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テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

崖の彼方に……歴史ミステリ?

2010-05-05 23:20:03 | ブックス
 モッコウバラが美しく咲く季節ですね……って、暑い!暑いわ!
 こんにちは、ネーさです……水、みず~っ!

「こんにちわッ、テディちゃでスッ!」
「ぐるるー!」(←訳:虎ですー!)
「ふァいッ、ネーさッ! みずゥでスよゥ~!」
 
 ごっくん、ごくごく……ふぅ~っ、ありがとう、テディちゃ。
 ネーさ、生き返りましたわ。
 活字マニアの皆さまも熱中症にはお気をつけくださいね。
 では、水分&気力を取り戻したところで、本日の一冊を、どうぞ~!


 
                ―― カンナ 戸隠の殺皆 ――


 
 著者は高田崇史さん、’10年2月に発行されました。
 《QED》と並ぶ高田さんの人気シリーズ《カンナ》も、
 『戸隠』編のこの御本で5冊目になります。

 歴史ある伊賀の出賀茂(いずがも)神社の息子さん、
 鴨志田甲斐(かもしだ・かい)くんによる
 捜索と探索の物語、
 飛鳥→天草→吉野→奥州と来て、
 今回は題名の通り、戸隠へ。

「うむッ、たしかァ、おにいさんがァ、さがしているのはァ……」
「がるぐるがる!」(←訳:社伝だったよね!)

 出賀茂神社に代々伝えられ、
 宝物殿に大切に仕舞われていた
 『蘇我大臣馬子傳略(そがのおおおみうまこでんりゃく)』。
 その社伝が盗まれてしまってから、
 甲斐くん、日本のあちこちへ
 足を運ぶ羽目になりました。
 
「こんかいィはァ、ながのけんッ!」
「ぐるーがる!」(←訳:山ん中だ!)

 甲斐くんに同行するのはいつものメンバー、
 甲賀忍者の末裔・竜之介くんと、
 伊勢の忍びの流れをくむ貴湖(たかこ)ちゃん、
 そして甲斐くんの愛犬、実は忍犬!のほうろくくん!

 第5作目のこの物語では、
 ミステリの色合いよりも、
 ニンジャアドヴェンチャーの傾向が強まってきました……!
 甲斐くん、忍者能力に開眼したのでしょうか?
 なんだか頼もしいような、
 でもやっぱり不安なような……。
 何故って、場所が場所――戸隠ですからね。

「むぽッ♪
 おそばがァ、おいしィのでスゥ!」
「……ぐるーる」(←訳:……そっちじゃなくてぇ)

 戸隠は戸隠流忍術を育んだ土地。
 しかも、山と森は今なお卑俗な下界に染まることを拒むかの如く、
 交通の便はひどく悪いようです。
 竜之介くんの運転する車も、
 ほぉら、さっそく濃い霧に阻まれ、
 狭い山道をはみ出し、動けなくなってしまいました。
 
「ぜんとォたなんッ!でスねッ」
「ぐるぐるがる~?」(←訳:いきなり事故~?)

 霧の中で立ち往生する甲斐くんたち、
 またまたしても、不穏な展開に巻き込まれてゆきます。
 がんばれ!忍犬ほうろくくん!
 賢いけれど、どこかヌケてる御主人さまたちを
 助けてあげてー!

「ほんとッ、にんげんてェ、ぬけてるんだもんねッ!」
「ぐるぐる!」(←訳:言えてる!)

 一家に一匹、ほうろくくんを!
 そう言いたくなるニンジャ冒険歴史ミステリです。
 忍犬ファンの皆さま、ぜひ御愛読を!
 
 では、テディちゃに虎くん、
 戸隠の険しい崖を登っている気分で、せーの、はいっ!

「ふァいとォッ!!」
「がるるるーっ!!」(←訳:一発ーっ!!)