「こんにちわッ、テディちゃでス!
むむむッ? これはァ~めずらしィ?」
「がるる!ぐるるるがるぐるぅ?」(←訳:虎です!ヘンテコ物件かなぁ?)
こんにちは、ネーさです。
今日9月7日は泉鏡花さんの命日である《鏡花忌》……
稀代の文豪さんの功績を偲びながらの
本日の読書タイムは、
こちらの御本を、さあ、どうぞ~♪
―― フランケンシュタインの工場 ――
著者はエドワード・ホックさん、
原著は1975年に、日本語版は2023年5月に発行されました。
英語原題は『The Frankenstein Factory』、
ええ、もう、言ってしまいましょう、
これはアレです、
メアリ―・シェリーさん著『フランケンシュタイン、あるいは現代のプロメテウス』
を参考にしてのSFで、ホラーで、
たぶんミステリで、
米国での評価は“駄作“……!
「あわわわッ!」
「ぐっるぅっる!」(←訳:言っちゃった!)
しかし、識者さんたちから
“駄作“と評されはしても、
トンデモでハチャメチャな語りっぷりは
なかなか楽しゅうございます。
なぜって、著者・ホックさんが目指したのは、
『フランケンシュタイン』のテーマに
『そして誰もいなくなった』をプラスすること。
「それッてェ、つまりィ~?」
「がるぐる!」(←訳:孤島だね!)
メキシコのバハ・カリフォルニア沖に浮かぶ
ホースシューアイランド。
そこには国際低温工学研究所という施設があり、
低温下に於いて生物を保存する研究、
すなわち冷凍保存の研究が進められていました。
それだけなら、そう珍しくない、のかもしれませんが、
研究所に集う科学者たちの目的は。
長期間冷凍保存していた複数の体から、
脳や臓器を取り出し、
殻(シェル)となる体へ移植し、
生命を、人間を蘇らせよう、
というプロジェクトを実行すること。
「やめたほうがァ~いいでスよゥ!」
「ぐるるるる~」(←訳:止めようよ~)
優秀な外科、脳外科の医師たちは、
内心の声が聞こえないふりをして手術を決行、
結果は……成功、でした。
心拍と脈拍、あり。
術後のケアを担当する医師は、
“生きている“と判断しましたけれども、
そう、もちろん、
そこでハッピーエンドになるはずがありません。
「つぎからァつぎにィ、とらぶるゥ!」
「がるぐる!」(←訳:島は孤立!)
いつの時代も科学者たちが夢見る、
生命の創造。
そこへ、神ならぬ身の人間が、手を出そうとすれば……?
著者・ホックさんは、
20世紀米国文壇の《短編ミステリの名手》と評され、
日本にも多くのファンを持つ作家さんです。
そんなホックさんが描くダークで奇妙な怪作を、
ミステリ好きな活字マニアさんは、ぜひ~♪