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テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

~ ワトソン博士は、どこに? ~

2022-10-18 21:11:29 | ブックス

「こんにちわッ、テディちゃでス!

 わふゥ! かんぜんにィ~はやとちりィ?」

「がるる!ぐるがるぐーるる!」(←訳:虎です!でも結果オーライ!)

 

 こんにちは、ネーさです。

 ええ、そうです、私ネーさ、早とちりしてしまいました。

 その理由は……

 ということで、

 本日の読書タイムは、さあ、↓こちらの御本を、どうぞ~♪

  

 

 

      ―― 見習医ワトソンの追究 ――

 

 

 著者は鏑蓮(かぶらぎ・れん)さん、

 2022年7月に発行されました。

 『見習医』には『けんしゅうい』とルビが振ってあります。

 

 そう、そこです!

 題名に、“医師“、それに”ワトソン“とあれば、

 私ネーさ、てっきりこの御本は

 S・ホームズさんのパロディ作品か、

 パスティーシュ作品だと

 思い込んでしまって……!

 

「ちがうのでェ~スッ!」

「ぐるるるがるる~!」(←訳:早とちりですよ~!)

 

 読み始めれば、

 早とちりは一瞬にして吹き飛びました。

 

 舞台は、現代の日本――

 ヴィクトリア朝のロンドンじゃありません。

 登場する警察官さんは、

 レストレード警部じゃありません。

 医学博士ジョン・ワトソンさんは影も形もなく、

 その代わりに……

 

 若きお医者さん、

 家入陽太郎(いえいり・ようたろう)さんが、

 今日も忙しさにぐったりしています。

 

「せんせいィ、きゅうきゅうしゃッでス!」

「がるぐるる!」(←訳:すぐERへ!)

 

 陽太郎さん、研修医ではないのです。

 既に医師としての勤務経験がある身ながら、

 諸事情あって、

 現在はここ――大阪市の三品(みしな)病院の

 総合内科に勤務して、

 院長の三品(みしな)先生に

 こき使われる毎日なのでした。

 

 今夜もまた、

 ERのお医者さんと一緒に救急車を出迎えて

 患者さんの容態を診たり、

 緊急オペの準備をしたり、

 休憩するヒマもないほど。

 

「ますいィ、じゅんびィ!」

「ぐるがる!」(←訳:手術開始!)

 

 三品病院には優秀な外科医さんがいます。

 陽太郎さんが見惚れるくらいの

 鮮やかな手技で、

 困難な手術は成功させ、

 一命をとりとめた患者さんは

 ECUに移ることになって。

 

 しかし。

 

「むむッ? ようたいィがッ?」

「がる??」(←訳:急変??)

 

 処置はすべて巧くいった、と

 院長の三品さんも、陽太郎さんも、

 病院のスタッフ皆が安堵していたのに、

 患者さんの容態は悪化してゆきます。

 

 やがて、最悪の事態が――

 

「いッたいィ、どうしてッ?」

「ぐるるるる……!」(←訳:分からない……!)

 

 実はこの患者さん、

 或る事件の被害者として

 救急搬送されてきたのでした。

 

 その“事件”に、

 院長先生や陽太郎さんたちを困惑させた

 原因が隠れている、のでしょうか……?

 

「おしごとォ、ふえちゃうゥけどォ」

「がるるぐるる!」(←訳:調査が不可欠!)

 

 診察業務の傍ら、

 陽太郎さんは調査に取り掛かります。

 原因は、必ず、どこかにある――

 

 できるだけ予備知識なしに、

 先入観もなしに読んでゆくと

 よりいっそう引き込まれること確実の

 魅力的な医療ミステリには、

 医療状況の“いま“も

 見事に織り込まれています。

 

 ミステリ好きな方々はもちろん、

 全活字マニアさんに

 激おすすめの快作を、

 皆さま、ぜひ~♫