こんにちは、ネーさです。
おひさまポカポカ、
年末までまだ間はあるけれど、大掃除日和ですね♪
大掃除……誰かネーさの代わりにやってくれないかしら~?
「こんにちわッ、テディちゃでス!
そうじィ、めんどくさいィッ!」
「がるる!ぐるぐるがるるる~!」(←訳:虎です!掃除はボクもパス~!)
アトムくんみたいなヒューマノイド型お掃除ロボを
どこかのメーカーさんに発明してもらいたいわ~と
満杯の書棚を見上げつつ、
でも、本日もこりずに読書タ~イム!
さあ、本の重みで床がぬける悪夢にうなされる活字マニア同志諸氏よ、
こちらを、どうぞ~!

―― 絵筆のナショナリズム ――
著者は柴崎信三さん、2011年7月に発行されました。
『フジタと大観の《戦争》』と副題が付されています。
前回記事ではミステリ――フィクション作品を御紹介いたしましたが、
こちらの御本はノンフィクション、
アート評論に分類される作品と申せましょうか。
「でもォ、せんそうッ?」
「がるぐるるるぐる?」(←訳:戦争のお話?)
御本の題名にもある、横山大観さんと、藤田嗣治さんは、
20世紀の日本を代表する画家さんでした。
藤田さんについては、20世紀ヨーロッパの画壇史に刻まれる画家さん、と
ご紹介してもよいほどですね。
そしてまた、
彼らふたりは
《戦争画》の画家さんでもありました。
「ふァ~? たいかんさんもォッ?」
「がるぐるるぐるがるる~?」(←訳:戦争画家さんだったんだ~?)
戦意高揚を目的として描かれた絵画――戦争画。
戦争画、と聞いて思い浮かべるのは、
多くの場合、
藤田嗣治さんの作品『アッツ島の玉砕』のような、
《戦闘》を連想させる絵画でしょうが、
実際にはもっと多様な作品が
戦争画の役割を担っています
(担わされた、というべきでしょうか?)。
戦争画を制作したのも、
日本の作家/画家だけではありませんでした。
米国では、ディズニープロダクションをはじめ、
アニメ工房がプロバカンダ作品を世に送り出しましたし、
同様に、
英国は反ドイツキャンペーンを、
ドイツでは連合国を嘲笑するキャンペーンが実行されました。
そう、戦意高揚作戦って、
どこの国でもやってたこと、なんですね。
日本でも、戦争画を描いたのは
大観さんと藤田さんだけではなかったのですが、
結果的に、目立ってしまったのは
日本画壇の長老に等しい存在であった大観さんと、
欧州で名声を得ていたがために
故国日本では嫉妬・蔑視される状況にあった藤田さん、の二人……。
いったいなぜ、
どんなきっかけで、
彼らは戦意高揚画に手を染める事態に到ったのか、
何が彼らを後押しし、
或いは強制したのか……?
「じだいのォ、ながれェ、でスかッ?」
「ぐるるるぐるがるがる?」(←訳:流行だったのかな?)
著者・柴崎さんは
ふたりの画家の
《戦争》に対峙する姿を、
詳しく調べ、追ってゆきます。
さらには、
『戦争画を描いた画家』という、消せぬレッテルに
戦後の彼らがどう対応したか、も――
《勝てば官軍》。
読みながら、何度もこの言葉を想いました。
歴史にイフ(もしも)は許されない、といいますが、
想像せずにはいられません。
戦争が起こらなかったら?
開戦後の早い時期に講和を結んでいたら?
大観さんと藤田さんの未来は、
どう変わっていたのでしょうか。
「うむゥ~、えすえふにィ、なッちゃうゥ!」
「がるぐるがるがる~!」(←訳:もしもの世界だよ~!)
アート論であり、
20世紀美術史・歴史・戦後史を明らかにするこの御本は、
アート好きさん、
歴史好きさんにおすすめの快作です。
長年の疑問が解けたぞ!と
膝をうつ御方もきっとおられることでしょう。
お読み逃がしなく!
