テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

鍛えよ!逃げ足!?!

2010-05-26 23:21:05 | ブックス
 つい数日前のこと、TV画面に映った松田優作さんを見て、
「青キジさんだわ!かっこいい~!!」
 と呟いてしまうほど漫画『ワンピース』にハマっているネーさです。
 こんにちは~♪ 

「こんにちわッ、テディちゃでスゥ~♪」
「がるるっ!」(←訳:虎ですっ!)
「テディちゃもォ、ゆうさくおにいさんッ、だいィすきィでス!」

 松田優作さんの代表作といえば、
 映画ではやはり『ブラックレイン』でしょうか?
 本日ご紹介いたしますのも、
 映像化したらどうかしら♪と空想したくなる物語なんですよ。
 さあ、こちらを、どうぞ~!


 
                ―― ブラックチェンバー ――


 
 著者は大沢在昌さん、’10年3月に発行されました。
 非常に印象的な御本の表紙は、装丁が高柳雅人さん、
 写真はTsuneo Yamashitaさんです。

「ふむむッ! 
 おおさわさんといえばァ、はーどぼいるどォ!」
「ぐるがるるー!」(←訳:新宿鮫だよねー!)

 この御本のオープニングは、新宿ではなく、
 六本木です。
 いきなり、ぞぞっとしちゃうような場面から
 物語は始まりますよ。

 河合直史(かわい・ただし)警部補は、
 警視庁組織犯罪対策二課に所属する刑事さん。
 ……そう、危険を伴う職業であると、
 自分でもよく分かっているつもりでした、が。

 こんなこと、あっていいのでしょうか。
 飲んでいたお店のトイレで、
 いきなり脅しつけられ、
 車に無理矢理押し込められて、
 連れて行かれた場所は、
 何処とも知れぬ産業廃棄物処理場……!

「わうううゥッ!
 そッ、そのてんかいィはッ」
「がるがるぐーるる!」(←訳:すごく危ないよ危険だよ!)

 河合さんを襲った者たちは言います。

  どれだけ商売の邪魔をすりゃ気が済むんだ――

 ええ、河合さんは怒らせてしまったのでした。
 犯罪組織の幹部を。

 車が到着した深夜の産廃場には人影もなく、
 助けも得られません。
 多勢に無勢、
 しかもオフタイムだったために完全な丸腰。
 ああ、状況は最悪です。

「わうゥッ、にげるのでスよッ、けいじのォおじさんッ!」
「ぐるるーがるっ!」(←訳:走って走ってーっ!)

 立ちつくす河合さんの身に、
 いよいよ危機が……!
 と思われたとき。

 地面に倒れ伏したのは、
 河合さんではなく、
 河合さんを狙っていた襲撃者の方でした。

 いったい何が――?

「たッ、たすけがきたァのでスかッ?」
「ぐるるがるっ!」(←訳:助かったんだねっ!)

 次々と倒れてゆく襲撃者たちに、
 愕然とする河合さん。
 何事だ? 誰だ? どういうことなんだ、これは?

 河合さんの運命が大きく変わった瞬間でした……

「うむむッ、やぱりィ、はーどぼいるどォ!」
「ぐるるぐるー!」(←訳:怖ろしいようー!)

 単なる警察小説やノワールではなく、
 ハードボイルド、としか喩えようのない
 ほの暗く、苦みある物語が
 スピーディに展開してゆきます。

 河合さんを救ったのは、何者?
 何の目的で?
 気になってしょうがないミステリ好きさん、
 ハードボイルド小説ファンの方々に、
 おすすめのクールな御本ですよ~♪

「けいじのォおじちゃんッ、しッかりィ~!」
「がるがるぐる!」(←訳:逃げ足を鍛えてね!)
 
コメント
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