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テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

惚れ惚れ♪のミステリアス丸の内ものがたり!

2010-05-21 23:02:02 | ブックス
「もふゥ! あいすくりーむゥ、おいちィッ♪」
「ぐるがるぐるる~!」(←訳:夏はやっぱりアイスだよね~!)

 というお天気の一日だった東京・多摩地方から、
 こんにちは、ネーさです。
 
「こんにちわゥ、テディちゃでス!」
「ぐるるっ!」(←訳:虎ですっ!)

 さあ、本日はアイスクリームのお話……ではなくて!
 例によって例のごとく、こちらの御本を、どうぞ~!


 
                    ―― 竜の涙 ――



 著者は柴田よしきさん、’10年2月に発行されました。
 『ばんざい屋の夜』と副題が付されています。
 物語の舞台は、丸の内の――

「まるのうちィッ! どらごんッ! くんくんッ! におうゥでス!」
「ぐるるがるるる?」(←訳:国際的な陰謀かな?)
「ちゃいにーずまふぃあッ!」
「ぐるるがるーる!」(←訳:経済小説かも!)

 ……突っ走り過ぎですよ、毛玉くんたち。
 舞台は、日本の経済・商業の中心地のひとつ、丸の内。
 でも、おばんざい料理――京都の家庭料理を看板にする
 『ばんざい屋』さんがあるのは、
 趣きはあるけれど、古い雑居ビルの中です。
 どうやら、『竜の涙』という題名から、もしや?と勘繰ってしまうような、
 壮大なスケールで何億ドルものオイルマネーが動く
 地球規模の経済小説……ではないようです。

 いえ、でも、ですね。
 小さな、席数も多くない『ばんざい屋』へ通ってくるお客さんたちは、
 小さくない悩みや疑問をそれぞれに抱え、
 落ち込んだり、考え込んだりしちゃってます。
 そう、小さいようでも、
 疲れた心身には大きな悩み、不思議……。

「ふむむッ、みすてりィ、でスかッ」
「ぐるぐるぐ~る!」(←訳:日常の謎だね!)

 『ばんざい屋』のお客さんたちが持ち込む
 ちょこっとした《謎》を解き明かす――或いは、独自の解釈を披露するのは、
 店主で女将の吉永さん。
 
 吉永さんもまた、お客さんたちのように、
 悩みをひとつ、抱えています。
 『ばんざい屋』の入居しているこのビルが、
 再開発の対象となり、近々取り壊されることになりました。

 新しく建て直されたビルに入居……できなくはないけれど、
 それには資金が、半端でない資金が要りそうです。
 では、他の場所へ引っ越して再営業?
 それとも、いっそ……お店を閉める?

「ええェッ? やめちゃうゥのッ??」
「ぐるがるるっ!」(←訳:そんなぁ!)

 お客さんたちの《迷い》、《疑問》、
 女将の吉永さんの《逡巡》……
 ミステリアスな連鎖反応が、
 六つの物語をつなげてゆきます。
 
 コージーミステリと呼ぶには切なすぎる、
 でも、どこか幸福な明るさに満ちた
 温かくも麗しいミステリアスストーリー、
 ジャンルにこだわらぬ活字マニアの皆々さまに、おすすめ!
 
「きッとォ、ほれちゃうゥのでスよッ!」
「ぐるがるがるるー!」(←訳:すてきな女将さんにねー!)