夢かよふ

古典文学大好きな国語教師が、日々の悪戦苦闘ぶりと雑感を紹介しています。

日吉大社

2014-03-17 23:31:48 | 旅行

後鳥羽院の足跡をたどる一日旅で、今回は滋賀へ。
京都駅から湖西線で坂本へ行き、日吉大社へ参る。
日吉社は比叡山の鎮守神であり、後鳥羽院が参詣しまた和歌を奉納もしている。伊勢・石清水・賀茂・春日・住吉・熊野などの諸社とともに、後鳥羽院の和歌と信仰と政治との関わりを考える上で重要な神社である。学生時代に一度訪れたことがあるだけなので、ぜひまた詣でたいと思っていた。


日吉社は日本で最も古い神社の一つであり、東本宮・西本宮共に本殿は国宝に指定され、その他の社殿、神輿、石橋などはいずれも重要文化財となっているそうだ。
上の写真は、国宝の西本宮(にしほんぐう)本殿。この時はちょうど、神職の方が祝詞(のりと)を読んでおられた。
左右の竹台は、伝教大師最澄が中国から持ち帰った竹で、「丸く真っ直ぐ節目正しく生きよ」の意と伝えられているという。


東本宮にもお参りしてから、八王子山(381m)参道を登り、頂上に近い牛尾宮・三宮宮を目指す。
つづら折りの急な坂道が延々と続き、たっぷり30分ほどかけて登り切った。
道の左右には、高さ2、30mはあろうかという老杉が立ち並び、昼でも鬱蒼として暗い。
時折、風が吹き渡り、木々の枝がざわざわと音を立てる以外は、静寂そのものの空間に包まれる。


いよいよ頂上が近くなると、約100段の急な石段が社殿まで続く。
先ほどからじんじんいい始めた膝に、この傾斜はこたえる。


ついに牛尾宮(右)・三宮宮(左)の姿が見えてきた。どちらも桃山時代に建てられ、重要文化財に指定されている。
この美しい懸造(かけづくり=傾斜地に張り出して造られた建物)の社殿を間近に見たかったから、膝の痛みにも耐えてずっと登ってきたのだ。
山王祭のときには、両宮の神輿が三月初めに担ぎ上げられ、また四月の本祭の時には、麓まで神輿を担いで急坂を駆け下りるのだそうだ。


八王子山(牛尾山とも)の山頂近くには金大巌(こがねのおおいわ)と呼ばれる巨石があり、その上からは琵琶湖と湖南の平地を見渡すことができる。ただし、この日は曇り空の上に霞んでもおり、遠くまで眺めることはできなかった。

この日できた歌。
山王祭には神輿も通る急坂に昼(ひ)も暗きまで杉立ち並ぶ
奥宮へ参る山道険(さが)しくも神にひかれてなほ歩まるる
神のます山を春風吹くからに杉の木立もややそぞめきぬ
牛尾山巌の上より見渡せど霞に閉づる鳰(にほ)のみづうみ

まだまだ修業が足りない。

(参考図書『週刊神社紀行 日吉大社』学習研究社)

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