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テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

~ 怪奇でダークな?孤島の闘い ~

2023-09-07 22:08:41 | ブックス

「こんにちわッ、テディちゃでス!

 むむむッ? これはァ~めずらしィ?」

「がるる!ぐるるるがるぐるぅ?」(←訳:虎です!ヘンテコ物件かなぁ?)

 

 こんにちは、ネーさです。

 今日9月7日は泉鏡花さんの命日である《鏡花忌》……

 稀代の文豪さんの功績を偲びながらの

 本日の読書タイムは、

 こちらの御本を、さあ、どうぞ~♪

  

 

 

          ―― フランケンシュタインの工場 ――

 

 

 著者はエドワード・ホックさん、

 原著は1975年に、日本語版は2023年5月に発行されました。

 英語原題は『The Frankenstein Factory』、

 ええ、もう、言ってしまいましょう、

 これはアレです、

 メアリ―・シェリーさん著『フランケンシュタイン、あるいは現代のプロメテウス』

 を参考にしてのSFで、ホラーで、

 たぶんミステリで、

 米国での評価は“駄作“……!

 

「あわわわッ!」

「ぐっるぅっる!」(←訳:言っちゃった!)

 

 しかし、識者さんたちから

 “駄作“と評されはしても、

 トンデモでハチャメチャな語りっぷりは

 なかなか楽しゅうございます。

 

 なぜって、著者・ホックさんが目指したのは、

 『フランケンシュタイン』のテーマに

 『そして誰もいなくなった』をプラスすること。

 

「それッてェ、つまりィ~?」

「がるぐる!」(←訳:孤島だね!)

 

 メキシコのバハ・カリフォルニア沖に浮かぶ

 ホースシューアイランド。

 

 そこには国際低温工学研究所という施設があり、

 低温下に於いて生物を保存する研究、

 すなわち冷凍保存の研究が進められていました。

 

 それだけなら、そう珍しくない、のかもしれませんが、

 研究所に集う科学者たちの目的は。

 

 長期間冷凍保存していた複数の体から、

 脳や臓器を取り出し、

 殻(シェル)となる体へ移植し、

 生命を、人間を蘇らせよう、

 というプロジェクトを実行すること。

 

「やめたほうがァ~いいでスよゥ!」

「ぐるるるる~」(←訳:止めようよ~)

 

 優秀な外科、脳外科の医師たちは、

 内心の声が聞こえないふりをして手術を決行、

 結果は……成功、でした。

 

 心拍と脈拍、あり。

 

 術後のケアを担当する医師は、

 “生きている“と判断しましたけれども、

 そう、もちろん、

 そこでハッピーエンドになるはずがありません。

 

「つぎからァつぎにィ、とらぶるゥ!」

「がるぐる!」(←訳:島は孤立!)

 

 いつの時代も科学者たちが夢見る、

 生命の創造。

 そこへ、神ならぬ身の人間が、手を出そうとすれば……?

 

 著者・ホックさんは、

 20世紀米国文壇の《短編ミステリの名手》と評され、

 日本にも多くのファンを持つ作家さんです。

 そんなホックさんが描くダークで奇妙な怪作を、

 ミステリ好きな活字マニアさんは、ぜひ~♪