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テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

~ メールは、語る? ~

2023-09-20 22:07:45 | ブックス

「こんにちわッ、テディちゃでス!

 わかッてはいてもォ、がくぜんッ、でスゥ……!」

「がるる!ぐるっる……!」(←訳:虎です!怖かった……!)

 

 こんにちは、ネーさです。

 今日の朝ドラ『らんまん』では関東大震災の描写があり、

 呼吸もろくに出来なくなる程でした。

 こんなことが二度と起こりませんようにと祈りつつ、

 さあ、読書タイムですよ。

 本日は、こちらの御本を、どうぞ~♪

  

 

 

              ―― 死亡告示 ―― 

 

 

 著者はジェフリー・ディーヴァーさん、

 原著は2014年に、日本語版は2022年5月に発行されました。

 原作『Trouble in Mind』を翻訳時に分冊、

 2022年4月に刊行された『フルスロットル』がⅠ巻、

 こちらの『死亡告示』がⅡ巻に当たるので、

 『トラブル・イン・マインドⅡ』と日本語副題が付されています。

 

「はらはらはらはらッ!」

「ぐるるがるる!」(←訳:来たぞ来たぞ!)

 

 この御本の表紙を一目見れば、

 おお!と身を乗り出す御方もおられるでしょうか。

 

 がっしりした造りの、車椅子。

 この車椅子の持ち主は、おそらく……

 リンカーン・ライム氏なのか?

 

「おおおッ!」

「がっるるるる!」(←訳:待ってました!)

 

 ええ、表題作品『死亡告示』は、

 著者・ディーヴァーさんが生み出した名探偵

 リンカーン・ライムさんが活躍する短編作品……

 なのですが、

 何やら妙ですよ?

 

 ニューヨーク市警本部長の

 ロバート・マクナルティさんから

 市警の主要な幹部さんや刑事さんに送られたのは、

 『リンカーン・ライムのニュースリリースについて』

 というメールで、

 その内容は……

 

 リンカーン・ライム氏、

 自宅で銃撃される?

 

 事件の容疑者は

 “ウォッチメイカー“の異名を持つ犯罪者(指名手配中)で、

 現在も逃走中?

 

 ライム氏は現場で死亡が確認され、

 葬儀は月曜日の午後7時から……云々。

 

「ええええェ~ッ?」

「ぐるるぅ!」(←訳:まさかぁ!)

 

 私ネーさも、まさか!と叫びたいところですが、

 このメールは

 市警本部長さんが発信したもので、

 文面も本部長さん本人が書いたものに間違いありません。

 

 ライムさんと”ウォッチメイカー“が銃撃……?

 いったいなぜ? どういうこと?

 

 疑問と不信が飛び交う短編作品には、

 ちょっぴりのユーモアとともに、

 捜査官ライムさんの“矜恃“も籠められています。

 

   私の人生において、

   車椅子を使う脊髄損傷者であるという点は

   最重要項目ではない。

 

   私はまず犯罪学者であって、

   たまたま身体に障害があるに過ぎない。

 

 いやいやいや、こんなに賢く誇り高いライムさんが、

 犯罪学会の星・ライムさんが、

 “ウォッチメイカー“と銃撃戦だなんて……

 そんなの、あり?

 

「むふふふふゥ!」

「がるるっ!」

 

 はたして、

 『死亡告示』の真意は、真相は。

 

 この御本には『死亡告示』の他に、

 『プロット』『カウンセラー』

 『兵器』『和解』『永遠』と、

 計6作品が収録されています。

 特に『永遠』は中編に等しい分量の力作ですよ。

 エンタの醍醐味を満喫できる一冊を、

 ミステリ好きな方々は、ぜひ~♪

 

 


~ ローマ人の、智慧と、機転と。 ~

2023-09-19 22:08:31 | ブックス

「こんにちわッ、テディちゃでス!

 ふゥ~…れんきゅうゥあけはァ、おもいィでスゥ~…」

「がるる!ぐるるがるるる~」(←訳:虎です!身体が重いよね~)

 

 こんにちは、ネーさです。

 厳しい残暑と連休明けの疲労で、もうグッタリ……

 そんな火曜日は、さあ、活字のチカラで

 シャッキリを目指しましょう。

 本日の読書タイムは、こちらの新書作品を、どうぞ~♪

  

 

 

         ―― 完全版 ローマ人への質問 ――

 

 

 著者は塩野七生(しおの・ななみ)さん、

 2023年6月に発行されました。

 2000年に刊行された『ローマ人への20の質問』を

 全面的に改稿したというこの『完全版』は、

 塩野さんの著作《ローマ人の物語》を愛読する方々には

 嬉しい一冊ですね。

 

「おおきなァ、ていこくゥ!」

「ぐるがるる!」(←訳:覇者でした!)

