カメラといっしょ★

地元福岡~イタリア留学からワーキングビザ取得しての海外生活を写真で綴るつれづれ日記

ピストイアで夏休み

2011-08-13 23:23:02 | └☆イタリアぶらり旅
ピストイアに住むお友達から、夏休みに入ったから遊びにおいでとお誘い。
わーい、行くと早速出かけ、夕暮れのピストイアについた。
 
少し町を散歩して、彼女の家でご飯をごちそうになりながら
あれやこれやと遅くまで話しこんだ。
話の中で、引っ越し騒動をきっかけに心に貯まった悲しみを少し吐いてしまった。
それを聞いた彼女はそんな風に私が言ってるの聞きたくないって言った。
以前私が、一人でいるより二人でいる方が世界も二人分広がって楽しいと言った事を
彼女は心に覚えていて、それについて自分で色々考え直したそうなのだ。
私も以前の私が言った言葉にハッとさせられ、反省した。

多分私はとてもくたびれている。
何にだろう?
おそらく生きるということに関して。
私は生かされている社会からでて
生きようとしなければ生きていけない世界にいる。
生きる為には最低限必要な物がある
食料、寝床
それを得る為のお金
お金を得る為の仕事
仕事をするための希望
希望を語る為の友
その全てを癒す愛
今の私はそのうちの何一つ持っていない。
何一つ持たずにどうやって
この太陽が強く照らす大地で一人生きていこうというのか。
無情の気だるさだけが体を包み寝苦しい夜は明ける。
 
 
お昼頃、友達に見送られて家を出た。
町は明るい光に溢れていた。
 
中世の街並をそのまま残すピストイアは
どこを切り取ってもすてきな町並。
 
 
日曜なので町中にメルカート(朝市)が出ていた。
 
 
明るい声であいさつをかわす町の人々
物を売る声、笑い声、路上で奏でるアコーディオンの音
町の雑音にまぎれて私は次第に透明人間になっていく。
本当に消えてしまえるならいいのに。
消えてしまう事の出来ない私は私を続けるしかない。
生きる事は苦くて酷なものだ。

いや、もう何かを考え込むのはよそう。
だってイタリアの8月はみんな夏休みだもの。
私も休もう。
夏休みに家に招いてくれたお友達に感謝。
友達が夕飯に作ってくれたオイルサーディン入りのサラダがおいしかったので
駅前のスーパーでオイルサーディンの缶詰と
同居の友達へお土産に缶ビールを買って家路についたのでした。

<フィレンツェからピストイアへの行き方>
◆普通電車にて約40分「Pistoia」下車
イタリア国鉄 http://www.trenitalia.com/

フィレンツェでJAZZYな夜を

2011-08-11 23:43:12 |  └・カフェ&BAR
毎週木曜日、JAZZのイベントをやっているエノテカへ。

今日はいつものバンドではなく、
ちょっぴりアメリカの生ジャズっぽい感じ。
 
隠れ家的な落ち着いた空間で
ワインとジャズで過ごす時間は心をほぐしてくれる。
こんなのんびりしたイタリアでストレスなんてないと思っていたけど
いつの間にか心が凝っていた自分に気付く。
海外での暮らしは、常に緊張を強いられているのかもしれない。

よい音楽で干したての布団みたいにふかふかになった心に
飛び込んで来るポンテベッキオの夜景はキラキラと美しく染み渡る。
この町で暮らせる幸せを思い直してみる夜なのでした。

■Enoteca Per Bacco
Borgo SS.Apostoli 21/23r Firenze
http://www.perbaccofirenze.it/dove.php

まずはジェラート

2011-08-10 21:52:48 |  └・ジェラート&ドルチェ
海辺の町に住む友達が、フィレンツェに来るというので落ち合った。
えっと、どうする?
まずはジェラートでも食べながら考えるか、ということで
カッライア橋のジェラート屋へ。
ここは1ユーロのコーンで2種の味が楽しめる庶民派のジェラート屋。
 
この安さが大好き、1ユーロのコーン。
今日はオレンジチョコと、めずらしくノチョッラ(ヘーゼルナッツ)にしてみた。
ここに着くまでの間に友達がノチョッラのおいしさを熱弁していたのでつい。
どちらもとっても馴染みよく、クリーミーなおいしさ。
横を見ると友達は3種盛りのカップを頼んでた。

仲良くならんでジェラートを食べる。
その冷たいおいしさに、つい熱心に黙々と食べてるよい大人たちなのでした。

■ gelateria La Carraia
P.zza N. Sauro 25R 50123 Firenze
Tel 055.280695
http;//www.lacarraiagroup.en

