Butzmetz LingerieZ Blog

Butzmetz社長による徒然音楽日記。

音楽ネタその48:David T. Walker

2007-02-27 23:24:51 | Weblog
前回のCornell Dupreeに引き続き、ソウル系。今宵はソウル系の超大物スタジオミュージシャンであるDavid T. Walkerだ。

と書き始めたが、あまりに恐れ多いことに気がついた(笑)。とにかく歌心に満ち溢れたギターで、歌の伴奏で垣間見せる色っぽいオブリガードは最高だ。多くのミュージシャンから尊敬を集める、正にMusicians' Musicianだろう。

最近ではなんと、日本のドリーム・カム・トゥルーなどのライブでもときたま弾いたりしている。結構なギャラ払ってるだろうな(笑)。

この人の魅力は、ソウル系でありながら、リズムの取り方やフレージングにジャズのアプローチを巧みに取り入れているところだと思う。決して、モロ・ジャズではないのだが、ジャズのおいしいツボを良く押さえているという感じだ。

オススメは、もちろんたくさんあるのだが、例えばMarlina Showの"Who is this Bitch anyway"という作品などが私の好物だ。一曲目に収められた"Street Walkin' Woman"という曲でラリー・カールトンと掛け合う演奏は「歌伴」のいいお手本だと思う。

願わくば、あまり日本人のアーティストの伴奏とかはあまりして欲しくないが(失礼!)、まだまだ艶っぽい演奏を聞かせて欲しいものだ。
(Butzmetz社長)

次回ライブの告知!!!

2007-02-26 00:22:16 | Weblog
まだまだ先の話ですが、次回ライブが決定しました。トップページにも掲載していますので、そちらも是非ご確認下さい。

5月11日(金)19:00 open 19:45 start
吉祥寺MANDA-LA2 (tel:0422-42-1579 )
出演:
 ◆Butzmetz LingerieZ
  ゲスト:片山広明(Ts)、ウォルティ・ブヘリ(Pan Flute)
 ◆SOH BAND
料金:Charge2200+order500~

「渋さ知らズ」やRCサクセションなどをサポートしているテナーの名手、片山広明さんや、パンフルートの魔術師こと「あやしいスイス人(笑)」、ウォルティ・ブヘリ氏をゲストに迎えて敢行します。また、あの伝説の"SOH BAND"とのコラボレーションになります。現在、そのための作曲・選曲中です。また近くなれば宣伝させていただきます。よろしくです!
(Butzmetz社長)

音楽ネタその47:Cornell Dupree

2007-02-26 00:04:19 | Weblog
今宵のネタは少しソウル系ミュージシャンにフォーカスしてみよう。アーバンブルースギターの旗手、Cornell Dupreeだ。私の師匠から薦められたのがきっかけで聞き出したのだが、最初の印象は「なんだか音も小さいし、ようわからんわ」という感じだった(今から思うとマジで失礼)。

確かに弾いている姿も、パイプ煙草をくゆらせ、なんだか「このオッサン、やる気あんのか?」的な雰囲気だ(笑)。だが、いざじっくり聞き込んでみると、結構気合の入ったギターを弾いているのだ。さすが、キング・カーティスやアレサ・フランクリンといった大物ミュージシャンをサポートし続けた実力は伊達ではない。

テレキャスターという、これまた「お仕事」には使いにくい楽器を愛用しているところも渋い。テレキャスターというギターは、もちろんフェンダー製の代表的なブランドの一つなのだが、構造上も楽器本体の鳴りが出やすいように思う。開放弦を含むローコードをジャーンと鳴らしたときの抜けの良さなど最高なのだが、単音でソロをとるときなど、注意しないとバラツキが出やすい。なんというか、弾き手の腕が如実に表れる楽器なのだ。もっとも、デュプリーも最近は純粋なテレキャスターではなく、ヤマハ製などを愛用しているようだが。

このオッチャンも還暦を越えている。お勧めはいろいろあるだろうが、ソロの代表作"Teasin'"とか"Live Stuff"当たりだろうか。

ソウルやR&Bといった音楽は、ある意味頑迷なまでにスタイリスティックであることが求められる。同じ黒人音楽がルーツであっても、例えばジャズができるからといって、ソウルやR&Bは絶対にできない。私はソウルやR&B方向で自分のスタイルを築こうとは考えていないが、デュプリーのような小粋なギターは是非これからも聴いて参考にしていきたいと思う。
(Butzmetz社長)

音楽ネタその46:Antonio Carlos Jobim

2007-02-22 23:05:00 | Weblog
今宵のネタはボサノバの父、Antonio Carlos Jobimだ。いなたいピアノやギターを弾くのではあるが、プレイヤーというよりは、やはり作曲家なのだろう。

