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テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

~ 幽と明の扉 ~

2022-02-10 23:17:32 | ブックス

「こんにちわッ、テディちゃでス!

 ♪るるゥ~♪みぞれのォふるゥ~まちィをォ~♪」

「がるる!ぐるるがるぐる~♪」(←訳:虎です!氷雨の降る街を~♪)

 

 こんにちは、ネーさです。

 多摩西部に大雪警報発令!な一日でしたが、

 いまのところ、山間部はともかく、

 ここ八王子の市街地には積雪もないようです。

 中継にやって来たTVスタッフさんには

 ちょっぴりお気の毒だったわ……と思いつつ、

 さあ、読書タイムですよ♪

 本日は、こちらの御本を、どうぞ~!

  

 

 

   ―― あかずの扉の鍵貸します ――

 

 

 著者は谷瑞恵(たに・みずえ)さん、

 2021年10月に発行されました。

 『We Lend Keys for Mysterious Unopenable Doors』

 と英語題名が付されています。

 

「あわわゥ! あかずのォ~とびらッ??」

「ぐるーるぅ!」(←訳:ホラーだぁ!)

 

 あかずの扉……

 ええ、そうですね、題名を目にしただけで

 体温が低下してゆくような怖さが漂いますね。

 大きなお屋敷の、廊下の奥……

 誰も開けたことのない、

 開けてはいけないと伝えられる部屋がある……。

 

 あんまり縁起は良くなさそうだけれど、

 そんな部屋が欲しい!どうしても!

 と、頼みごとをされちゃったら?

 

「ほッ、ほしィ~のでスかッ?」

「がるるるぐる?」(←訳:開かずの間が?)

 

 開かずの間が欲しい――

 大学生の水城朔美(みずき・さくみ)さんは、

 そう聞かされても、意味が分かりませんでした。

 どういうことだろう?

 イミフだなぁと首を傾げても、

 馬鹿なことを、と笑い飛ばすことも出来ず。

 

 なぜなら、

 開かずの間を所望するその人は、

 病院のベッドに横たわっているのです。

 

「ふゥ~むゥ、それならばァ~…」

「ぐるるがる!」(←訳:先ずは話を!)

 

 その人の名は、安川不二代(やすかわ・ふじよ)さん。

 朔美さんにとっては

 育ての親といえる大切なひとです。

 

 病床の彼女のために、

 叶えられるものならどんなことでも

 叶えてあげたい――っていっても。

 

 開かずの間?

 部屋を借りたいっていう意味なのかな?

 

「きりふだァ、ありまスゥ!」

「がるるぐるる!」(←訳:名刺をどうぞ!)

 

 不二代さんは、朔美さんに

 一枚の名刺を渡します。

 名刺に記されていたのは、

 或る設計事務所の名でした。

 

   幻堂(げんどう)設計事務所・一級建築士。

   “新築・リフォーム・あかずの扉 ご相談ください“

 

「ふァいッ! たのんでェみましょゥ!」

「ぐるがるるるるる!」(←訳:その建築士さんに!)

 

 あかずの扉を専門とする建築士さんが、いる?

 その建築士さんなら、

 不二代さんの願いを叶えてくれる?

 

 いえ、そもそも、

 不二代さんが開かずの間を必要とする理由とは?

 

 疑問と不安を抱え、

 朔美さんは向かいます

 名刺の住所にある

 幻堂設計事務所へ――

 

「ここはァ、かまくらァ……?」

「がるるぐる!」(←訳:北鎌倉だね!)

 

 ほんのりホラーの気配を湛えた

 5つの章から成るミステリアスな物語は、

 ミステリ好きな方々にも、

 ファンタジックな作品が好きな活字マニアさんにも

 おすすめですよ。

 

 また、北鎌倉というひと言で私ネーさが連想したのは、

 作家・澁澤龍彦さんのお家の風景でした。

 なので、澁澤龍彦さんのファンの方々も、

 ぜひ、一読してみてくださいね~♫