 

 巨大帝国ローマは、

 あまりにも大きくて隙が多いためでしょうか、

 実体・実情・実態を見定めることは困難で、

 どれほど調べても《?》だらけ。

 

 そこで、《ローマ人の物語》著者の塩野さんが

 古代のローマに生きる紳士に質問して、

 さまざまな疑問に答えてもらう――というのが

 この御本のスタイルです。

 

「としィけいかくゥ!」

「がるぐる!」(←訳:富の格差!)

「じゆうゥ、とはッ?」

「ぐるるがる!」(←訳:政治と軍事!)

 

 あらら、質問リストを一覧しただけで、

 ちょっと溜め息してしまいますね。

 古代も現代も、いろんな問題が山積していて、

 それが細部まで呆れるほど似通っています。

 

 しかし、2023年という現在(いま)に在って、

 考えざるを得ないのは、

 

 質問7『《パクス・ロマーナ》とは何であったのか』。

 

「へいわなァ~じだいィ?」

「がるるぐるる!」(←訳:戦争がないよ!)

 

 パクス××、と呼ばれる時代は、

 パクス・ブリタニカ、パクス・アメリカーナ、

 日本史ではパクス・トクガワーナなど、

 幾つかありますが、

 そんな“戦争なき平和な時代”に

 古代ローマ帝国では

 どのようなことに重点を置いていたのか、

 塩野さんは対話から明らかにしてゆきます。

 

 平和の維持、

 インフラ整備、

 経済を向上させ、

 流通の最適化、

 ヒトの移動も簡単にできるようにして、

 他民族をローマに取り込んでゆく。

 

 そう、これらはつまり、

 平時だから可能なこと。

 戦時には蔑ろにされ、

 後回しにされてしまうようなこと。

 

「おかねもォ、おかいものもォ、おでかけもォ!」

「ぐるるがるるる!」(←訳:戦争に奪われる!)

 

 楽しくショッピングしたり。

 遠くへ旅したり。

 友人たちと飲み会したり。

 そんなパクス(平和)。

 

 塩野さん(とローマの紳士さん)は結論します。

 

 パクスもひとつの文明であるのだと。

 

「なくしちゃァだめェ、でス!」

「がるぐるる!」(←訳:このパクス!)

 

 文明の灯を、

 点し続けるのか、

 消してしまうのか。

 

 ローマ人はそれへ、

 どんな答えを出すのか。

 

 塩野さんがあらためて世に問う

 “ローマ人との対話“は、

 歴史好きな活字マニアさんにおすすめですよ。

 ぜひ、手に取ってみてくださいね~♪

 

 


~ 《感情》が、地球を動かす? ~

2023-09-18 22:06:19 | ブックス

「こんにちわッ、テディちゃでス!

 ふわわァ~! たのしかッたでスゥ!」

「がるる!ぐるるっるぅ~!」(←訳:虎です!面白かったぁ~!)

 

 こんにちは、ネーさです。

 ドラマ『VIVANT』最終回、堪能いたしました♫

 俳優さん&スタッフさんたちに感謝の拍手を送り、

 早くも続編に期待しまくりながら、

 さあ、読書タイムですよ。

 本日は、こちらのノンフィクション作品を、どうぞ~♪

  

 

 

             ―― エモい世界史 ――

 

 

 著者はリチャード・ファ―ス=ゴッドビヒアさん、

 原著は2021年に、日本語版は2023年7月に発行されました。

 英語原題は『A Human History of Emotion』、

 『《感情》はいかに歴史を動かしたか』と日本語副題が付されています。

 

「ふァいッ! れきしはァ~うごくゥのでス!」

「ぐるるがるるぐっる!」(←訳:怒りや不安によって!)

 

 世界を動かすのは《理知》である……なんていうのは、

 ええ、希望的幻想ですね。

 

 ひとつの地域や国家の進路を、

 正面へ左右へ、あるいは後ろへと変更させる原動力は、

 《感情》である――

 と、著者・ファ―ス=ゴッドビヒアさんは分析してゆきます。

 

 わかりやすい例をひとつ挙げるなら、

 《嫌悪》と、魔女狩り。

 

 魔女狩りを推し進めてしまったのは、

 《嫌悪》という強い《感情》でした。

 

「うゥ、たしかにィ!」

「がるるぐるる!」(←訳:感情の暴走だ!)