"A Girl from Ipanema", "Wave", "Aqua de Beber",もう名曲が目白押しだ。またギタリストからみて魅力的なのは、ボサノバという音楽にはギターが欠かせないという点だ。気をつけないといけないのは、あのスタイルにはまると他の音楽がやりにくくなる、といった点だろうか。

なお、ジョビンは相当モテたようで、多くの女性との間に数え切れないくらい子供がいるようだ。そこも憧れだったりする(爆)。
(Butzmetz社長)

音楽ネタその45:Quincy Jones

2007-02-20 00:30:37 | Weblog
今宵のネタは異才Quincy Jonesである。音楽業界で彼のような立ち位置にいる人は極めて珍しいと思う。少なくとも日本では皆無ではないのだろうか(そんなことないぞ、という方がいれば是非ご指摘願いたい)。

元々トランペッターとしてキャリアをスタートさせ、ライオネル・ハンプトン楽団にプレイヤーとして参加し、その後カウント・ベイシー楽団などにおいてアレンジャーとして才能を発揮した。やがてプロデューサとしてキャリアを進めることになるのだが、一般に知られているのはプロデューサとしてのクインシーだろう。日本的な感覚でいえば「裏方だけど権力はある」的なイメージであるプロデューサという役割を、ここまで注目させたのは彼の功績が大きいのではないだろうか。

私が彼の作品で大好きなのは、彼名義の作品であれば、例えば"Sounds...and Stuff like that!!"という、当時の東海岸の腕利きミュージシャンを揃えて制作された、アーバンソウルフィーリングに溢れた一枚だ。彼名義でないものとなると、例えばマイケル・ジャクソンの"Off the Wall"(これはバケモノアルバム"Thriller"の1枚前にリリースされた作品だが、私はこちらの方が傑作だと思う)、フランク・シナトラの"L.A. is my lady"という作品だ(このシナトラの作品は、それまでの悪くいえば「古臭かった」アレンジから決別し、またマイケル・ブレッカーやジョージ・ベンソンといった超一流のジャズメンを起用した、これまた傑作である)。

調べてみたが、御年なんと74歳。まだまだ私達を驚かせてくれる作品を出して欲しいものだ。
(Butzmetz社長)

音楽ネタその44:Ornette Coleman

2007-02-18 12:38:41 | Weblog
今日のネタはフリージャズの巨匠、Ornette Colemanだ。尊敬する音楽家の一人である。

そもそもサックスという楽器はフリージャズに馴染みやすい。一見(一聴?)すると無秩序な音列を他の楽器に比べると出しやすいように思う。これまで自分なりにいろいろなアンサンブルを経験してきて、「こりゃ勝てない」と思ったのが管楽器、特にサックスによるフリーラインだ。ギターではこのようなフリーラインは非常に弾きにくい。

試しに、フリージャズを得意としているといわれるギタリストの音楽(例えばソニー・シャーロック、ジェイムズ・ブラッド・ウルマーなど)を聞いていただければわかると思うが、サックスのラインやアプローチとは全く異なる。

だが、元祖といわれるオーネットの演奏を聴くと、決して無秩序な音楽ばかりかといえばそういうわけではない。秩序(インサイド)と無秩序(アウトサイド)が自由自在に交錯している。だからこそ、音楽に適度な「緊張感」が生まれる。

フリージャズ的なアプローチは私も目指しているところなのだが、これはかなりバンドの息があっていないとできない。自己満足かもしれないが、こういうアプローチが「決まった」瞬間は本当にぞくぞくする。秩序だったアンサンブルが崩壊して混沌の世界に突入し、また元の秩序に戻っていく。

私のバンドであるButzmetz LingerieZでもフリーアプローチはこれからも試みていきたい。
(Butzmetz社長)

音楽ネタその43:2 Tone Ska Music

2007-02-17 19:44:28 | Weblog
この「音楽ネタ」シリーズは私が好きなミュージシャンにフォーカスして、思いつくままに書いているものだが、今回のネタは特に固定のアーティストにフォーカスしたものではない。「スカ」と呼ばれる音楽についてだ。それも、どちらかといえばイギリスで流行したツートーン・スカと呼ばれるものである。バンドでいえば、SpecialsとかMadnessというバンドがこれに当たる。

元々スカという音楽の発祥はジャマイカで、2拍と4拍にアクセントをおいたテンポも速めの音楽だ。これが後にレゲエミュージックへとつながっていく。これがイギリスではステージングも含めてスタイリッシュな音楽に昇華され、特に私の大学時代に非常に流行していた。楽曲の構成的にも、鍵盤やパーカッションも含めたリズム隊に管楽器数人を含めた豪華な編成だ。私も大学時代、この手のアンサンブルに参加させてもらったことがあるが、かなり熱くて楽しい。

