▼第一次世界大戦後の混乱した世界を安定化するために、『国際共調路線』を主導し『国際連盟』の発足に力を果たしたのが、米国のウイルソン大統領だ。
▼払えもしないような莫大な賠償金をドイツに課したが、側面からドイツを支援したのは米国だ。
▼ドイツの工業に投資し、利益から賠償金を支払えばいという考えを示したのが、米国だという。
▼米国がそんな意味では、資本主義的な発想としては英・仏より、はるかに成熟していた。と指摘するのは、保坂正康著「昭和時代」朝日新聞出版に掲載されている。
▼だが、米国はドイツの軍事力にも大幅な制限を設け、二度と戦争ができない体制に画策する。
▼このことはドイツ人に多大な屈辱感と不公平感を与え、これによってヒットラーを登場させることにつながっていったとも、保坂は指摘する。
▼バイデン前大統領の施策を真っ向から批判し「米国第一主義」を掲げるトランプ大統領が出現した。ヒットラーの再来のようなトランプだ。
▼第二次大戦終了後、日本は米国の占領下におかれる。憲法改正での「戦争放棄」や米国型資本主義社会の登場で国柄が変わる。
▼そして『対米従属国家』として、80年も過ごしてきた。ドイツのような民族独立の機運が起こらなかったのはなぜか。「天皇制」なるものが解体させられたからか。
▼そんな時代を長く過ごし、アベシンゾウ政権から「民族自立主義」的な考えが、台頭してきたのではないだろうか。
▼シンゾウは憲法を自分流に解釈した。それは多数の憲法学者から非難を受けた。だがシンゾウはそれを無視した。まるでトランプのように。
▼政治課題のトップに『憲法改正』が上げた。あまりにも保守的だといわれたが、シンゾウは真の保守ではないともいわれた。
▼真の保守とは、微調整を行いながら生き延びるという。シンゾウのような急激な改革を望むものは、真の保守ではないと言われた。
▼その後の総理もシンゾウの考えを踏襲した。我が国の憲法は、第一次大戦後のドイツにおける、最も民主主義的だといわれたワイマール憲法をヒットラーが破棄したような、そのような不穏な空気が、国内に蔓延しだしてきた。
▼そんな我が国の今の現状から『新しい戦前』と言う言葉が現れた。最近の我が国は「いつか来た道」を知らず知らずのうちに前進しているような気がしてならない。
▼このぼんやりとした不安を、メディアも解説できなく、国民の不安も増大しているのが、今の我が国の現状ではないだろうか。
▼そんな政治も経済も安全保障にも安定を欠く、我が国の総理がヒットラー同様の感覚を持つ、トランプとの初会談に臨む。
▼初会談への準備のためレクチャーを受けたのが、ソフトバンクの孫社長と、トヨタ自動車の会長だという。
▼外務省や財務省の幹部ではないのか。もはや危機管理体制が全く整っていない、イシバ政権だ。
▼こんな総理の訪米がどんな結果を生むか、国民の端くれの田舎おやじも毎日が不安でいっぱいだ。晩酌にもつい力が入ってしまう。
▼トランプはウイルソンの政策の反対を行く。『国際共調路線』など頭の隅にもない『米国第一主義』だ。
▼日本には何を突きつけるのか。軍縮ではなく『軍備強化』を要求するに違いない。自分の国は自分たちで守れと。そして米軍の「駐留経費」のさらなる負担だ。
▼トランプは「戦争の放棄などでは国際競争には勝てない。米国の押しつけ憲法と国民が考えているなら、押しつけ憲法を廃止をせよと【憲法改正】の、後押しをしてくるのではないか」と、晩酌のはかどりでとんでもない妄想も働く。
▼戦争が近づくと「軍部の暴走」が始まる。青年将校たちが起こした「2:26事件」が、その発端ではないかという。ここから軍部による『使い勝手の良い天皇像』が出来上がるからだ。
▼最近ある若手タレントが、自衛隊の装備や実弾訓練で武器の優秀性をテレビで紹介する番組がある。自衛隊員は「国を守るため」には、命を張るという気迫がテレビから伝わってくる。
▼その真摯な態度に、田舎おやじの胸には熱くなるものが込み上げてくる。年齢を重ね「涙もろくなった」のではない。私の日本人としての眠っていた遺伝子が、頭をもたげるのだ。
▼そんな日本人の気質を喚起させるような、自衛隊紹介のテレビ番組だ。さらに「国防とは何か」という問いかけにも、心を揺さぶられる。
▼戦争へのプロパガンダ教育は、静かにテレビまで浸透してきたのを感じさせられる。テレビを観て実感するのは、自衛隊は『世界最強の日本軍』だという事実だ。
▼『新しい戦前』そんな言葉の意味が前進し出すのが【トランプと石破の初対談】からだと、戦後80年の出来事として、日本史に刻まれるような気がしてならない。
▼次の世界戦争は『核爆弾の応酬合戦』になるだろう。それは世界最強の武器で、戦争を終結させる兵器でもあるからだ。
▼そこで私は「第三次」とは呼ばない。『大惨事世界大戦』と呼ぶ。だが我が国の憲法改正はそう簡単には動かないだろう。
▼だがそのきっかけが日本史の中にある。大正12年の『関東大震災』だ。世の中が大混乱し、その復興の中で軍部が凶暴性を発揮しだす。そして「2:26事件」。
▼間もなく東日本大震災以上の『南海トラフ地震』が、必ずやってくる。その時が自衛隊が『国防軍』に名を変える、歴史的最大のチャンスだ。
▼ヒットラーがワイマール憲法を反故にし「全権委任法」を成立させた。我が国も次の大震災で「非常事態条項」を成立させる。
▼そこを境として、自衛隊は『日本軍』として再び権力を把握するに違いない。軍部はその後どんな道をたどったのか、犠牲者310万人の声に耳を傾けなければならない。
▼というような「昭和時代」の長い夢を見て、今朝の目覚めは大幅に遅くなり、御前9時に近かった。午前とするつもりが「御前」となった。昭和は日本人が最も愛する時代だった。