた。なりふり構わず、世界各国に「関税戦争」を吹っ掛けた。
▼米国は他国の輸入に頼らず、自国の利益を追求するという考えだ。だがこの考えは「多国間無視の考え」だ。自国のみ利益に専念すればよいという考えでは、将来世界から見放される。
▼世界の平和は一国のみの繁栄で出来るはずはない。もし弱小国を無視すれば、世界の秩序は成り立たない。それが米国民主主義が世界の尊敬を浴びてきた基本のはずだ。
▼だがトランプは自国のみの利益を優先し、周囲はお構いなしということだ。今までの米国型民主主義は、理性を失いつつあるようだ。
▼戦後我が国は生まれ変わった。新たな憲法が出来たからだ。その憲法を作ってくれたのは米国だ。それから80年、日本は米国流の民主主義で新たな国家を作ってきた。
▼だがトランプは、自国の民主主義の概念を変えようとしている。むしろ「破壊」しようというようにも見える。
▼私のように前後民主主義社会で生きてきた人間は、トランプのような反民主主義的考えには賛同できない。
▼とはいっても、指導的(親や兄貴)な存在であった米国が、トランプ流に変化するのを、ただ見逃すことはできない。一つや二つ、文句も言いたくもなる。
▼だが我が国の政権は、一言も言えないようだ。こうなれば親元から離れ、独り立ちするしか方法がない。
▼となれば国家防衛は、米国におんぶにだっこではならない。国家防衛は「最強兵器=核爆弾」は持っていないが、世界有数の自衛隊がある。
▼自国防衛は自衛隊で何とかやっていける。原爆も原発のゴミの中から抽出でき、数か月で配備ができるという。
▼というわけで、米国追従から独り立ち出来る可能性はある。だが「日米原子力基本法」を米国が破棄すれば、たちまち日本は「原爆製造可能国」として、国際社会から非難される。
▼米国から自立は容易でない状態にされているのを、戦後80年は物語っている。米国から許されるのは「憲法9条」を改正し、周辺事態で戦争が起きたら、日本は前線に立って戦えということだ。
▼シンゾウ以来イシバ総理まで、自民党は「憲法改正」を政治課題の上位に乗せてきた。なんとか、自衛隊を憲法明記させなければ、国家を守る自民党ではないという意気込みだ。
▼日本を守るために米国は、軍隊を駐留させることはない。極東有事となれば米軍にも戦死者が出るからだ。
▼ここは一歩下がってグアム島に米軍を引くことも、考えているかもしれない。そのために自衛隊は前線に立てというトランプの考えだ。
▼これでは国民が納得しないと、総理は困った顔をするかもしれない。だがトランプのこのような指示には【日本国憲法9条】は、そろそろ改正してもOKというサインに違いない。
▼トランプに見放されたら『自国防衛は国民の愛国心にある』と、またぞろ「日本軍国主義国家」への逆戻りのような発言を‟丁寧”に説明しそうな総理だ。
▼「総理の10万円商品券問題」「フジテレビ問題」など、馬鹿げたことをしている場合ではない。
▼米国を見てほしい。トランプはイーロン・マスクを「政府効率化省」のトップに指名し、マスクならではの手法で、トランプの考えを実行した。
▼だがそれが国民の支持を得ないとならば、すぐさまにマスクの解任に言及した。世界は流動的すぎる。それが第二次世界大戦終了後80年目だ。
▼そんな激流の中、日本政府のメッセージが、なんとも弱い。そして戦後構成されてきた日本の組織は、妙な組織論がはびこっている。
▼フジテレビの「人身提供」や総理の「表品券配布」だ。もの言い出せない、変革ができない国柄になっている。
▼と言いながらある日突然、国家は暴走する。満州侵攻を行ったように。関東軍は「天皇の存在」も無視したように。
▼このようなよくわからない漠然とした世界の中で、何か国家を大きく変える力が動き始めているのを、自覚しなければならない。
▼私は広大な大地北海道に住む。そこに半導体で世界のトップを目指す「ラピダス」が、突然侵入してきた。
▼民間大手各社も資本参加し、政府も制限なしの補助金を支出する。半導体工場は、大量の電力と水源の確保が必要だと聞かされる。
▼現在休止中の泊原発は、道民の思いを無視し、再稼働へと進む。更に核のゴミ捨て場も北海道が最適だと押しつけられそうだ。
▼かつて関東軍が満州開発を目指し、侵略した歴史を思い出す。国家の混乱期には、何か国民無視の政策が頭をもたげると言うことを思い出す。
▼心温まるようなブログのネタが見つからないというのは、こんなへんてこな国家だからかもしれない。