 

 プラトンさんたちが活躍した古代ギリシアでは、

 理知の学問=哲学が生まれた時代でもありましたが、

 悲劇も数多く生まれています。

 

 また、十字軍の遠征は、

 神の愛を高く掲げながらの、

 戦争、戦争、出口なき戦争。

 

 かくのごとく、

 歴史という雪玉を、

 えいやッと突き飛ばし、

 想定外の方向へ転がしてしまう事象には、

 《感情》が深く係わっている。

 

 日本が江戸時代に別れを告げ、

 革命を起こして開国したのも、

 そう、《恥》という《感情》が働いたからなのだ!

 ……とファ―ス=ゴッドビヒアさんは説きます。

 

「ええッ? そうなのォ?」

「ぐるるがるるる??」(←訳:初めて聞いたよ??)

 

 日本と《恥》について記されているのは、

 第9章『桜の国の恥ずかしさ』。

 

 ちょっと全体に吉田松陰さんへの礼賛が強過ぎて

 アンバランスになっている気もしますけれど、

 こういう捉え方もあるのか、と

 考えさせられました。

 

 そして、もっと考えさせられたのは、

 第15章の『人間は電気羊の夢を見るか?』です。

 

「きかいィにィ、かんじょうゥはァありまスかッ?」

「がるるぅーるーるぐるがるるる?」(←訳:コンピューターは魂を持つのか?)

 

 電子計算機は、ロボットは、AIは、

 《感情》を持つにいたるのだろうか。

 

 遠い未来、いや、近い未来、

 《感情》の、

 さらにその先の域へと進んでゆくのだろうか。

 

「むむゥ、そうだいなァ~ぎもんでス!」

「ぐるるるがる!」(←訳:ほとんどSF!)

 

 《感情》に、何ができるのか。

 いったいどれほどのことが。

 

 ごく当たり前のようでいて、巨大な命題に挑む意欲作は、

 ノンフィクション好きな方々に、

 歴史好きな活字マニアさんにもおすすめですよ。

 ぜひ、一読してみてくださいね~♪

 

 


~ 貼り続けよう!こいぬくん ~

2023-09-17 22:07:00 | ブックス

「こんにちわッ、テディちゃでス!

 しんぞうゥ、どきどきィなのでスよゥ……!」

「がるる!ぐるるるがるる??」(←訳:虎です!どうなるラスト??)

 

 こんにちは、ネーさです。

 今夜最終回を迎えるドラマ『VIVANT』はどんな結末に到るのか?

 ハラハラやドキドキに苛まれながら、

 さあ、読書タイムも頑張っちゃいますよ。

 本日は、こちらのコミック作品を、どうぞ~♪

  

 

 

         ―― 貼りまわれ!こいぬ 4 ――

 

 

 著者は うかうか さん、2023年9月に発行されました。

 『STICK IT ON AROUND! KOINU』と英語題名が付されています。

 

 毎週金曜日の午前11時頃、

 新しいエピソードがWebで公開される

 『貼りまわれ!こいぬ』も第4巻になりました。

 

「そもそものォ、はじまりィはァ~…」

「ぐるる!がるる~」(←訳:ピンチ!でした~)

 

 こいぬくんの勤務先は、リサイクルショップ『GOOD DOG』。

 毎日早起きして、とっても真面目に働いて、

 なのに『GOOD DOG』はあえなく倒産してしまい、

 こいぬくんは失職……

 

 がっかりとしょんぼりをくぐり抜け、

 ようやく探し当てた再就職先は、

 《シール貼り》のお仕事の会社。

 

「あやしィ?」

「がるぐる?」(←訳:詐欺かも?)

 

 《シール貼り》がお仕事って、どういうこと?

 意味不明すぎじゃない?

 と読み手の私たちも首を傾げましたが、

 こいぬくんと《シール貼り》は相性が良いんでしょうね、

 意外にも長続きしているんです。

 

 今日もまた壁に、塀に、

 帽子に、バッグに、

 こいぬくんが貼りまわるシールは

 ひとつ、ふたつ、と増えてゆく……。

 

 と思っていたら、そこに異変が!

