▼被爆地広島出身の元総理キシダフミオが、核兵器廃絶条約を批准しなかった。被爆地の総理でもそうであれば、今後我が国は核兵器を所有する可能性は、大ありだということだろう。
▼その行く末は、憲法改正し自衛隊を「国防軍」とすれば、最強兵器である『核保有』に向かうに違いない。この流れは的外れではない。多分確信に近い。
▼世界で最初に核兵器を使用された日本。その理由には原爆の投下がなければ、日本政府は敗戦を受け入れようとはしなかったからだ。
▼原爆の投下は全体としてみれば、より少ない犠牲で無条件降伏、そして戦争の終結をもたらした点で、正当化されるというのが米国の一般的な考えだ。
▼だがこの理論は、原爆の投下を正当化しえないと主張する、米国の政治哲学者もいる。マイケル・ウォルツァーだ。
▼【日本の無条件降伏という目的自体、米国政府が自ら設定したものだ。もしこれ以上の両国の犠牲が耐え難いものであれば、当時の日本政府が受諾可能な線で、戦争を終結するのは可能だったはずである。 また日本の都市部への大規模な空爆も、米政府が自らの判断で行ったからである。 相手方の戦意の喪失を狙った一般市民の大量虐殺という、国際法上その正当性の疑わしい、大規模なテロ行為を継続することが耐え難いというものであれば、ただちに自らの判断で停止すればよかったはずである】と主張する。
▼戦勝国米国が主導した東京裁判。米国の犯罪は黙認され、日本がすべて責任を負わされた。それを黙認せざるを得なかったのは、戦争の最高責任者である「天皇」の存在だ。
▼現人神と称された天皇。彼を戦犯とすれば、神の国日本の占領政策がうまくいかないと、米国が判断したからであろう。
▼占領政策をスムーズに行うための最大の政策は「憲法改正」だ。米国流の憲法に変更すればいい。同じ国家理念を日本に共有させればいいからだ。
▼これが『対米従属』と言われるものの、根本要因だ。戦争とは敵国の「憲法」を改正することを意味する。戦争に負けるということは、勝った国を‟同化”させるということだ。
▼そんな意味で、ウクライナ戦争の「休戦」は困難に思える。突然領土を略奪してきたのはロシアだ。
▼ウクライナは自国の領土を取り返さなければならない。ここで休戦もしくは停戦となれば、無謀に略奪された領土が、ロシアの占領になるからだ。
▼略奪された土地のウクライナ人は、ロシアの憲法下に置かれる。ウクライナ人でありながら、強制的にロシア人に同化されることになる。
▼これは『人権蹂躙』だ。ロシアの侵攻は許すことはできない。だがトランプは大統領が就任すれば、戦争は止めさせると豪語する。
▼これ以上戦争を続ければ、ロシアは核を使用するだろう。ウクライナをすべて植民地化し、ウクライナの憲法を廃止し、ロシアの憲法を押し付けれるからだ。
▼そんな理不尽なことはあってはならない。一方的に戦争を仕掛けてきた方が悪いからだ。「喧嘩両成敗」では不公平だ。プーチンの犯罪を糾弾すべきだ。
▼ウクライナ停戦となれば、ロシアは奪った領土をすべて返さなければならない。それが停戦の条件だ。そして被ったお互いの損害は無しということが、最大の条件だ。
▼だがこれでゼレンスキーが 納得するはずがない。それは侵略者を認めることになるからだ。なのでトランプは両方をどんな手段で納得させるか、落としどころが見つかりにくい交渉だ。
▼トランプは負けそうなウクライナに、停戦の言うことを聞かないと、軍事支援はしないと脅かすにちがいない。
▼一番心配なのはプーチンの考えだ。占領した部分だけをロシアとすれば、いずれウクライナは領土奪還に出る。それよりウクライナ全土をロシア領にした方がよい。
▼そこで考えられるのは‟核の使用”だ。日本を無条件降伏させたのは‟核爆弾”だからだ。そうすればウクライナを「ロシア憲法」に改正できるからだ。
▼「憲法改正」してしまえば、ウクライナは名前が残ってもロシア領だ。そうなれば、ウクライナは『ロシア従属国』となる。
▼やはりウクライナの『無条件降伏』を要求できる「核兵器使用」が、ロシアにとっての最良の選択だ。そうなれば核使用をしたことがある米国も、口出しはできないはずだ。「核使用」こそがNATOの侵略を防ぐ、最大の防御となるからだ。
▼我が国が無条件降伏を強いられ「憲法改正」を余儀なくされた。そのために「核使用」をするのが歴史的に、日米戦争で示されている。
▼そんな状態にありながらも、我が国は「核兵器廃絶運動」の先頭に絶対立たない。被爆者連盟が『ノーべり平和賞』を受賞したが、総理は「国民栄誉賞」を受賞させる意思など全くないようだ。
▼そうであれば日本は「核保有を容認」したという立場にある。なんとも恐ろしい国に、私たちは住んでいることになる。
▼そんな思いを実感させられる、防衛費が増大する、戦後80年を迎えるイシバ内閣だ。なんだかとりとめもないことを考えさせられた、身体が寒さで凍り付くような、雪の積もった朝だ。