今では特別流行しているわけではなく、むしろ一つのジャンルとして溶け込んでいる感じだし、日本では東京スカパラダイスオーケストラの存在が一番大きいように思うが、また機会があればこの手のアンサンブルに参加してみたいものだ。
(Butzmetz社長)

音楽ネタその42:Larry Carlton

2007-02-17 00:24:18 | Weblog
今宵のネタはMr. 335ことLarry Carltonだ。私にGibson ES-335という型番の名器を買わせるきっかけになった名手だ。

スタジオミュージシャンとして実績を積み、クルセイダーズなどにおけるセッションで頭角を表した人だ。ソロデビューの作品である「夜の彷徨」が出た頃、結構必死になってコピーに明け暮れたものだ(全然フレーズとして身についてないけど)。

数年前に暴漢に拳銃で撃たれ、再起不能とまでいわれたところ奇跡的に復活している。復帰以前はジャジーでメカニカルなフレーズが多かったが、生死の境を彷徨ったからでもなかろうが、復帰以降はブルージーでゆったりとしたフレーズが多くなったように思う。

この人の魅力は、テクニックはもちろんだけど、あの艶っぽい音色とタッチだ。335とメサブギーという彼と同じ組合せを持ってしても、あの音色は彼以外には絶対に出せない。もう一つ、「間」だ。特に歌モノのバックなどで垣間見せる、オブリガードの入れ方などは絶妙だ。

調べてみたところ、もうじき還暦だ。フォープレイなどで頑張っているようだが、まだまだ色気のあるギターを聞かせて欲しいものだ。
(Butzmetz社長)

音楽ネタその41:Steely Dan

2007-02-16 00:23:54 | Weblog
今宵のネタは私の大好きなバンドの一つであるSteely Danだ。バンド、というより、ドナルド・フェイゲンとウォルター・ベッカーという二人組みのユニットと考えていいだろう。

非常に洗練された楽曲と難解な歌詞、ぜいたくに使われる超一流のスタジオミュージシャン(ラリー・カールトン、スティーブ・ガッド、チャック・レイニーなどなど)、非常にクリアな音質で録音された作品と、玄人受けする要素の高い音楽を生み出している人たちだ。洗練された、と書いたが、確かにジャズ理論を巧みに取り入れたハーモニー・メロディーを採用しているのだが、どこかearthyな感じがするのはベースにR&Bフィーリングがあるからだと思う。

玄人受けするにもかかわらず、ポピュラリティを確保しているところもすごい。名盤"Aja", "Gaucho"はビルボードトップ5を記録していたと思う。

私はButzmetz LingerieZ以外にUHDAというおっさんユニットもやっているのだが、そちらの方ではさしあたりSteely Danのような雰囲気が出せることを一つの目標としている。
(Butzmetz社長)

音楽ネタその40:Jaco Pastorious

2007-02-14 23:56:25 | Weblog
今宵は天才ベーシスト、Jaco Pastoriousについて書いてみよう。

とにかくこの人の演奏能力についてはごちゃごちゃ言うまでもあるまい。フェンダー・ジャズベースのフレットを抜いてしまうという、ある意味「反則」みたいな方法をここまで一般化させたのはジャコの功績が大きいのではないだろうか。あまりにテクニックが素晴らしいので音数も多く譜割も細かいので、並みのフロント楽器では対抗できない。また、ベーシストであそこまでハーモニクスを効果的に使った人もジャコ以前にはそれほどいなかったのではないだろうか。ソロ作品、Weather Report、Word of Mouth Big Band、Joni MitchelやPat Methenyとの競演ものなど、本当に名演が目白押しだ。

しかしながら、演奏テクニック以上に素晴らしいのが作曲のセンスだと思う。非常に美しい旋律をもった曲が多いし、ハーモニーや構成も一ひねり加えられている。結構私が好きなのは、自分で作ったモチーフに過去の名作の一部を交えて再構成するという、少しシャレっぽい楽曲だ(例:コルトレーンのGiant Steps、ハービーのSpeak Like a Child、ビートルズのBlack Birdなどなど)。

ジャコはWord of Mouthという不朽の名作発表後(この作品は日本では絶賛されているがアメリカでの評価は今ひとつだったらしい)、及び死に至るまでがあまり恵まれなかった。なんでもバーで泥酔し、ガードマンだかに殴られて意識不明に陥り、そのまま帰らぬ人に。どうやら酒やドラッグの影響という噂もあるようだが、躁うつ病にも苛まれていたらしい。

もうジャコのようなベーシストは後100年くらい経たないと出現しないのではないだろうか。合掌。
(Butzmetz社長)