夢かよふ

古典文学大好きな国語教師が、日々の悪戦苦闘ぶりと雑感を紹介しています。

BIRTHDAY!

2012-01-21 22:56:53 | 研究
昨日は職場の、若手の教員の新年会があったので、記事が書けなかった。でも、こういう職場内での交流は大事ですよね。


一夜明けて今日、本校では1、2年生が模試を受けるのでその監督。生徒と一緒に1年の国語の問題を解いてみたが、第1問の評論が幽玄に関する論で、おそらく生徒にはイメージしずらかったろう。80字の記述問題も非常に解答しにくく、自分の能力不足を棚に上げて言えば、1年生に解かせる問題としては妥当を欠いているように思えた。で、どうも問題の精度が低いのではないかと話していたところ、この時期の模試は、成績資料としては春や秋のものほど現場で重視されることがないために、問題の質が劣ることが多いということを同僚の先生から聞いた。なるほど、さもありなん。


さて、今日は私の誕生日で、この日に次の記事を書けるのはとても嬉しい。


私にとって長年の懸案に一通りの解決を与え、論文を投稿したのが昨年の11月だったのだが、今週、学会の編集委員の方から連絡があり、雑誌への掲載が決まったということだった。


恥を忍んで言うと、学会での発表から論文化まで10年以上かかってしまった。学会で発表したときは、ある人に「血祭りに上げられた」と評されるほど散々の出来だった。学会で自説を公にすることに対する自覚が足りず、全くの準備不足で、読み上げる原稿も徹夜で中途半端なまま、ぶっつけ本番で発表するはめになってしまい、会場で聞いてくださった方々には、本当に失礼だったと思う。また、テクニカル・タームの定義も今思うと非常に杜撰で、発表の技術も稚拙であり、批判されたのは当然だった。


ただ、発見した内容については自信を持っていたので、いつか必ず学会誌に載せようと思っていた。その後、何度も挑戦しては挫折したり逃避したり、また立ち直ったりを繰り返し、ようやくここまで漕ぎ着けた。


こんなに時間がかかってしまったが、大学院在籍時からご指導を受けてきた恩師に、わずかなりともご恩に報いることができ、安堵している。昨日、メールで報告したところ、今日先生から「おめでとう」という返事がきていて、感激してしまった。


不如意な日々を支えてくれた両親や友人達の存在にも感謝している。これから少しずつ、こういった人たちにお礼をしていきたい。


今日の写真は、島根県益田の柿本神社のもの。4年前、ここを訪れ、「学会誌に載せるという宿願を果たさせてください」とお祈りした。以来、ノートパソコンのデスクトップ画面をこの写真にし、常に携行するシステム手帳に柿本神社の学業成就の御守をつけていた。

常に発願を忘れないようにしていたのが、夢の実現につながったと思う。柿本神社にもいずれ、お礼参りをしたいと思っている。