京山の山頂から、秋の夕暮れの景色を眺める。
刻々と変化していく空の色合いが美しく、微妙な色の階層が幾重にも織りなされているのに驚かされてしまう。
枕草子の「秋は夕暮」ではないが、本当に、からすがねぐらへ鳴きながら急ぎ飛んでいくのも、秋のあわれはここに尽きるとさえ思う。
こういう美しい景色を実際に目にしているときというのは、なかなか歌が出てこず、だいぶ経ってから古歌にすがって心に浮かんだのが、
しのびあまり雲のはたてをながめつる思ひにそまる夕暮の空
古歌は、「夕暮は雲のはたてに物ぞ思ふ天(あま)つ空なる人を恋ふとて」(古今和歌集)。名歌を踏まえたら、ふつう詠み増す(より優れた表現の歌を詠む)ものなのに…。つくづく歌に思いを乗せるのは難しい。
刻々と変化していく空の色合いが美しく、微妙な色の階層が幾重にも織りなされているのに驚かされてしまう。
枕草子の「秋は夕暮」ではないが、本当に、からすがねぐらへ鳴きながら急ぎ飛んでいくのも、秋のあわれはここに尽きるとさえ思う。
こういう美しい景色を実際に目にしているときというのは、なかなか歌が出てこず、だいぶ経ってから古歌にすがって心に浮かんだのが、
しのびあまり雲のはたてをながめつる思ひにそまる夕暮の空
古歌は、「夕暮は雲のはたてに物ぞ思ふ天(あま)つ空なる人を恋ふとて」(古今和歌集)。名歌を踏まえたら、ふつう詠み増す(より優れた表現の歌を詠む)ものなのに…。つくづく歌に思いを乗せるのは難しい。