 

「はッ、はははッ?」

「ぐるるるるっ??」(←訳:剥がされたっ??)

 

 こいぬくんの先輩、犬々(けんけん)さんが塀に貼った、

 さまざまな犬のシールが剥がされ、

 無残にも地面に散らばっていたのでした。

 こいぬくんが貼ったシールも、

 やはり同様の目に……!

 

 不審な出来事の真相を突き止めるべく、

 探偵犬の犬解木ほむ二郎(いぬほどき・ほむじろう)さんが

 登場、したんです、けれど……?

 

「ぽんこつゥ?」

「がるるる!」(←訳:ポンコツ!)

 

 名探偵犬ほむ二郎さんの推理は、

 的を外しまくっていて、犬々先輩を困らせます。

 が、その時――

 

 こいぬくんが動いた!

 

「うふふゥ!」

「ぐるがるるるる!」(←訳:行けこいぬくん!)

 

 はたして、シール剥がし事件の真実とは?

 

 ミステリあり、ファンタジーあり、

 パンクもシュールもSFもバトルも、

 グルメも青春ものもあって、

 ますます末頼もしいこいぬくんは

 今この瞬間もどこかの街角に出没……

 いや、TVへの出没が決まりました!

  

「ひゃほうゥ!」

「がるるるる!」(←訳:祝アニメ化!)

 

 アニメ『貼りまわれ!こいぬ』は

 2024年1月より放送開始の予定です。

 それまでは、書籍コミック版のこいぬくん作品で

 楽しい時間をお過ごしくださいね~♪

 

 


~ 秋の近代ミュゼは、棟方志功さん! ~

2023-09-16 22:07:52 | ブックス

「こんにちわッ、テディちゃでス!

 おおおゥ! いちめんッこうこくゥ~!」

「がるる!ぐっるるがる!」(←訳:虎です!すっごい迫力!)

 

 こんにちは、ネーさです。

 今日9月16日の朝刊には、

 京極夏彦さんの新作『鵼の碑』の広告がドーン!と。

 これは!読みたい!今すぐ本屋さんへ飛んでゆきたい!と嘆息しつつ、

 さあ、本日は読書……をサボって、こちらの展覧会情報を、どうぞ~♪

  

 

 

      ―― メイキング・オブ・ムナカタ 棟方志功 展 ――

 

 

 東京・千代田区の東京国立近代美術館にて、

 会期は2023年10月6日~12月3日

 (月曜休館、ただし10/9は開館して10/10は休館)、

 『THE MAKING OF MUNAKATA SHIKO』

 と英語題名が付されています。

 

「むなかたァさんッ!」

「ぐるるるるがる!」(←訳:版画家さんだね!)

  

 今秋、国立近代美術館で開催されるのは、

 棟方志功(むなかた・しこう)さん(1903~1975)の、大回顧展です。

  

 今年は記念すべき棟方さんの生誕120年にも当たるので、

 板画(はんが=自作木版画の呼称)、

 倭画(やまとが=自作肉筆画の呼称)、

 油画(あぶらが)はもちろんのこと、

 書籍の装丁、

 挿絵、

 包装紙などの商業デザインなど、

 棟方さんが手掛けた多彩多様なお仕事が、

 一堂に会しますよ。

  

「こちらがァ~むなかたさんッ!」

「がるるるぐるがるる!」(←訳:にこにこ笑顔だねえ!)

 

 わだはゴッホになる。

 そう宣言しながらも、

 唯一無二の“自分の道”を見出し、

 一心に走り抜いた棟方さん。

 

 広い国立近代美術館展示室のスペースを使って、

 滅多に公開されることのない大型作品も

 出展されるそうですから、

 版画マニアさんは、せひ、お出掛けしてみてくださいね。

 

 なお、会期中展示替えが予定されています。

 詳しい展示スケジュールは、

 美術館HPをご覧になってくださいな♪

 

 

 

   では、ここでオマケ画像も……じゃじゃん!

   

   「むッ? しかくいィ??」

   「ぐるるがる?」(←訳:何の箱だろ?)

   

   はい、こちらは『カステラ本家 福砂屋』さんの

   《Fukusaya Cube Castella》です。

   キューブ型のボックスを開けてみますと――

   

   小さなカステラが出てきました♫

   「うッ!うみゃいィ!」

   「がるるるぅぅ!」(←訳:美味しいぃぃ!)

