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函館市とどほっけ村

法華宗の日持上人にまつわる伝説のムラ・椴法華。
目の前の太平洋からのメッセージです。

戦争か平和か

2025年01月17日 16時27分31秒 | えいこう語る

▼通常国会が24日から始まる。気になるのは国民の関心を「103万円の壁」問題に、集中させていることだ。

▼国民民主党が言い出した壁の引き上げを、自民党と公明党が合意したが、約束を反故にしたら予算案を成立させないという。

▼国民民主の主張は178万だ。これほど格差があれば、真ん中あたりで決まるというのが社会の常識だ。

▼国民民主もそんな単純な作戦で、大幅な金額を設定したに違いない。予想だが半分で「141万円」だ。

▼そこに玉木代表の不倫問題をちらつかせ、11万を差し引いて『130万円』で落ち着くのが、今の我が国の国会の常識ではないか。

▼要は国民民主を充分立て、公明と国民民主を取り組み『自・公・国三党体制』のイシバ政権続投に持ち込むのだろう。

▼だがもっと大事なことがある。今国会で『日本学術会議を特殊法人化する関連法案』が討議されるという。

▼この問題は元総理スガヨシヒデが、学術会議からの新候補6人を、任命拒否したことによることから発している。

▼学術会議とは科学者たちが戦争に加担させれたことを反省し、政府が設立した独立機関だ。近年の政府の『憲法改正』の政治方針に異を唱えるのが、学術会議の正統な在り方だ。

▼だが任命権者が総理となっている。人事案件は公表するものではないとか言って、スガはだんまりをこいた。珍しくずる賢い総理だ。

▼その中に東大で日本近現代史を講義する、加藤陽子教授がいる。教授の著書「それでもの本人は‟戦争”を選んだ」朝日出版社を読めば、スガが任命拒否した理由がよくわかる

▼さらに朝日新聞2023年4月7日付の、加藤教授へのインタビュー記事を読めば、スガ総理が、何が何でも任命拒否しなければならない理由がはっきり理解できる。スガでなくともキシダフミオでも拒否するだろう。

▼その内容は、2022年12月に「国家安全保障戦略、国家防衛戦略、防衛力整備計画」の「安保3文章」が閣議決定された。

▼そのことについて加藤教授は、この内容は日露戦争後の1907年に制定された「帝国国防方針」と酷似していると指摘しているという。

▼この国防方針は、ロシアと米国への戦争への体制整備なので‟身の丈を超えた軍事力を持とうとする”内容だったという。

▼今回の3文書にも、5年間で防衛費を40兆円超えにまで増額すると書かれている。「最小限度の戦力」とは程遠い、軍事国家への前進だ。

▼そして中国・北朝鮮・ロシアを「安全保障上強い懸念」と記述している。なのにイシバ内閣は、中国との外交を強化しているのは納得がいかない。

▼加藤教授は「米国と中国は、自国の領土で戦争しようと思っていない。両国が衝突したら『火の海』となるのは“日本”だと指摘している。

▼政府は今国会で学術会議を特殊法人にし、首相による会員の任命は廃止し、外部有識者でつくる『選考助言委員会』を新設するという。

▼これって「原子力規制委員会」と同じ体制ではないか。国の監視と圧力がかかる体制を堅持しようとしている。学術会議の「特殊法人化」は、戦争に反対する組織を根こそぎ潰すという法案だからだ。

▼戦争ができる国へと舵を切ろうとする、イシバ政権下では絶対通してはならない法案だ。科学者たちが『表現の自由』を奪われれば、国民などひとたまりもないからだ。

▼学術会議の問題は「戦争か平和か」という、二者択一の問題だ。そんな意味で政府の提案は廃案にしてほしい。

▼そして国民民主が、自民党が「103万円の壁」妥協したお礼に、学術会議の問題を成立させることがあっては、国民民主も『戦争賛成党』だ。

「哲学する観光」について考える

2025年01月15日 12時20分12秒 | えいこう語る

▼北海道の最大の魅力は大自然だ。明治期に始まった北海道開拓。自然を切り開き畑を耕し、そこで人間の営みが始まった。

▼人間はかつて自然の中で暮らす生物の一種だった。やがて言葉を持ち道具を使い、自然を切り拓き、便利な生活圏を所有した。

▼北海道に美瑛という町がある。漢字を分析すれば『玉の光のような美しいまち』という意味になる。

▼畑作を始めたが、やがて日本農業の衰退とともに離農が増え、残った農家に土地を譲り畑地が大きくなった。

▼その広大な農地風景が、この町の観光の支えになったと、本州から移住しこの町でペンションを経営していた知人から聞いた。

▼ペンションを開業した時、その町では道路を整備してくれるといったが、一本の大木がありその木を切り倒すという計画だったという。そこで友人は木の伐採に反対したという。

