こんにちは、ネーさです。
先ほど、夜空を仰いでみましたら……
雲間から覗くお月さまが、おどろおどろしくて
いかにも13日の金曜日!
「……こんにちわゥ、テディちゃでスゥ……
じゅッ、じゅうさんッ……!」
「がるるー!ぐるがるるるるー!」(←訳:虎ですー!ホラーは嫌だようー!)
御安心あれ、
コウモリ化したドラキュラ伯爵が飛んでいそうな夜空でしたが、
本日の読書タイムで御紹介いたしますのは、ホラーではありません。
こちらを、どうぞ~!

―― カラーひよことコーヒー豆 ――
著者は小川洋子さん、2009年12月に発行されました。
雑誌『Domani』2006年10月号~2008年9月号に連載されたエッセイと
書き下ろしエッセイ5編を収録したエッセイ集です。
『Colorful Chicks and Coffee Beans』と英題が付されています。
「からーひよこッてェ……なにものッ??」
「がるるるぐる?」(←訳:品種名かなあ?)
表題作『カラーひよことコーヒー豆』の
『カラーひよこ』とは、
動物虐待だと非難されるのを恐れてか、
近年はすっかり目にしなくなりましたけれど、
かつてはお祭りの夜店などで頻繁に売られていたヒヨコのことです。
ちっちゃな手に、
お小遣いを握りしめた子どもたちの心を惹きつけるためだったのでしょう、
普通ならばクリームイエローの、
ぴよぴよ鳴くヒヨコたちを
売り手のオジサンたちは
赤や青、紫色に染め、
かわいいだろう?
さあ買った買ったー!と
声を張り上げていたのでした。
「えええッ? あおいィぴよこッ?!?」
「がるるるー?!?」(←訳:赤に紫ぃー?!?)
今はもう見かけなくなった
人工色のヒヨコ……
小川さんはカラーひよこたちを回想しながら、
《いのち》について思いを馳せます。
また他に、
哀切な、
溜め息にも似た『靴は人生の同伴者』。
書くことを職業に選んだ者の喜びを綴る
『本物のご褒美』。
今まで一番感動した映画は何ですか?
という文から始まる『美しい祝福』。
エッセイではあるのですが
いずれの文章も、
まるで短編映画を観ているかのような、
奥行きの深さ、
明確なヴィジョンが感じられます。
小川さんが異国の収容所跡に立つとき、
読み手の私たちもまた、
足の裏にひんやりと、
《いのち》を吸い込んだ床石が敷かれているのを
覚えざるを得ません。
『博士の愛した数学』、
『ミーナの行進』、
『猫を抱いて象と泳ぐ』――
小川さんの御本大好き!という方々は、
ぜひ、こちらのエッセイ集も!
「むむゥ~、からーひよこォ、かァ~…。
ちょッとォ、みてみたいィようなァ~」
「ぐるぐるぐるるるがる~」(←訳:見るのが怖くもあるような~)
「もしもォ、みかけたらァ……!」
「がるるるがるぐるるる!」(←訳:きっと放っとけなくなっちゃう!)
もはや、まぼろしとなったカラーひよこ、
どうか、まぼろしはまぼろしのままに!
夜店で探したりしてはいけませんよ!
先ほど、夜空を仰いでみましたら……
雲間から覗くお月さまが、おどろおどろしくて
いかにも13日の金曜日!
「……こんにちわゥ、テディちゃでスゥ……
じゅッ、じゅうさんッ……!」
「がるるー!ぐるがるるるるー!」(←訳:虎ですー!ホラーは嫌だようー!)
御安心あれ、
コウモリ化したドラキュラ伯爵が飛んでいそうな夜空でしたが、
本日の読書タイムで御紹介いたしますのは、ホラーではありません。
こちらを、どうぞ~!

―― カラーひよことコーヒー豆 ――
著者は小川洋子さん、2009年12月に発行されました。
雑誌『Domani』2006年10月号~2008年9月号に連載されたエッセイと
書き下ろしエッセイ5編を収録したエッセイ集です。
『Colorful Chicks and Coffee Beans』と英題が付されています。
「からーひよこッてェ……なにものッ??」
「がるるるぐる?」(←訳:品種名かなあ?)
表題作『カラーひよことコーヒー豆』の
『カラーひよこ』とは、
動物虐待だと非難されるのを恐れてか、
近年はすっかり目にしなくなりましたけれど、
かつてはお祭りの夜店などで頻繁に売られていたヒヨコのことです。
ちっちゃな手に、
お小遣いを握りしめた子どもたちの心を惹きつけるためだったのでしょう、
普通ならばクリームイエローの、
ぴよぴよ鳴くヒヨコたちを
売り手のオジサンたちは
赤や青、紫色に染め、
かわいいだろう?
さあ買った買ったー!と
声を張り上げていたのでした。
「えええッ? あおいィぴよこッ?!?」
「がるるるー?!?」(←訳:赤に紫ぃー?!?)
今はもう見かけなくなった
人工色のヒヨコ……
小川さんはカラーひよこたちを回想しながら、
《いのち》について思いを馳せます。
また他に、
哀切な、
溜め息にも似た『靴は人生の同伴者』。
書くことを職業に選んだ者の喜びを綴る
『本物のご褒美』。
今まで一番感動した映画は何ですか?
という文から始まる『美しい祝福』。
エッセイではあるのですが
いずれの文章も、
まるで短編映画を観ているかのような、
奥行きの深さ、
明確なヴィジョンが感じられます。
小川さんが異国の収容所跡に立つとき、
読み手の私たちもまた、
足の裏にひんやりと、
《いのち》を吸い込んだ床石が敷かれているのを
覚えざるを得ません。
『博士の愛した数学』、
『ミーナの行進』、
『猫を抱いて象と泳ぐ』――
小川さんの御本大好き!という方々は、
ぜひ、こちらのエッセイ集も!
「むむゥ~、からーひよこォ、かァ~…。
ちょッとォ、みてみたいィようなァ~」
「ぐるぐるぐるるるがる~」(←訳:見るのが怖くもあるような~)
「もしもォ、みかけたらァ……!」
「がるるるがるぐるるる!」(←訳:きっと放っとけなくなっちゃう!)
もはや、まぼろしとなったカラーひよこ、
どうか、まぼろしはまぼろしのままに!
夜店で探したりしてはいけませんよ!