「こんにちわッ、テディちゃでス!
けッせんッ、せきがはらァ~!」
「がるる!ぐるるるがるるーる!」(←訳:虎です!がんばれ西軍!)
こんにちは、ネーさです。
今日9月15日は、関ヶ原の戦いが行われた日……
直江兼続さんと島左近さんのファンである私たちが応援するのは、
もちろん西軍ですよ。
#関ヶ原2023にエールを送りながら、
さあ、本日の読書タイムは、こちらの御本を、どうぞ~♪
―― 息子が生まれた日から、雨の日が好きになった。 ――
著者は幡野広志(はたの・ひろし)さん、2023年8月に発行されました。
写真家・幡野さんによるエッセイ集、ではありますが、
文章と一緒に収録されている写真につい気を取られて、
風景や、うなぎや、
おじいちゃんの笑顔に、
長いこと見入ってしまうんですよねえ。
「とくにィ、おじいィちゃんッ!」
「ぐるるがるぐる!」(←訳:最高の笑顔だね!)
おじいちゃんへの想いに満ちた
『笑顔のおじいちゃん』(本文170ページ)
に添えられているのは、
題名の通り、
お孫ちゃんを抱きかかえるおじいちゃんの、笑顔の写真。
直射日光ではなく、室内の、
やわらかな光に包まれたこの写真を《軸》とするかのように、
幡野さん、積極的に
外へ、外へ、と向かってゆきます。
北海道へ。
熱海へ。
気仙沼へ。
コロナ禍の只中、
遠くへ出かけることが出来なかった頃は、
マンガの世界へ。
「ごくうさんとォ~ごはんくんッ!」
「がっるるるるぐる!」(←訳:ピッコロさんもね!)
急に『ドラゴンボール』が読みたくなった、
という一文から始める
『悟飯とピッコロ』(本文54ページ)は、
名作『ドラゴンボール』論かと見せながら、
ぽろぽろと涙してしまう
《父子》の日常が描かれていて、
ああ、読んでいる私たちも貰い泣き……。
そしてまた、
貰い泣きどころか大泣きしてしまいそうな一編は、
『児童憲章』(本文82ページ)
でしょうか。
「こどもたちのォためのォ、けんしょうゥでスゥ!」
「ぐるるがるるぐるるるがるる!」(←訳:大人のための憲章でもあるよ!)
幡野さんが、子どもの日になると読む、というそれは――
1951年(昭和26年)5月5日、
《児童憲章(じどうけんしょう)》は制定されました。
すべての児童の幸福を図るために作られた憲章では、
児童が人として、
また社会の一員として尊重されること、
家庭・社会・教育環境の保障などを定めています。
ただ、この憲章に法的な拘束力はありません。
幡野さんの眼は、
“綺麗事に見えるかもしれない”憲章の、
一歩奥へと踏み込んでゆきます。
子どもが受けるべきもの、
受けて然るべきものとは、
何であろうか。
大人が、
かつて子どもであったすべての人が、
心に留めねばならないこと、とは。
「すべてのォおとなにィ~」
「がるるぐるる!」(←訳:読んでほしい!)
家族、病気、写真、旅、
買い物や、美味しいもの。
息子さんが生まれた日の、
ブレーキランプに照らされたフロントガラスの赤い雨粒。
“エッセイでも写真集でもない、あたらしい本のかたち”
を目指す一冊は、
全活字マニアさんにおすすめですよ。
ぜひ、本屋さんで探してみてくださいね~♪