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テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

~ 《感情》が、地球を動かす? ~

2023-09-18 22:06:19 | ブックス

「こんにちわッ、テディちゃでス!

 ふわわァ~! たのしかッたでスゥ!」

「がるる!ぐるるっるぅ~!」(←訳:虎です!面白かったぁ~!)

 

 こんにちは、ネーさです。

 ドラマ『VIVANT』最終回、堪能いたしました♫

 俳優さん&スタッフさんたちに感謝の拍手を送り、

 早くも続編に期待しまくりながら、

 さあ、読書タイムですよ。

 本日は、こちらのノンフィクション作品を、どうぞ~♪

  

 

 

             ―― エモい世界史 ――

 

 

 著者はリチャード・ファ―ス=ゴッドビヒアさん、

 原著は2021年に、日本語版は2023年7月に発行されました。

 英語原題は『A Human History of Emotion』、

 『《感情》はいかに歴史を動かしたか』と日本語副題が付されています。

 

「ふァいッ! れきしはァ~うごくゥのでス!」

「ぐるるがるるぐっる!」(←訳:怒りや不安によって!)

 

 世界を動かすのは《理知》である……なんていうのは、

 ええ、希望的幻想ですね。

 

 ひとつの地域や国家の進路を、

 正面へ左右へ、あるいは後ろへと変更させる原動力は、

 《感情》である――

 と、著者・ファ―ス=ゴッドビヒアさんは分析してゆきます。

 

 わかりやすい例をひとつ挙げるなら、

 《嫌悪》と、魔女狩り。

 

 魔女狩りを推し進めてしまったのは、

 《嫌悪》という強い《感情》でした。

 

「うゥ、たしかにィ!」

「がるるぐるる!」(←訳:感情の暴走だ!)

 

 プラトンさんたちが活躍した古代ギリシアでは、

 理知の学問=哲学が生まれた時代でもありましたが、

 悲劇も数多く生まれています。

 

 また、十字軍の遠征は、

 神の愛を高く掲げながらの、

 戦争、戦争、出口なき戦争。

 

 かくのごとく、

 歴史という雪玉を、

 えいやッと突き飛ばし、

 想定外の方向へ転がしてしまう事象には、

 《感情》が深く係わっている。

 

 日本が江戸時代に別れを告げ、

 革命を起こして開国したのも、

 そう、《恥》という《感情》が働いたからなのだ!

 ……とファ―ス=ゴッドビヒアさんは説きます。

 

「ええッ? そうなのォ?」

「ぐるるがるるる??」(←訳:初めて聞いたよ??)

 

 日本と《恥》について記されているのは、

 第9章『桜の国の恥ずかしさ』。

 

 ちょっと全体に吉田松陰さんへの礼賛が強過ぎて

 アンバランスになっている気もしますけれど、

 こういう捉え方もあるのか、と

 考えさせられました。

 

 そして、もっと考えさせられたのは、

 第15章の『人間は電気羊の夢を見るか?』です。

 

「きかいィにィ、かんじょうゥはァありまスかッ?」

「がるるぅーるーるぐるがるるる?」(←訳:コンピューターは魂を持つのか?)

 

 電子計算機は、ロボットは、AIは、

 《感情》を持つにいたるのだろうか。

 

 遠い未来、いや、近い未来、

 《感情》の、

 さらにその先の域へと進んでゆくのだろうか。

 

「むむゥ、そうだいなァ~ぎもんでス!」

「ぐるるるがる!」(←訳:ほとんどSF!)

 

 《感情》に、何ができるのか。

 いったいどれほどのことが。

 

 ごく当たり前のようでいて、巨大な命題に挑む意欲作は、

 ノンフィクション好きな方々に、

 歴史好きな活字マニアさんにもおすすめですよ。

 ぜひ、一読してみてくださいね~♪