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テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

舞い飛ぶは『♪』!

2010-05-03 23:06:13 | ブックス
 GWのド真ん中だというのに……ああ、本……今日も御本……
 これでいいのか?本ばっかりでいいのか?!?
 と自問するネーさです、こんにちは。

「こんにちわゥ、テディちゃです!
 いえすゥ! 
 それでェいいのだッ!」
「がるる、がるるー!」(←訳:虎です、赤塚センセはいつだって正しいのさ!)

 おや? そういえば……この御本の中からも、聞こえてきますよ?
 『何やってんだぼくは』と嘆く声が。
 声の主を探して、さあ、こちらへ、どうぞ御一緒に~!


 
                  ―― オケ老人! ――



 著者は荒木源さん、’08年10月に発行されました。
 『オケ』ってもしや?と思った音楽好きさん、
 ええ、その通りですとも!
 『オケ老人!』の『オケ』は『オーケストラ』の『オケ』~♪

「みゅーじッくゥ! おるけすとらッ!」
「がるる!……ぐるる~?」(←訳:楽団さん!……でも老人っていうのは~?)

 『オケ』は『オーケストラ』の『オケ』、
 そして『老人』とは、読んで字の如く『老人』です。
 この組み合わせが、
 中島明彦(なかじま・あきひこ)さんの悩みのもと。

 中島さん、高校で数学の教師をしています。
 それがなぜ、オーケストラ?
 
「うむッ? にそくのォわらじィ、でスかッ?」
「ぐるがる?」(←訳:観客かな?)

 学生時代、中島さんは学生オケに所属し、
 ヴァイオリンを弾いておりました。
 引っ越してきたばかりの町で、
 ふっと彼の目をとらえたのは一枚のポスター。
 アマオケ。
 ベルリオーズ。
 
 コンサート……!!

 オーケストラの音に接するなど何年ぶりのことだったでしょう。
 その余韻に酔いつつ、
 一人住まいの自宅に帰った中島さんは
 さっそく押し入れの奥からヴァイオリンのケースを掘り出します。
 ……ああ、弦が切れちゃってる。
 カビくさいような気もするけれど、
 でも、大丈夫!
 損傷はしていないし、音は出る!
 
 勢いのまま、中島さんは電話をかけます。
 通話先は『梅が岡交響楽団』。
 あのぅ、コンサート、聴かせていただきました!
 ぼくを入団させていただけませんか……!

「おおッ! ちゃれんじゃーおにいさんッ、なのでスゥ!」
「ぐるるがーる!」(←訳:行け行けー!)

 入団、即オッケー!
 明日の練習に参加されたし!
 嬉しいお返事を貰って舞い上がる中島さん、
 ああ、ここで気付くべきでしたわ。
 『オケ』は『オケ』でも、『オケ』違い!
 中島さんが入団した『梅が岡交響楽団』と
 彼の憧れである『梅が岡フィルハーモニー』は
 名前こそ似てはおれど、
 全くの別組織、別のオケだったのです。
 
 中島くんのカンチガイ、
 早とちりが、すべての始まり。

 どうすんだ。
 何やってんだぼくは。

 となるのも、無理はありませんね。

「うむむぽゥ~、どうじょうゥはァ、しまスけどォ」
「ぐるぐるる!」(←訳:身から出た錆!)

 団員はご老人ばかり、の『梅キョー』に、
 いえ、『梅キョー』の演奏能力に失望し、
 本気で辞めようと決心した中島さんでしたが、
 偶然に偶然が重なり、
 いえいえ、これこそ必然だったのかもしれませんが、
 『梅キョー』の明日を担う人材に
 祀り上げられてしまいます。

 は?
 ぼくがコンマス?
 指揮?
 ……って、えええ~っ?

「だいじょぶゥでスかッ、おにいさんッ!」
「がるーがるる?」(←訳:大丈夫じゃなさそうだよー?)

 先日ご紹介しました『のだめカンタービレ』は
 プロオケの世界を描いた物語ですが、
 こちらは、現場がルールだ!?なアマオケの世界を描いた物語です。
 老人音楽家さんたちに振り回される中島くんが向かうのは、
 いったいどんな音の世界なのでしょう?
 輝く《音の光》と、出会えるのでしょうか?

 著者の荒木さんは
 近日公開予定の映画『ちょんまげぷりん』の原作者として
 注目されている御方です。
 『ちょんまげ』と趣きはやや違って?こちらの御本は
 愉快で奇怪でファンタスティックな楽団ストーリー!
 楽しい音楽ドラマをお探しの方々におすすめ、です♪

「がんばれェ、しんまいィしきしゃッおにいさんッ!」
「ぐるるぐるがる~!」(←訳:指揮台が待ってるよ~!)