テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

素顔は、斯様に。

2018-06-14 22:16:45 | ブックス
「こんにちわッ、テディちゃでスゥ!
 ふァいッ! はじまりまァ~スッ!」
「がるる!ぐるる!」(←訳:虎です!祝開幕!)

 こんにちは、ネーさです。
 そうです、始まりますよロシアW杯!
 私ネーさの大好きなイタリアが参戦できなかったのは
 返す返すも無念ではありますが、
 4年に1度のフットボールの祭典に声援を送りつつ、
 ちゃっかり同時進行の読書タイム、
 本日は、こちらの御本を、どうぞ~♫

  



         ―― 文豪たちの友情 ――



 著者は石井千湖(いしい・ちこ)さん、2018年4月に発行されました。
 前回記事では今週末から三鷹市で開催される
 『太宰治 三鷹とともに』展を御紹介いたしました。
 この御本でも、はい、太宰さんは注目の的ですね。

「だいすたーでスからッ!」
「ぐるるるがるる!」(←訳:知らぬ者なしの!)

 とはいえ、太宰さんひとりに負わせるのは
 《文豪》の看板は重過ぎるようです。
 ここはひとつ、
 日本近代文学の文豪さんたち13組で
 重~い看板を分け合っていただきしょう。

「じゅうさんッくみィ??」
「がるるぐるるる?」(←訳:組分けしてるの?)

 この御本は、3つの章から成っています。

   第一章『永遠のニコイチ 自他ともに認める親友』

   第二章『早すぎる別れ 夭折した文豪と友人たち』

   第三章『愛憎入り交じる関係 ケンカするほど仲が良い二人』

 著者・石井さんによって
 『永遠のニコイチ』と認定されるのは、

 佐藤春夫さんと堀口大學さん。
 室生犀星さんと萩原朔太郎さん。
 志賀直哉さんと武者小路実篤さん。
 川端康成さんと横光利一さん。

「しょうがいィのォ、ゆうじんッ!」
「ぐるるがるる!」(←訳:幸福な出会い!)

 そして、夭折した文豪さんと友人さん、といえば、

 正岡子規さんと夏目漱石さん、
 石川啄木さんと金田一京助さん、
 国木田独歩さんと田山花袋さん、
 芥川龍之介さんと菊池寛さん、
 太宰治さんと坂口安吾さん、
 梶井基次郎さんと三好達治さん。

 さらに、
 なぁんだ、ケンカするくらいの仲良しなんじゃん♪
 と、石井さんに喝破されちゃうのは、

 泉鏡花さんと徳田秋聲さん、
 中原中也さんと小林秀雄さん、
 谷崎潤一郎さんと佐藤春夫さん。

 以上、13組26人の文豪さんが、
 下積み時代は互いに励まし合い、
 病を得た友を看病しては落涙し、
 大ゲンカしては周囲を困らせ、
 現在に至ってもこうして
 話題にされてしまう――

「ぶんごうゥさんもォ、にんげんなのでス~!」
「がぅっるがっるるるる♫」(←訳:ちょっとホッとしたね♫)

 展覧会情報を御紹介した直後ですから、
 やはり太宰さんのパートは気に懸かりますけれども、
 私ネーさ、泉鏡花さんの大ファンですもので、
 『愛憎入り交じる関係』の章を
 ハラハラしながら読みました。

 あの美文家の鏡花さんが、
 本気で誰かとケンカするなんて、
 似合わないような、
 いや大いに有り得るような……?

「でもォ、おわりィよければァ~」
「がるるぐるっるがるる!」(←訳:すべてよしってことで!)

 遠い日、
 文学者さんたちの間に何があったのか。
 彼らの想いはどんな形で昇華されたのか。

 いまベストセラーリストにランキングされているこの御本、
 文学史ノンフィクション好きな御方に、
 19~20世紀史好きな御方にもおすすめです。
 ぜひ、一読してみてくださいね♪

 
 
コメント
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