   小さなキューブカステラくんは、

   きちんと密封包装されていたためでしょうか、

   しっとりした食感がすばらしく、

   ちょうど良い加減の甘さです。

   これはリピしたくなっちゃいましたよ。

   『カステラ本家 福砂屋』さん……このお名前、憶えておかねば!

 

   9月の連休、といっても、

   気温は高くなりそうです。

   皆さま、熱中症にくれぐれも気を付けて、

   どうか穏やかな休日を♪

 

 

 


~ カメラと、言葉と。 ~

2023-09-15 22:08:17 | ブックス

「こんにちわッ、テディちゃでス!

 けッせんッ、せきがはらァ~!」

「がるる!ぐるるるがるるーる!」(←訳:虎です!がんばれ西軍!)

 

 こんにちは、ネーさです。

 今日9月15日は、関ヶ原の戦いが行われた日……

 直江兼続さんと島左近さんのファンである私たちが応援するのは、

 もちろん西軍ですよ。

 #関ヶ原2023にエールを送りながら、

 さあ、本日の読書タイムは、こちらの御本を、どうぞ~♪

  

 

 

   ―― 息子が生まれた日から、雨の日が好きになった。 ――

 

 

 著者は幡野広志(はたの・ひろし)さん、2023年8月に発行されました。

 写真家・幡野さんによるエッセイ集、ではありますが、

 文章と一緒に収録されている写真につい気を取られて、

 風景や、うなぎや、

 おじいちゃんの笑顔に、

 長いこと見入ってしまうんですよねえ。

 

「とくにィ、おじいィちゃんッ!」

「ぐるるがるぐる!」(←訳:最高の笑顔だね!)

 

 おじいちゃんへの想いに満ちた

 『笑顔のおじいちゃん』(本文170ページ)

 に添えられているのは、

 題名の通り、

 お孫ちゃんを抱きかかえるおじいちゃんの、笑顔の写真。

 

 直射日光ではなく、室内の、

 やわらかな光に包まれたこの写真を《軸》とするかのように、

 幡野さん、積極的に

 外へ、外へ、と向かってゆきます。

 

 北海道へ。

 熱海へ。

 気仙沼へ。

 

 コロナ禍の只中、

 遠くへ出かけることが出来なかった頃は、

 マンガの世界へ。

 

「ごくうさんとォ~ごはんくんッ!」

「がっるるるるぐる!」(←訳:ピッコロさんもね!)

 

 急に『ドラゴンボール』が読みたくなった、

 という一文から始める

 『悟飯とピッコロ』(本文54ページ)は、

 名作『ドラゴンボール』論かと見せながら、

 ぽろぽろと涙してしまう

 《父子》の日常が描かれていて、

 ああ、読んでいる私たちも貰い泣き……。

 

 そしてまた、

 貰い泣きどころか大泣きしてしまいそうな一編は、

 『児童憲章』(本文82ページ)

 でしょうか。

 

「こどもたちのォためのォ、けんしょうゥでスゥ!」

「ぐるるがるるぐるるるがるる!」(←訳:大人のための憲章でもあるよ!)

 

 幡野さんが、子どもの日になると読む、というそれは――

 

 1951年(昭和26年)5月5日、

 《児童憲章(じどうけんしょう)》は制定されました。

 すべての児童の幸福を図るために作られた憲章では、

 児童が人として、

 また社会の一員として尊重されること、

 家庭・社会・教育環境の保障などを定めています。

 ただ、この憲章に法的な拘束力はありません。

 

 幡野さんの眼は、

 “綺麗事に見えるかもしれない”憲章の、

 一歩奥へと踏み込んでゆきます。

 子どもが受けるべきもの、

 受けて然るべきものとは、

 何であろうか。

 

 大人が、

 かつて子どもであったすべての人が、

 心に留めねばならないこと、とは。

 

「すべてのォおとなにィ~」

「がるるぐるる!」(←訳:読んでほしい!)

 

 家族、病気、写真、旅、

 買い物や、美味しいもの。

 息子さんが生まれた日の、

 ブレーキランプに照らされたフロントガラスの赤い雨粒。

 

 “エッセイでも写真集でもない、あたらしい本のかたち”

 を目指す一冊は、

 全活字マニアさんにおすすめですよ。

 ぜひ、本屋さんで探してみてくださいね~♪

 

 


~ ミュージアムは、憩いの場所 ~

2023-09-14 22:06:24 | ブックス

「こんにちわッ、テディちゃでス!

