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テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

7世紀だって、キャリアばりばり?

2011-05-27 23:09:46 | ブックス
「わッ、つゆゥ!」
「がるっぐる?」(←訳:えっ、梅雨?)

 こんにちは、ネーさです。
 ええ、ここ関東地方も梅雨入りしちゃったようですね。

「こんにちわッ、テディちゃでスゥ!
 ながぐつッ、かわなくちゃッ!」
「ぐるる!がるぐるぐるるるがる!」(←訳:虎です!レインブーツって言って!)

 しとしと、ザーザー、ぽつぽつ、と
 雨音に耳を傾けながら、
 本日の読書タイムは、はい、こちらを、どうぞ~!

  


 
          ―― 修道女フィデルマの洞察 ――


 
 著者はピーター・トレメインさん、2010年6月に発行されました。
 副題に『修道女フィデルマ短編集』とあります。
 以前に御紹介いたしました『修道女フィデルマの叡智』と同じく、
 紀元7世紀中ごろのアイルランドを舞台とした
 英国で人気のミステリシリーズ作品、なんですよ。

「ふァいッ! (←元気よく挙手!)
 テディちゃ、おぼえてるゥでス!
 しゅうどうじょさんッ、めいたんていィでェ、しかもッ!」
「ぐるるがるるるー!」(←訳:王女さまなんだよー!)
「そのとォーりィ!」

 そうね、
 近年では稀にみるレディー探偵さん、といえばこの御方でしょうか。
 
 当時のアイルランドは五つの王国で形成されており、
 その五王国の中でも最大勢力を有するモアン国の、
 国王コルグーの妹君が、
 “キャシェルのフィデルマ”こと修道女フィデルマさん。
 
 王さまの妹君というだけではなく、
 ドーリィーという法廷弁護士であり、
 上位弁護士アンルーの資格も有するフィデルマさんは
 場合によっては裁判官をも務め得るすごい御方です。
 
「ばりばりのォ、きゃりあうーまんさんッ!」
「がるるるーるぐるぐるぐるる!」(←訳:名刺が肩書きで埋まっちゃいそう!)

 七世紀のアイルランドに名刺……があったか否か、
 そこらへんは不明ですが、
 どうやら、たくさんの肩書きは、
 フィデルマさんの身辺に
 《事件》を吸い寄せる役目も持っているようです。
 
 御本の冒頭に収録されている
 『毒殺への誘い』は、
 奇妙な晩餐会のものがたり。

「ばんさんかいッ!
 ごちそうゥ、でましたかッ??」
「がるるるーぐるぐるる?」(←訳:美味しい飲みものも?)

 そこが、奇妙、と思われるゆえんです。
 葡萄酒は特別なものではないし、
 お料理は……もうサイテー。
 会話は弾まず、
 雰囲気は寒々しくって、
 何より、
 招待者と客たちのぎくしゃくした関係は
 どうしようもありません。
 
 《事件》は食事が終わりに近づいた時に起こりました。
 
 積もりに積もった怨恨が爆発したのでしょうか?
 激情による復讐? 
 それとも綿密な計算の結果?
 法廷弁護士たるフィデルマさんは、
 《事件》を解決すべく
 晩餐会の一部始終を思い起こしてみるのですが……
 犯人は?
 動機は?

「みんなァ、どうきィをォ、もッてまス!」
「ぐるがるるがるがるる!」(←訳:なんとフィデルマさんまでも!)

 短編ミステリの良さを活かした五つの物語は、
 むか~しのアイルランドやヨーロッパの歴史や文化を知らなくても
 じゅうぶんに楽しめます。
 もちろん、欧州史に興味あるわ!という御方には 
 より楽しく読めちゃう御本ですよ~♪

「みすてりあすゥなァ、みすてりィッ!」
「がるるるぐる!」(←訳:正統派、だよ!)

 ミステリ好きさんは、ぜひ!