「こんにちわッ、テディちゃでス!
わふゥ! かんぜんにィ~はやとちりィ?」
「がるる!ぐるがるぐーるる!」(←訳:虎です!でも結果オーライ!)
こんにちは、ネーさです。
ええ、そうです、私ネーさ、早とちりしてしまいました。
その理由は……
ということで、
本日の読書タイムは、さあ、↓こちらの御本を、どうぞ~♪
―― 見習医ワトソンの追究 ――
著者は鏑蓮(かぶらぎ・れん)さん、
2022年7月に発行されました。
『見習医』には『けんしゅうい』とルビが振ってあります。
そう、そこです!
題名に、“医師“、それに”ワトソン“とあれば、
私ネーさ、てっきりこの御本は
S・ホームズさんのパロディ作品か、
パスティーシュ作品だと
思い込んでしまって……!
「ちがうのでェ~スッ!」
「ぐるるるがるる~!」(←訳:早とちりですよ~!)
読み始めれば、
早とちりは一瞬にして吹き飛びました。
舞台は、現代の日本――
ヴィクトリア朝のロンドンじゃありません。
登場する警察官さんは、
レストレード警部じゃありません。
医学博士ジョン・ワトソンさんは影も形もなく、
その代わりに……
若きお医者さん、
家入陽太郎(いえいり・ようたろう)さんが、
今日も忙しさにぐったりしています。
「せんせいィ、きゅうきゅうしゃッでス!」
「がるぐるる!」(←訳:すぐERへ!)
陽太郎さん、研修医ではないのです。
既に医師としての勤務経験がある身ながら、
諸事情あって、
現在はここ――大阪市の三品(みしな)病院の
総合内科に勤務して、
院長の三品(みしな)先生に
こき使われる毎日なのでした。
今夜もまた、
ERのお医者さんと一緒に救急車を出迎えて
患者さんの容態を診たり、
緊急オペの準備をしたり、
休憩するヒマもないほど。
「ますいィ、じゅんびィ!」
「ぐるがる!」(←訳:手術開始!)
三品病院には優秀な外科医さんがいます。
陽太郎さんが見惚れるくらいの
鮮やかな手技で、
困難な手術は成功させ、
一命をとりとめた患者さんは
ECUに移ることになって。
しかし。
「むむッ? ようたいィがッ?」
「がる??」(←訳:急変??)
処置はすべて巧くいった、と
院長の三品さんも、陽太郎さんも、
病院のスタッフ皆が安堵していたのに、
患者さんの容態は悪化してゆきます。
やがて、最悪の事態が――
「いッたいィ、どうしてッ?」
「ぐるるるる……!」(←訳:分からない……!)
実はこの患者さん、
或る事件の被害者として
救急搬送されてきたのでした。
その“事件”に、
院長先生や陽太郎さんたちを困惑させた
原因が隠れている、のでしょうか……?
「おしごとォ、ふえちゃうゥけどォ」
「がるるぐるる!」(←訳:調査が不可欠!)
診察業務の傍ら、
陽太郎さんは調査に取り掛かります。
原因は、必ず、どこかにある――
できるだけ予備知識なしに、
先入観もなしに読んでゆくと
よりいっそう引き込まれること確実の
魅力的な医療ミステリには、
医療状況の“いま“も
見事に織り込まれています。
ミステリ好きな方々はもちろん、
全活字マニアさんに
激おすすめの快作を、
皆さま、ぜひ~♫