 どとうのォ~ふくせんッかいしゅうゥ!」

「がるる!ぐるがるるる~!」(←訳:虎です!心配だよう~!)

 

 こんにちは、ネーさです。

 『VIVANT』『ハヤブサ消防団』など、

 今シーズンのTVドラマもいよいよ最終回が迫ってきましたね。

 特に『VIVANT』はどんなラストが待っているのか……?

 日曜日の放送を待ちながら、

 さあ、本日の読書タイムは、こちらの雑誌を、どうぞ~♪

  

 

 

          ―― mr partner 2023年8月号 ――

 

 

 隔月刊誌『mr partner』の2023年8月号は、

 前回記事でご紹介しました10月号の前号、つまり“先月号“です。

 現在、書店さんの店頭にはありませんが、

 買いそびれてしまった私ネーさ、

 在庫があるというので、お取り寄せしてみました。

 

「とくしゅうゥはァ、はくぶつかんッ!」

「ぐるがるるぐるる!」(←訳:英国らしさ満点の!)

 

 はい、そうです。

 この号の主役は、

 

 『英国で愛される小さな博物館 15 』。

 

 『Live The Small Museums』と英語題名が付された特集では、

 ごく小さな、

 しかし、

 文化・美術の観点からはとても重要な意味を持つ

 ミュージアム15施設が紹介されています。

 

「おおきなァ~はくぶつかんにもォ~」

「がるるるるる!」(←訳:負けてません!)

 

 『William Morris Gallery(ウィリアム・モリス・ギャラリー)』は、

 日本でもファンが多い美術家ウィリアム・モリスさんが手掛けた書籍作品、

 モリス工房で制作した家具などの作品、

 手芸作品などが展示されています。

 

 ここでは、モリスさんの後継者とされる

 ジョン・ヘンリー・ダールさんについても言及されていて、

 現代へとつながるモリスさんのデザイン力を

 実感できますよ。

 

「ここにもォ、ゆうめいじんッ、いまスゥ!」

「ぐるるるる!」(←訳:画家さんだ!)

 

 ジョセフ・マロード・ウィリアム・ターナーさん(1775~1851)は、

 言うまでもなく英国を代表する画家さんであり、

 作品はロンドンのナショナル・ギャラリーや

 テート美術館に多数収蔵されています。

 

 2017年に公開された

 トゥイッケナムの『Turner's House』は、

 かつてターナーさんが暮らした家を修復したものです、が……

 大画家っぽくない、というか、

 普通っぽくてカワイイというか……?

 

「まだまだァ、いまスよゥ!」

「がるぐるるがる!」(←訳:英国文化人さん!)

 

 ヴァージニア・ウルフさん、

 トマス・カーライルさん、

 ブロンテ家の三姉妹さん、

 一時期ロンドンに居を構えたゴッホさん……

 そして、

 フローレンス・ナイチンゲールさんのミュージアムも。

 

 私ネーさ、ナイチンゲールさんの名を聞く度に

 ふと思ってしまうんですけど、

 ナイチンゲールさんがポケットの中で飼っていたフクロウくんって、

 どうなったんでしょうね。

 元気に寿命を全うしたのかしら……?

 

「そうだとォいいなッ!」

「ぐるがるるぐるるるるる!」(←訳:今度伝記を読んでみよう!)

 

 あらら、話が逸れてしまいましたが、

 ウィンブルドンの『テニス クラブ ミュージアム』、

 『ロンドン漱石記念館』などの

 日本人観光客さんにはよく知られたミュージアムも載っていますよ。

 なので、

 英国の文化&歴史だけでなくスポーツ好きな方々、

 博物館好きな方々も必見の一冊です。

 ぜひ、探してみてくださいね~♪

 

 

 


~ 憧れの BOOKSHOP 巡り ~

2023-09-13 22:07:32 | ブックス

「こんにちわッ、テディちゃでッス!

 あきはァ~どこでスかァ~?」

「がるる!ぐるがるる~?」(←訳:虎です!紅葉前線は~?)