風になる

2011-08-07 23:27:43 | └☆イタリアぶらり旅

友達のバイクで蒸し暑い町を抜け出した。
夕暮れを追いかける風のように走る。

緑色に波打つ丘はどこまでも広がる。
葡萄畑とオリーブ畑を抜け、いくつかの小さな集落を通り越し、
バイクは風を受け、波を切って走る船のように進む。
 
 
立ち寄った小さな小さな村で夕日を見送る事にした。
 
小さな集落のすぐ外には美しい畑が広がる。
 
 
あ、葡萄が色づき始めてる。
 
風の音と鳥の声しかしない。
ずっとそれを見ている私に、何を考えてるの?と友が問う。
何も。
友は驚いた顔をして、しばらく考えて、
それはZENの境地かい?とまた問う。
うん、まぁ、と曖昧に答える言葉も風になって消えてく。

ねえだって、
木々もけものも空も大地も風も静かに息をして
こんなに安らかに生きている。
なんて美しい世界だろう。

この安息を壊すなら私の声などいらないよ。
私の思いも、存在さえも。

風のように姿をなくして
ただじっとこの景色に寄り添っていたいと思うのでした。

城壁の町モンテリジョッニでオペラ鑑賞

2011-08-06 23:40:05 | └☆イタリアぶらり旅
お友達の彼はオペラ歌手、モンテリジョッニで小さな舞台をやるというので見にでかけた。
オペラにも興味津々だが、モンテリジョッニ!
それは私がイタリアに来て最初にひとりで行った小旅行の思い出深い町。
先日シエナの帰り道に車窓から町を見かけて
また行きたいなぁと思っていたところだった。
思えば通じるなんて、なんだか縁を感じてしまう。

Monteriggioniーモンテリジョッニは丘の上にある城壁に囲まれた小さな町。
町のあっちからこっちまで歩くのに5分とかからない本当に小さな町。

町の中心の広場に小さな教会と、レストラン、土産物屋が数軒あるだけ。
 
 
でも私は、城壁に守られてある、
まるで朝ぼらけのうたた寝のように平和で穏やかなこの町の雰囲気が好きだ。

まずはオペラの会場をチェック。
町の小さな公園に設けられた学芸会並みに小さなステージ。
でも古い石畳の町全体が舞台セットのようですごく素敵な雰囲気。
開園まで少し時間があるので町を散歩。
  
 
町行く人はこの小さな町でのんびり静かなバカンスを過ごしに来た人達。
みんなリラックスして、のんびり、のんびり。
そりゃねこちゃんも大あくび。
 
 
お腹が空いたので夕飯代わりにパニーノ。
間にはさんだプロシュートがとろけるみたいに旨い。
前にモンテリジョッニに来た時に食べたプロシュートも
やわらかくて味わい深くておいしかったっけ。

そろそろ町が茜色に染まり始めた。
城壁の外に出て、今日の夕日を見送る。

深いオレンジ色の太陽がトスカーナの大地に沈む。
その色は暖かく、安らぎに満ちている。
 
  
夜が群青色の帳を下ろし、町は静かに目を閉じる。

そろそろオペラ会場に戻ってみる。
どこからかたくさんの人が集まり、満席。
なんだかワクワクしてきたっ。
 
ピアノの生演奏を伴奏に、
空には星が輝き、公園の隣の家の窓まで拝借して
本当に街全体を舞台に見立てて展開された。
立派な劇場で見るより素敵かも☆

オペラはフィガロが登場する喜劇。
来る道すがら友達の彼にストーリーを説明してもらっていたおかげで
良く分かってすっごく楽しめた。
オペラと言えばすごく敷居が高かったけど、
本当はこうやってみんなで楽しむものなんだね。

昔々のままの町の中で、昔々のお話を見て
おとぎ話の中にいるようにいつまでも夢見心地の夜なのでした。


すいかのジェラート

2011-08-06 16:03:46 |  └・ジェラート&ドルチェ
朝から少し偏頭痛がする。
それは気のせいにしてしまえば済むくらいの痛さだが、
頭痛いしすっきりしない事を理由にジェラートを食べにいった。
言い訳をすればどんなことだって理由になるもんだ。

私のお気に入りで、
引っ越した今では家から一番近いジェラート屋になった「EMPORIO」。
このためにわざわざ引っ越したみたいにご近所だ。
それこそジェラートも溶けない距離。

