▼昨年日本被団協が、ノーベル平和賞を受賞した。被団協という一団体が受賞する前に、世界で唯一の被爆国、日本政府が受賞するべきだろう。
▼日本では平和賞は二度目だ。最初は沖縄返還の時の首相だった佐藤栄作だ。「非核三原則」という美名の下、核搭載の米軍艦の入港は黙認される。
▼「核の傘下」という我が国の安全保障の体制は維持され、ますます強固と化してきた。この平和賞受賞の裏には「政府による米国への資金提供」という密約があった。
▼沖縄返還による「平和賞」は、我が国の政治資金の裏金の力によるものだ。国家間の問題解決には、莫大なお金が使われるというのは、国民にも暗黙の了解があるからだ。
▼そうであるから、自民党は政治献金の廃止などは、自分たちのためでもあるが、国家安泰資金の確保という側面もある。
▼なので絶対離したくない政治的必要経費だ。だが現在は、自分の懐を温めるためる‟国壊欺員”が多いようだが。
▼今回の被団協の受賞は、日本政府が世界平和(核廃絶運動)のため活動しないので、被団協の努力に対し、ノーベル平和賞が授与されたものだと思う。
▼この受賞は【憲法第9条】の『戦争放棄』をないがしろにしようとする、改憲派のイシバ総理に対する強烈なストレート・パンチではないか。
▼被団協の受賞に対し、先に会談を申し込んだのがイシバ総理だ。被団協に対し‟先制口撃”をかけようとの魂胆が見える。
▼開始前に『今日は議論の場ではない』と宣言したようだ。そして自らの防衛論を披露し、総理の独壇場となったと被団協側は嘆き驚く。
▼さらに総理は『米国の拡大抑止を認め、核依存を強める方針について、安保環境を考えれば現状はやむを得ない』とまで言い切ったという。
▼やけに被団協に対し、失礼な態度を示す総理だ。そして被爆国日本国民に対して無礼な総理だ。被団協本部に訪れての会談ならまだしも、総理官邸に呼びつけての会談だ。
▼国民が天皇の御前で、話しずらいというようなそんな環境下での会談だ。こんな人物は、トランプ大統領に招待されても、対等な気持ちで対話出来ないタイプだに違いない。
▼次の日米首脳会談など『虎の前に出た子豚』同様に見える。というわけで被団協への態度は、国民をもさげすむ態度だ。
▼それを分析すれば、イシバ総理は『国民主権』など微塵の考えもなく「イシバ・ファースト」の総理だ。
▼下から睨める恐ろしい目付き。そして予期せぬ不気味な微笑み。あの微笑を米国は『日本のモナリザ』?と評するか、それとも対米従属を加速させる、新たな「番犬の登場」!とみるのか。日米会談で日本の2025年を占いたいものだ。
▼昨夜ノーべり文学賞作家、大江健三郎の本を開いてみた。次の言葉は、フランス19世紀の文人セナンクゥールの言葉を、文学者渡辺一夫が「日本の知識人の常識としたい」としばしば引用したとある。
▼【人間は所詮滅びることになるかもしれず、残されるものは虚無だけかもしれない。しかし抵抗しながら滅びようではないか。そして、そうなるのは正しいことではない、というようにしよう】。
▼被団協の皆様の永年の努力は、日本国憲法前文を理解し実践し続けてきた【国民主権】の真の姿だと、深く敬意を称します。