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テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

~ カメラと、言葉と。 ~

2023-09-15 22:08:17 | ブックス

「こんにちわッ、テディちゃでス!

 けッせんッ、せきがはらァ~!」

「がるる!ぐるるるがるるーる!」(←訳:虎です!がんばれ西軍!)

 

 こんにちは、ネーさです。

 今日9月15日は、関ヶ原の戦いが行われた日……

 直江兼続さんと島左近さんのファンである私たちが応援するのは、

 もちろん西軍ですよ。

 #関ヶ原2023にエールを送りながら、

 さあ、本日の読書タイムは、こちらの御本を、どうぞ~♪

  

 

 

   ―― 息子が生まれた日から、雨の日が好きになった。 ――

 

 

 著者は幡野広志(はたの・ひろし)さん、2023年8月に発行されました。

 写真家・幡野さんによるエッセイ集、ではありますが、

 文章と一緒に収録されている写真につい気を取られて、

 風景や、うなぎや、

 おじいちゃんの笑顔に、

 長いこと見入ってしまうんですよねえ。

 

「とくにィ、おじいィちゃんッ!」

「ぐるるがるぐる!」(←訳:最高の笑顔だね!)

 

 おじいちゃんへの想いに満ちた

 『笑顔のおじいちゃん』(本文170ページ)

 に添えられているのは、

 題名の通り、

 お孫ちゃんを抱きかかえるおじいちゃんの、笑顔の写真。

 

 直射日光ではなく、室内の、

 やわらかな光に包まれたこの写真を《軸》とするかのように、

 幡野さん、積極的に

 外へ、外へ、と向かってゆきます。

 

 北海道へ。

 熱海へ。

 気仙沼へ。

 

 コロナ禍の只中、

 遠くへ出かけることが出来なかった頃は、

 マンガの世界へ。

 

「ごくうさんとォ~ごはんくんッ!」

「がっるるるるぐる!」(←訳:ピッコロさんもね!)

 

 急に『ドラゴンボール』が読みたくなった、

 という一文から始める

 『悟飯とピッコロ』(本文54ページ)は、

 名作『ドラゴンボール』論かと見せながら、

 ぽろぽろと涙してしまう

 《父子》の日常が描かれていて、

 ああ、読んでいる私たちも貰い泣き……。

 

 そしてまた、

 貰い泣きどころか大泣きしてしまいそうな一編は、

 『児童憲章』(本文82ページ)

 でしょうか。

 

「こどもたちのォためのォ、けんしょうゥでスゥ!」

「ぐるるがるるぐるるるがるる!」(←訳:大人のための憲章でもあるよ!)

 

 幡野さんが、子どもの日になると読む、というそれは――

 

 1951年(昭和26年)5月5日、

 《児童憲章(じどうけんしょう)》は制定されました。

 すべての児童の幸福を図るために作られた憲章では、

 児童が人として、

 また社会の一員として尊重されること、

 家庭・社会・教育環境の保障などを定めています。

 ただ、この憲章に法的な拘束力はありません。

 

 幡野さんの眼は、

 “綺麗事に見えるかもしれない”憲章の、

 一歩奥へと踏み込んでゆきます。

 子どもが受けるべきもの、

 受けて然るべきものとは、

 何であろうか。

 

 大人が、

 かつて子どもであったすべての人が、

 心に留めねばならないこと、とは。

 

「すべてのォおとなにィ~」

「がるるぐるる!」(←訳:読んでほしい!)

 

 家族、病気、写真、旅、

 買い物や、美味しいもの。

 息子さんが生まれた日の、

 ブレーキランプに照らされたフロントガラスの赤い雨粒。

 

 “エッセイでも写真集でもない、あたらしい本のかたち”

 を目指す一冊は、

 全活字マニアさんにおすすめですよ。

 ぜひ、本屋さんで探してみてくださいね~♪