▼多くの木は人間の営みの利便さゆえに伐採された。美瑛にはCMで有名なった、観光客の絶えない「一本の美しい木」がある。

▼その近くに40本もの白樺並木があり、撮影スポットになっていた。だが観光客のマナーが悪く、畑を踏みつけたりするというのは、テレビの報道で知っていた。

▼北海道の広大な土地には、境界と風よけを兼ね、一列に連なった並木が見受けられる。最も北海道らしさを感じる光景の一つだ。

▼このポプラ並木は「オーバーツーリズム」が深刻化していたため、周辺の住民の要請で、町景観審議会が伐採を許可したという。

▼町長は「町の景観は農業で作られており、住民の意思を尊重したい」と話したという。最初に述べた、農業景観の歴史を振り返ってほしい。

▼知人のペンション経営者は「この美しい畑の景観の裏には、離農を決意した悲しみがある」と私に説明した。

▼私は美瑛の美しい風景の映像に接するたび、美しさの中の農民の悲しさを思い浮かべる。この町では以前にも観光客の農地侵入が後を絶たず、『哲学の木』が伐採された経緯もある。

▼私は観光の本質には、急速の進歩する文明社会の中で、自然に触れあうことで失われた『人間性の回帰』にあると思う。

▼つまりこれからの観光というのは『哲学する観光』だと、微力ながら主張してきた。美瑛町は確か「ジャパン・ヘルシーゾーン」というテーマで、農業と観光のまちづくりを目指していたのを記憶している。

▼食の健康は、人間の健全な考えも補充するものであったはずだ。単なる現象にとらわれず、そのプロセスも理解でき、観光が『人間の回復』の重要な要素として、北海道の未来を豊かにする存在としての位置を保ってほしい。

▼美瑛町のかすかな記憶を思い出した。安保関連法の成立の時、美瑛社会福祉協議会が、平和を考えてもらおうと、市民にパンフレットを配布した。

▼自民党が多い議会は「政治的活動」とし、企画した理事数名を除名処分にした。戦争は福祉とは相反する存在だ。

▼「政治的活動」と一括りして、相反するものを攻撃することは許されない。単純に数の力で処分してしまうことが短絡的で、民主的ではないからだ。

▼最も北海道らしい美しい景観を守るため『哲学する観光』を、美瑛町は初めてほしい。美しい景観とは、その土地の歴史の経過と「人間性の復活」を、訪れた者に物語るものだからだ。

ロス山火事と原爆投下発言と2025年

2025年01月14日 12時01分15秒 | えいこう語る

▼山火事の多いロサンゼルス。地形に原因があると言われる。海も近く風も強いようだ。考えれば函館市に似ている。

▼昔、海にぽつんとあった函館山と、亀田半島の間に砂が堆積し陸続きになった。周囲が海に囲まれているため風が強く、明治から大火の回数は多く『大火の街』と呼ばれた。

▼昭和9年(1934年)の「函館大火」は、全市の3分の1を焼失した。あれから90年、ロスの火災から函館市も気を引き締めなければならない。

▼私が記憶にある大火と言えば、1993年の奥尻島の大火だ。地震が原因だったが、燃え盛る様子がテレビで映された時、空襲にでもあったような、凄絶さを感じたのを覚えている。

▼さらに2011年の東日本大震災の、津波と火災の映像は、まるで戦争状態ではないかと心が折れた。そして昨年の能登半島地震では、繰り返し起こる災害に対する、国の復旧の遅さに怒りを覚える。

▼国の対応の遅さはさ、いずれ起きるかもしれない‟戦争状態”を、国民に体感させる【9条改正後】の、戦争準備ではないかと感じる。

▼コロナ禍以来、日本国民は政府の指示に順応する体質が、戦前同様残っているのを実感させられた。

▼マスク着用、外国製ワクチンの連続投与、不要不急の外出禁止等、「人に迷惑をかけない」という精神の高さは自慢していいが、裏返せば一体となれば安全だという、全体主義の国民性を露呈したような気もする。

▼こんなことをSNSで発信したら、不謹慎と言われるかもしれないが、人の心に思うことは『表現の自由』の範囲で、現憲法下では許容範囲に入る。

▼しかし次期米大統領トランプの「関税をかけまくる発言」も『表現の自由』として認められるとしたら、米国民も大統領同様の発言は認められると解釈してしまうだろう。

▼ロス火災を取材した記者が【原爆が落とされた広島のようだ】と発言した。私が先に述べた我が国の大火災を、戦争状態とみなした事例のように、「広島」という言葉を使用した記者の発言は、現場の様子を伝えるのに、最も理解させられる言葉であったに違いない。

