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テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

画家たちの画家、ここに。

2018-06-21 22:43:07 | ブックス
「こんにちわッ、テディちゃでス!
 いッぺいィくゥ~んッ、おかえりなさいィ~!」
「がるる!ぐるるるがる!」(←訳:虎です!無事帰国だね!)

 こんにちは、ネーさです。
 W杯関連ニュースに大きく取り上げられ、
 世界的なビッグスター?になってしまった愛媛FCの準マスコット、
 《一平くん》。
 怪しい人物、いえ、怪しいカエルとして
 イミグレで捕まっちゃうのかと……おっと失礼、
 ロシアから日本に帰着したと聞いてひと安心しました。
 さあ、出場国が熱戦を繰り広げる中、
 本日の読書タイムには
 アート界のビッグスターさんに登場いただきましょう~♫
 
  



           ―― ベラスケス ――



 著者は大髙保二郎(おおたか・やすじろう)さん、2018年5月に発行されました。
 『宮廷のなかの革命者』と副題が付されています。

「すぺいんッ、でスねッ!」
「ぐるるるるがるるる!」(←訳:黄金時代の画家さん!)

 ディエゴ・ベラスケスさん(1599~1660)。

 画家マネさんが《画家たちの画家》と賞賛した、
 17世紀を代表する偉大なる巨匠――
 そしてまた、スペイン・ハプスブルク宮廷の宮廷画家、
 王宮配室長の職もその双肩に担う“王の相談役”でもある、
 たいへんなVIPさんであり。

 美術評論家さんにも大人気!

「おおぜいのォ、けんきゅうかさんがァ~」
「がるるぐるるるる!」(←訳:解読に挑んでます!)

 レオナルド・ダ・ヴィンチさん、
 カラヴァッジョさん、
 ヨハネス・フェルメールさん、
 ミケランジェロさんと並んで、
 世界各国の評論家さんから引っ張りダコなのが、
 ベラスケスさんです。

 《フェリペ4世の家族》(1656年)――

 《ラス・メニーナス(女官たち)》という通称で知られる
 一枚の絵画のために、
 いったい今まで何冊の評論書や研究書が
 出版されたことでしょうか。

「いまもォ、まだまだァ、けんきゅうちゅゥ!」
「ぐるるるがる!」(←訳:新解釈を探せ!)

 《ラス・メニーナス》をはじめ、
 マルガリータ王女を描いたいくつもの肖像、
 フェリペ4世や教皇の肖像画など、
 評論家さんを魅了するテーマは数多ありますが、
 著者・大髙さんがこの御本で試みたのは
 シンプルなアプローチです。

 画家・ベラスケスさんの生涯。

 セビーリャに生まれ、
 フェリペ4世に仕え、
 宮廷画家兼重臣として
 王のかたわらに生きる――

 それは黄金時代のスペイン、
 ただし、
 翳りがはっきり見え始めた時代の王廷でした。

 もしもそれが、他の時代だったら、
 ベラスケスさんの運命は、画業は、
 どんな形をとっていただろうかと想像せざるを得ない、
 数奇な背景を持つ“巨匠”。

「ふしぎなァ、てんさいィ!」
「がるぐるる!」(←訳:魂は近代人!)

 欧州での最新の研究報告なども踏まえつつ、
 著者・大髙さんが狩集する
 ベラスケスさんの旅の日々。

 新書ですから
 サイズは小さいのですが、
 御本の冒頭にはカラー画も収録され、
 ベラスケスさんファンの方々もきっと満足!の評伝作品、
 歴史好きさん、
 もちろんアート好きな御方にもおすすめです。

 展覧会で、
 あるいは画集で、
 ベラスケスさんの作品に触れた後は、
 こちらの御本も、ぜひ♪