おひさまポカポカ、
年末までまだ間はあるけれど、大掃除日和ですね♪
大掃除……誰かネーさの代わりにやってくれないかしら~?
「こんにちわッ、テディちゃでス!
そうじィ、めんどくさいィッ!」
「がるる!ぐるぐるがるるる~!」(←訳:虎です!掃除はボクもパス~!)
アトムくんみたいなヒューマノイド型お掃除ロボを
どこかのメーカーさんに発明してもらいたいわ~と
満杯の書棚を見上げつつ、
でも、本日もこりずに読書タ~イム!
さあ、本の重みで床がぬける悪夢にうなされる活字マニア同志諸氏よ、
こちらを、どうぞ~!

―― 絵筆のナショナリズム ――
著者は柴崎信三さん、2011年7月に発行されました。
『フジタと大観の《戦争》』と副題が付されています。
前回記事ではミステリ――フィクション作品を御紹介いたしましたが、
こちらの御本はノンフィクション、
アート評論に分類される作品と申せましょうか。
「でもォ、せんそうッ?」
「がるぐるるるぐる?」(←訳:戦争のお話?)
御本の題名にもある、横山大観さんと、藤田嗣治さんは、
20世紀の日本を代表する画家さんでした。
藤田さんについては、20世紀ヨーロッパの画壇史に刻まれる画家さん、と
ご紹介してもよいほどですね。
そしてまた、
彼らふたりは
《戦争画》の画家さんでもありました。
「ふァ~? たいかんさんもォッ?」
「がるぐるるぐるがるる~?」(←訳:戦争画家さんだったんだ~?)
戦意高揚を目的として描かれた絵画――戦争画。
戦争画、と聞いて思い浮かべるのは、
多くの場合、
藤田嗣治さんの作品『アッツ島の玉砕』のような、
《戦闘》を連想させる絵画でしょうが、
実際にはもっと多様な作品が
戦争画の役割を担っています
(担わされた、というべきでしょうか?)。
戦争画を制作したのも、
日本の作家/画家だけではありませんでした。
米国では、ディズニープロダクションをはじめ、
アニメ工房がプロバカンダ作品を世に送り出しましたし、
同様に、
英国は反ドイツキャンペーンを、
ドイツでは連合国を嘲笑するキャンペーンが実行されました。
そう、戦意高揚作戦って、
どこの国でもやってたこと、なんですね。
日本でも、戦争画を描いたのは
大観さんと藤田さんだけではなかったのですが、
結果的に、目立ってしまったのは
日本画壇の長老に等しい存在であった大観さんと、
欧州で名声を得ていたがために
故国日本では嫉妬・蔑視される状況にあった藤田さん、の二人……。
いったいなぜ、
どんなきっかけで、
彼らは戦意高揚画に手を染める事態に到ったのか、
何が彼らを後押しし、
或いは強制したのか……?
「じだいのォ、ながれェ、でスかッ?」
「ぐるるるぐるがるがる?」(←訳:流行だったのかな?)
著者・柴崎さんは
ふたりの画家の
《戦争》に対峙する姿を、
詳しく調べ、追ってゆきます。
さらには、
『戦争画を描いた画家』という、消せぬレッテルに
戦後の彼らがどう対応したか、も――
《勝てば官軍》。
読みながら、何度もこの言葉を想いました。
歴史にイフ(もしも)は許されない、といいますが、
想像せずにはいられません。
戦争が起こらなかったら?
開戦後の早い時期に講和を結んでいたら?
大観さんと藤田さんの未来は、
どう変わっていたのでしょうか。
「うむゥ~、えすえふにィ、なッちゃうゥ!」
「がるぐるがるがる~!」(←訳:もしもの世界だよ~!)
アート論であり、
20世紀美術史・歴史・戦後史を明らかにするこの御本は、
アート好きさん、
歴史好きさんにおすすめの快作です。
長年の疑問が解けたぞ!と
膝をうつ御方もきっとおられることでしょう。
お読み逃がしなく!