 

 こんにちは、ネーさです。

 厳しすぎる残暑に紅葉は遅れているようですが、

 《秋旅》意欲は高まるばかり……。

 そこで本日の読書タイムは、

 旅好き&本好きな方々のための、こちらの雑誌を、どうぞ~♪

  

 

 

          ―― mr partner 2023年10月号 ――

 

 

 現在発売中の隔月刊誌『ミスター・パートナー』10月号は、

 『ロンドン・ウェールズ 魅惑の書店巡り』を特集しています。

 

 『Books give us peace of mind』と英語題名が付された

 この特集に登場するのは、

 “青空本屋市”のようなブック・マーケットから

 “世界で最も美しい本屋”と呼ばれる

 『Daunt Books(ドーント・ブックス)』本店、

 チェーン店『Waterstones(ウォーターストーンズ) 』、

 歴史ある『Foyles(フォイルズ)』や『Hatchards(ハチャーズ)』

 などの正統派本屋さん、

 専門書を扱う小型書店さんも――

 

「あッ、ここォ!」

「ぐるるがるる!」(←訳:映画で見たね!)

 

 映画『ノッティングヒルの恋人』のモデルになった

 『The Notting Hill Bookshop』は、

 映画マニアさんにとっては聖地でしょうか。

 

 一方、ロンドン中心部に近く、

 古書街として知られるセシル・コートは、

 あらぁ、神田神保町の古書店街と違って、

 オシャレな外観のお店が並んでますね。

 

「むむゥ! ちょッぴりィ、くやしィ~!」

「がるぐるる!」(←訳:でもステキ!)

 

 雰囲気が神保町に似ているのは、

 “町まるごと本屋さん!”で有名な、

 ウェールズのヘイ・オン・ワイ。

 

 あっちに本屋さん、そっちにも、ここにも……と、

 本屋さんだらけの町って、

 私たち活字マニアには“理想郷“じゃありませんか♪

 

「ほんやさんをォ、ささえるゥのはァ~」

「ぐるる!」(←訳:全国民!)

 

 特集ページを補佐するドキュメント

 『本が社会を変えてゆく』には、

 英国では本の売上げが伸びている、とあります。

 

 コロナ禍によって書籍が売れた、

 新刊書籍だけでなく古書(セカンドハンドブック)も売れた、

 もともと古い物が好きな英国の人々は

 古書を購入することに抵抗がないのだと。

 

 そうかぁ、英国では、

 本の未来は明るい、

 と捉えられているのかもしれませんね。

 

 紙の本が、誰かに大切にされてきた本が、

 これからさらにもっと、

 大勢の人に必要とされていってもいいじゃないかと。

 

「せかいじゅうにィ、ほんやさんッ!」

「がるるるぐるる!」(←訳:増えると良いね!)

 

 この『mr partner 10月号』には、

 他にも書物関連の記事が掲載されていますので、

 活字マニアさんにおすすめですよ。

 秋の観光シーズンには英国旅行する予定です!という方々も、

 ぜひ、一読してみてくださいね~♪

 

 


~ 冷徹としんみりの、伝奇闘争 ~

2023-09-12 22:09:17 | ブックス

「こんにちわッ、テディちゃでス!

 ほほゥ! きょうもォ、さいしんさくゥ!」

「がるる!ぐるるがる~!」(←訳:虎です!第5巻だよ~!)

 

 こんにちは、ネーさです。

 前回記事の『ミステリと言う勿れ 13』に続いて、

 本日の読書タイムは、

 人気コミック作品の新巻をご紹介いたしますよ。

 さあ、こちらを、どうぞ~♪

  

 

 

           ―― 黄泉のツガイ 5 ――

 

 

 著者は荒川弘(あらかわ・ひろむ)さん、

 2023年9月に発行されました。

 発売されたばかりのこの巻でも、

 主人公のユルくん、

 またしても散々に理不尽な目に遭っちゃっているようで。

 

「ねらわれてェまスねェ~」

「ぐるがるるる!」(←訳:双子だからね!)

 

 《解》と《封》のチカラを持つ、

 双子の片割れ、ユルくん。

 

 このふたつの強大なチカラを自在に揮えば、

 世界征服だって夢じゃない?

 という訳で、

 悪いヤツらからしつこく狙われております。

 

 今回も……あー、やっぱり来ましたね、

 太刀と脇差の形をした

 物騒極まるツガイが、

 ユルくんを――

 いや、ユルくんがついこの間まで住んでいた村を、

 殲滅しようとしている?

 

「にににッ、にげましょゥ!」

「がるるる~!」(←訳:強過ぎる~!)

 

 前半は村での激闘、

 中盤はちょっとホッコリできるパートがあって、

 後半はまたも闘い――

 そんな流れで構成されている『第5巻』では、

 ええ、ホッコリなパートに

 胸を射抜かれますよ。

 

 主(あるじ)と、

 主に使役される霊的存在――ツガイの関係は、

 過酷なようでいて、

 やさしさ、あたたかさも、確かに有る。

 

 ユルくんたちも認めざるを得ない、

 新たに登場したホッコリ系の主さんツガイさんとは……?

