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テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

パラドックスの隙間をくぐれ!

2009-12-14 22:39:20 | ブックス
 冬至が近付いていますね。
 カボチャ買わなきゃ!と思っているネーさです、こんにちは。
 柚子は既にゲットいたしました~♪

「こんにちわッ、テディちゃでスゥ!
 ゆずゆでェ、ぬくぬくゥいたしましょッ♪」

 さあ、今週もどっこいしょ、いえ失礼、読書で楽しいお時間を!
 本日は、こちらを、どうぞ~!



                 ―― 時の娘 ―― 



 編者は中村融さん、’09年10月に発行されました。
 『ロマンティック時間SF傑作選』と副題があります。
 日本で独自に編まれたこの御本には、
 9人の作家さんによる短編SF9作品が収録されています。

「えすえふゥ……!
 テディちゃ、いやでスよゥ!
 《きょうふッ!くまにんげんッ!》にはァ、なりたくゥないィでスゥ!」

 テディちゃ、映画の『ハエ男の恐怖』と混同してはいけませんわ。
 『ハエ男の恐怖』は、そもそもナンセンス類トンデモ科に属する空想譚です。
 
「ほぺッ? なんせんすゥ??」

 人間サイズの巨大ハエなんて、物理的にありえなーい!と
 理系の御方ならば断言することでしょう。
 えーと、確か、質量保存の法則とかに反しちゃってるんですのよ。
 その点を考慮してリメイクされた映画『ザ・フライ』は、
 ハエと人間の遺伝子レベルでの融合、というストーリーになりました。
 
「ふァ~、よかッたァ~♪
 くまにんげんッ、ないィんでスねッ♪」

 この御本に収められたSF作品の著者さんたちが戦わねばならないのは、
 物理学の法則よりも、
 タイムパラドックスという、
 厄介な相手さんです。
 いえ、しかし中には……
 SFを外れてファンタジーの領域に入っているとおぼしき作品も
 あるんですが。

 例を挙げれば――
 C・L・ムーアさん著の『出会いのとき巡りきて』。
 SF史上屈指の名作『シャンブロウ』を描いた作家さんが
 このような時間SFを書いておられたとは、知りませんでした。
 編者の中村さんが『神話的』と評する物語は、
 なるほど、異文明の石碑を読解してゆくような
 透徹感に満ちています。

 そして、ロバート・F・ヤングさん――
 時間SF好きな御方は、この著者さんをご存知でしょう!
 有名な『たんぽぽ娘』の著者さんによる 
 『時が新しかったころ』は、
 ロナンチックでありながらユーモアも加味された
 ヤングさんらしい短編作品です。

「ぱらどッくすゥ……ゆーもあァ……ふゥ~、
 えすえふゥにはァ、いろんなァかおがァ、あるのでスゥ~」

 ロマンティック時間SFといえばこの著者さん!
 ジャック・フィニィさんの作品もありますよ!
 『ゲイルズバークの春を愛す』が大好き~♪というフィニィさんファンは
 本邦初訳の『台詞指導』を読まなくては! 

「うむむッ!
 のすたるじィくゥ~でスねッ!」

 SFファンさん、
 ファンタジーファンの方々、
 ミステリアスな御話をお探しの活字マニアさんに、おすすめ!
 SFマニアさんは、編者さんの『あとがき』も
 しっかりお読み下さいね。

「はえおことォにもォ、おすすめしましょうッ!」

 ……ハエ男さんには、お会いしたくありませんわ。