夢かよふ

古典文学大好きな国語教師が、日々の悪戦苦闘ぶりと雑感を紹介しています。

下鴨神社

2014-04-24 23:35:15 | 旅行

下鴨神社は、正しくは賀茂御祖(かもみおや)神社といい、賀茂建角身命(かもたけつぬみのみこと)と玉依媛命(たまよりひめのみこと)の二神を祀る。
洛北の鴨川と高野川の合流点に位置し、平安遷都後は王城鎮護の神として崇敬されるようになった。後鳥羽院は特に信仰が篤く、度々参詣もしており、『新古今和歌集』の撰集が完成に近づいた元久元年(1204)十二月には、三十首和歌を奉納もしている。(このときは他に、石清水八幡宮、賀茂上社、住吉社、日吉社にも三十首和歌を奉納している。)


下鴨神社の神域には、多数の樹木が鬱蒼と生い茂り、糺(ただす)の森と呼ばれている。その中を参道に沿って歩いていくと、左手に瀬見(せみ)の小川、右手に泉川、大鳥居の前に奈良の小川など、清冽な水の流れに、心身共に癒されるような気がする。

  下鴨の糺の森に響(とよ)むなり瀬見の小川の水のせせらぎ


国宝の東御本宮・西御本宮にお詣りしたが、この日は日曜日と大安が重なっていたため、境内では神前式の花嫁行列と何度もすれ違った。
朝から、いつ雨が降り出してもおかしくない空模様であったが、結局夕方まで天気が保ったのは、神様の思し召しか。
写真は、境内の外れにある井上社で、人々の罪穢れを清めてくださる神様という。この池は御手洗(みたらし)池といい、葵祭(賀茂祭)に先立つ、斎王代御禊(ごけい)はここで行われる。(ただし、一年交替のため、今年の斎王代御禊は上賀茂神社。)


井上社は、御手洗川の源流が湧き出している井戸の上にお社があるため、そう呼ばれるのだそうだ。また、みたらし団子は、御手洗池の水泡の形を模したもので、ここが発祥の地なのだという。
御手洗川にかかる太鼓橋のたもとに、八重山吹が盛りに咲いていた。
晩春を彩るその花を見ていると、過ぎて行く春が別れの時期を告げるかのように思えてくる。

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