 もしかして彼らは、

 この後も物語に深く係わってくる、のか……?

 

「だいィかんげいィ~!」

「ぐるるる!」(←訳:楽しそう!)

 

 それにしても、

 終盤の危機また危機な展開には、

 うわあ、と息を呑みました。

 ユルくん、これは……!

 

「ぴィ~んちィ!」

「がるるる~!」(←訳:逃げよう~!)

 

 ユルくん、大ピンチです。危険です。

 生命の危機に直結する窮地から、

 彼は無事に脱出できるのか、

 それとも……?

 

 ネタバレになってしまうので、

 詳しくお喋りすることが出来ないのは

 なんとも悲しゅうございますが、

 いやぁ、今回も夢中になって読み耽りましたよ。

 

 ダークで伝奇なファンタジーが好きな方々に

 激おすすめのコミックスは、↓こ~んな帯が付いていますので、

  

 本屋さんの新刊コーナーで、

 ぜひ、探してみてくださいね~♪

 

 

 


~ 冬に、雪に、語って語る。 ~

2023-09-11 22:07:23 | ブックス

「こんにちわッ、テディちゃでス!

 やッたねッ、じゃぱァ~んッ!」

「がるる!ぐるがる~!」(←訳:虎です!出足快調~!)

 

 こんにちは、ネーさです。

 サッカーでは強国ドイツを、

 ラグビーでは大事な開幕戦でチリを撃破して、

 嬉しくも応援に声をからしてクタクタになった日曜日でしたね。

 一夜明けた本日の読書タイムは、

 さあ、こちらのコミック作品で脳細胞を活性化させましょう~♪

  

 

 

         ―― ミステリと言う勿れ 13 ――

 

 

 著者は田村由美(たむら・ゆみ)さん、

 2023年9月に発行されました。

 『Don't Call it Mystery』と英語題名が付されています。

 《ミステリと言う勿れ》最新刊となるこの第13巻は、

 前巻からバトンを受けての“解決編”となっていますよ。

 

「ととのうゥくゥ~んッ!」

「ぐるるがるる~?」(←訳:寒そうだけど~?)

 

 久能整(くのう・ととのう)くんが、

 厚手のコートをしっかり着込み、

 頑丈そうなブーツで足元を固めているのは、

 現在地が冬の富山県であるため。

 

 知り合いの刑事・風呂光さんから相談を受け、

 たまたま岐阜のスキー場にいた整くん、

 風呂光さんのお祖母さんが住む富山へと

 慌ててやって来たのでした。

 

「じけんッ? じこッ?」

「がるぐるがる!」(←訳:まだ不明です!)

 

 “それ“が起きたのは、

 世界でいちばん美しいスターバックスがある!と評判の、

 富山市の富岩運河環水公園(ふがんうんがかんすいこうえん)。

 

 公園のシンボルとも言える

 天門橋(てんもんきょう)で、

 イベントの最中に落下事故が発生した、

 というのですが、

 風呂光さんのお祖母さんは。

 

「なッとくゥ~してないィでス!」

「ぐるるがる!」(←訳:何かがヘン!)

 

 整くん、

 第12巻で表面化した謎の数々を、

 猛スピードで取り込み、消化してゆきます。

 事故だったのか、事件だったのか。

 事件だったのだとしたら、

 その理由は、犯人は……?

 

 ネタバレを避けるためにも、

 これ以上のお喋りは控えねばなりませんが、

 この第13巻でのキーパーソンは、

 風呂光さん、でしょうか。

 

「ふろみつゥさんのォ、こうどうりょくゥ!」

「がるるぐる!」(←訳:瞳にも光が!)

 

 読み終えたばかりなのに、

 もう次巻が待ち遠しい《ミステリと言う勿れ》、

 皆さまも御存知のように、

 先週末にはドラマの特別編が放送され、

 今週末の15日には

 映画版が公開されます。

  

「ととのうゥくんッ、ひろしまへッ!」

「ぐるがるるる!」(←訳:また大事件が!)

 

 映画マニアさん、ドラマ好きさんも、

 先ずは、原作のコミックから入門してみてくださいね。

 ミステリ好きな活字マニアさんにも

 おすすめですので、ぜひ~♪