さて今日の味は
絶対外せない濃厚チョコレートフォンデンテ
ここのはフィレンツェ内でも1、2位くらい大好き。
そして、もうひと味はスイカ。
まだ留学きたて頃、ここで初めてスイカジェラートを食べて
そのスイカ以上のおいしさに強い衝撃と感動を覚えたものだ。

まだイタリアの何も分からなかったあの頃、
そんなに昔の話じゃないけど、
あの頃の私と今の私は随分違う気がする。
遠い異国の空の下で、私はどんどん進化する。
それでもまだまだ途中の気がされて、途方にくれ
ぼんやりと夕暮れの風に吹かれているのでした。


■EMPORIO
piazza frescobaldi 11R firenze
TEL 055.23.81.130

Ristorante Albergaccio di Castellina in Chanti

2011-08-02 22:58:52 | └☆イタリアぶらり旅
郊外のレストランで働く友達で、"nostro shef(私たちのシェフ)"を訊ねて
カステリーナ・イン・キャンティへみんなで出かけた。

ぶどう畑の丘の上にちょこんとある小さな町。
 
 
小さな集落をぬけ、さらに丘を上るとそのレストランはある。
 
「Ristorante Albergaccio」
丘の上の一軒家のレストラン。

ちょっと早めに着いたので、レストランの庭の木陰で休憩。
 
この景色!
   
なだらかな丘をそっとなぞるように風が吹く。
はぁぁぁ~きもちいい~。。。
私がそうしようと思うより先に、体が深呼吸している。
おいしい空気を吸ったらお腹がすいてきた。。
早く開かないかなぁ、レストラン。

待ちかねてちょっとフライング気味に一番で乗り込む。
外に設けられた気持ちいい席。
テーブルの設えもとってもかわいい。
この青空、この風、この空気だもの、やっぱり外の席がいいよね。
  
ちなみに中の席もいい雰囲気。
 
突出しのコッコリ(ピザ生地を揚げたもの)
もっちりした食感と程よい塩気がおいしい~~。
 
食前酒にシャンパンのサービスもあって、んん~幸せ☆
このこまかくほそく上がる小さなシュワシュワが大好き。
青空に冷えたシャンパンはよく似合う。
 
味見にとpapa al pomodoroが出てきた。
パッパアルポポドーロはトスカーナの郷土料理。
ここのはとっても上品な味付け。
 
さて、本題のお料理。
ちょっとづつ頼んでみんなでシェアしていただくことに。
 
前菜の盛り合せ。
この美しい盛りつけ。まるで絵みたい。
左から玉ねぎのマリネ、仔牛のタルタル、パプリカの詰め物、ズッキーニの花
どれもすっごくおいしい☆
 
そしてこの土地のハムの盛り合せ。
やっぱりキャンティはハム、サラミがおいしいね。
ワインにぴったり合ってすすんじゃいます。
 
バジルのラビオリ。
ラビオリの皮にバジルを練り込んでフレッシュチーズを包んだ
とっても軽くておいしい一皿。
 
そしてこれはお肉料理の盛り合せ。
どれも柔らかくよく仕上がっている。

私たち的にはすごく控えめに頼んだつもりだったのに、
(ほんとはメインをもう一皿頼むつもりだった)
すっごくお腹いっぱいに。
でもドルチェ食べるでしょ、と聞かれ
身を乗り出して、もちろん!と答える。
 
そしてやってきたドルチェは
なんと、私の誕生日ケーキだった!!
わ~ん、みんなありがとう☆
ノストロ・シェフの特製もものタルト。
これでもかってくらいたっぷりのった旬の桃の下には
なんとまたこれでもかってくらいに桃を使ったムース。
それでいて少しも甘すぎず、重すぎず、
その甘い香りも、みずみずしい甘さも全て桃が自然に持つおいしさ。
これ最高!!ああ、なんておいしいの~☆
どんな立派なケーキ屋さんだってこんなおいしいのはないと思う。
おいしさのあまり、思わずおかわり、
あんなにお腹いっぱいだぁって言ってたのにね。
 
おいしい料理とすてきな景色にすっかりとろけて
幸せいっぱいの午後なのでした。


<ランチをしたレストラン>
■Ristorante Albergaccio di Castellina
Via Fiorentina, 63, Castellina in Chianti
Tel. 0577 741042
http://www.albergacciocast.com/

<カステッリーナ・イン・キャンティへの行き方>
国鉄シエナ駅前からsienamobilita社の「castellina in chanti」行きのバスで約45分(€2.55、2011年8月現在)
■sienamobilita社HP:http://www.sienamobilita.it/