▼不穏当に見える発言をしても「表現の自由」の範囲だと見なされれば『原爆を落とした米国が、自らロスに原爆を投下したような現場だ』という、発言も許されることになる。

▼ロシアやイスラエルが、戦争を終わらせる手段として『原爆使用』ということも「表現の自由」として許される。

▼だがトランプ大統領は、何でもかんでも思ったことを言う。いくら「表現の自由」と言えど、大統領の軽率な発言は世界を不安がらせる。

▼『2025年の政治』と題した、北海道新聞13日の社説、副題には「熟議深める新たな道筋」とある。
 
▼トランプ大統領の、アイスランドやカナダの占有化発言を見れば、「熟議」や「品格」などという言葉はトランプの辞書にはない。

▼トランプ大統領とイシバ総理の初対決が、2月にも予定されている。大相撲でいえば横綱と前頭5~6枚目ぐらいの対決だ。

▼その対決で惨めな負け方では「衆参同時選挙」もあるかもしれない。いやそこまで踏み込めない、体力不足に陥るかもしれない。2025年は「トランプ・イヤー(場所)」と呼ばれるかもしれない。

▼「対米従属」から『対米対等』に持ち込む位の体力・気力を示してほしい。初戦は 「USスチールの買収」で、横綱に張り手をかます位の勢いを見せてほしい。

▼土俵の下にぶん投げられて手を差し伸べられても、それを振り払い土俵上に素早く戻り、深く礼をして、日本中の喝さいを浴びる‟矜持”を示してもらいたいものだ。

▼明るい2025年の日本。大相撲初場所で、出来れば二人の横綱誕生を夢みたい。政治では初体戦で負けても、次は倒せるという気迫で戦ってほしいと願う。

▼【戦後80年場所】。横綱トランプは‟下半身”が弱そうだ。対するイシバ関、下に潜り込んでの足責めで健闘してほしい。

▼予想だにつかない2025年場所。得意の相撲解説?で占ってみたが。

依存体質的 日本社会

2025年01月12日 13時24分57秒 | えいこう語る

▼新聞を開けば、戦後80年の社会構造の中で熟成され過ぎた、膿のようなものが原因となっているような事件が、多く見られるようになった。

▼これらを分析すれば、一番の原因は『対米従属』にあるような気がする。戦後米国に‟依存”し過ぎの国柄となったからだ。

▼11日の北海道新聞から抽出すると【地方創生、若手国家公務員が支援】とある。これは地方と国が対等と定めた「地方分権一括法」があっても、依然とし国家に依存する地方の姿が現れたものだ。

▼地方のことは地方で始末するという「自治の精神」を盾に、突き返せばいい。長い間国が地方に命を下す、その体質が再び現れた愚策だ。

▼逆に言えば地方がいまだに、自治能力が欠如している現象ともいえる。地方は人口減でそれどころの話ではない。それに付け込んだ「国への従属体質」の強化かもしれない。

▼『島根原発再稼働』とある。福島第一原発事故を思い出せば、再稼働など島根ばかりではなく、日本を破滅しかねない動きだ。

▼電力は国や電力会社に頼るという、暗黙の国民の依存体質がある。事故を起こした東京電力は、それまで国(経産省)が電力会社に依存していた。用事があれば経産省が呼び出されたという。

▼「原子力ムラ」と呼ばれる特殊な組織に依存することで起きた、福島原発事故だ。国民の目が全く行き届かないグレイゾーンが「原子力ムラ」だ。

▼民営化した日本郵政が、配達業務を委託した業者に、不当な‟違約金”を課していた。これは郵政が国営だったので、民営化されても目に見えぬ権力を、保持していたことによる現象だ。

▼ここで私たちに身近な問題を取り上げたい。タレントの中居正広の女性問題だ。男女間のトラブルなどは人間社会では、ごく普通な出来事だ。

▼それをとやかく言う筋合いはない。だが常識的でないのが、示談金の「9000万円」だ。この金額は手切れ金といえ、異常な金額だ。

▼中居は長い間タレントとしてトップで活躍していた。だがいくら払えるにしても、この金額は世間一般の常識からかけ離れている。

▼中居は芸能界では力を発揮していた。周囲も中居に依存していたのは間違いない。そんな芸能界を取り巻く依存体質が、今回の問題となったのだろう。ダウンタウンの松本人志も、同レベルの体質だ。

▼だが芸能界は中居を捨て、また新たなアイドルを作り出すに違いない。いいだけ利用し、邪魔になればあっさり捨てる。利用価値が下がれば、他に依存する。これが芸能界が何の傷も負わない、タレントだけに罪を押し付ける「タレント依存体質」だ。男女問題と同質だ。

▼政治家と行政の間にもそれぞれ依存体質があり、それをうまくバランスを取りながら、戦後80年を過ごしてきた。

▼身近では議会での『答弁調整』だ。これも『対米従属』と同床にある。お互い生き延びるための‟談合の法則”だ。つまり依存体質というのは癒着の温床だ。

▼そんな戦後我が国の依存体質も、トランプ大統領の再登場で、大幅な変化を見ることになるかもしれない。

▼カナダやグリンランドを米国の傘下にしようとする言動がある。そんな無茶ぶりな米国に依存しながら【憲法改正】を目論む日本がある。

▼『新しい戦前』などという言葉も出てきた。『依存体質国家日本』は、トランプ政権下で米国の戦争に巻き込まれる可能性もある。依存し過ぎない適正な距離を保つことが必要だ。

▼80年前の我が国が、トランプのような考えを持ち、世界各国に大きな犠牲をかけたことを忘れてはならない。

▼フランスの作家・ミラン・クンデラは【人間の権力に対する闘いは、忘却に対する記憶の戦いである。権力があらゆる人間を操作して忘却を引き起こす。とまで言うつもりはありません。しかし忘却した人間が、権力によって操作しやすい対象であることは事実でしょう】。

▼戦後80年。そんな我が国の歴史を思い出しながら、現実をそして未来を過たないようにしたいものだ。

雪国での鮭の寒干し

2025年01月10日 10時59分16秒 | えいこう語る

▼秋から北海道名物の魚と言えば鮭だ。‟秋味”という愛称もある。20年以上前だが、前浜で鮭が跳ねている光景が見られた。

▼昨年の定置網には、鮭の姿が見えないと漁師は嘆く。川を覗いても遡上する鮭はわずかだ。産卵もままならなければ人間社会と同じで、人口(鮭)減が続く。

▼オス一匹数百円の時分、7~8匹購入し一月ほど塩蔵してから、カラスに狙われないよう軒下に吊るし、春を待ったものだ。

▼4月頃になると、まるで燻煙をしたように身が茶褐色になり、スライスして酒の肴にしたものだ。

▼冬は除雪と寒さで身体もくたくたになるが、この味は冬の疲れを癒し、春の訪れを身体中に感じさせてくれた。

▼昨年はメス一匹浜値でも、8千円という声も聞こえた。もはや庶民の食卓から縁遠い存在となりつつある。

▼とはいえ漁村暮らしはいいものだ。昨年12月初旬に近所から70センチほどの鮭が一匹届いた。

▼早速たっぷり塩をかけ、むしろに包んで重石をかけ水分を出す。1ケ月ほどで塩を洗い縄で尻尾を縛り、カラスに食べられない高さで軒に吊るした。

▼今年は今のところ雪は積もっていないが、寒さが厳しい。高齢ゆえもあるだろうが、骨身に染みる寒さだ。

▼晴れた日に鮭の乾燥状態を観察する。割いた腹にはよく乾くように割り箸を数本刺している。腹の赤味で成熟度合いを確認できるからだ。いい感じだ。

▼背中を押してみると乾燥状態がわかる。いい感じだ。春が待ち遠しい。寒干しの鮭は天然の燻製状態のようになるので、生のまま食す。

▼でもちょっぴり炙って食するのも、なかなか乙な味だ。酒の終わりに炙った鮭のお茶漬けも美味だ。

▼などなど、春に食せる幸せを極寒の故郷で思いめぐらしている。「冬来たりなば春遠からじ」。

▼一面の雪景色もいい。この雪が長い年月をかけ極上の酒になると思えば、雪にも愛着がわく。

▼先日未亡人たちと言えばセクハラと言われるかもしれないが、元気な独り暮らしの女性が集まる「ふれあいサロン」で、川端康成の「雪国」の朗読を行った。

▼冒頭「今日は皆さん駒子さんのような素敵な芸者さんになった気持ちで聴いてください」と前置きし、越後湯沢の温泉場に誘った。

▼終了後、私が20代の頃に越後出身の先輩から教わった♪「十日町小唄」を披露した。「いい曲だね」と拍手をいただいた。

【宿の窓から見える灰色の空からは大きな牡丹雪が降りはじめ、紅葉の錆色が日ごとに暗くなりつつある山には、初雪が見えた。雪国の女性たちは長い雪籠りの手仕事に縮(ちじみ)を織っていた。雪の中で糸を作り、雪の中で織り、雪の水で洗い、雪の上で晒す。すべては雪の中の作業であり、雪は縮の親と言えた。その縮の産地は温泉街に近かった】。川端康成「雪国」。

▼川端が見た「美しい日本」。環境破壊のせいか政治の貧困のせいか、美しい日本とはかけ離れた現実が広がっているようだ。